「『旦那』の由来や語源は?」
「『旦那』の由来で他の意味に派生した言葉はある?」
「『旦那』の由来を知って正しい使い方をしたい!」
とお考えではありませんか?
配偶者を指す言葉として、一般的に知られている『旦那」。
しかしその由来や語源まではあまり知られていません。
当記事では
- 『旦那』の由来や語源は?
- 『旦那』と『ドナー』の由来は同じ!
- 『旦那』の意味は配偶者だけではない!
上記の内容を徹底解説していきます。
『旦那』の由来を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
最後までお読みいただければ、旦那の由来を理解し、正しい使い方ができるはずです。
『旦那』の由来や語源は?
『旦那』にはどんな由来があるのでしょうか?
漢字を見ても、由来や語源がイメージできませんよね。
この項目では
- もともとの語源はサンスクリット語
- 日本に伝わってきたのが由来
といった内容を見ていきましょう。
もともとの語源はサンスクリット語
『旦那』の語源は古代インドにまで遡ります。
古代インドではサンスクリット語と呼ばれる言語が広い地域で用いられていました。
日本や中国では「梵語(ぼんご)」とも呼ばれています。
サンスクリット語
Samskrit古代インドの雅語、文章語。中国および日本では梵語(ぼんご)ともいう。
サンスクリット語では「布施」や「与えること」を意味する「ダーナ」という言葉がありました。
古代インドの僧侶は、生活のすべてを修行に捧げる厳しい習わしがあったようです。
僧侶が自ら生活物資を用意することが難しかったからです。
この人々が分け与える施しが「ダーナ」と呼ばれていました。
ダーナは見返りを求めずに僧侶に施しをし、生活を支える基盤となっており、これは仏教の大事な精神の一つです。
日本に伝わってきたのが由来
「ダーナ」というサンスクリット語は、次第に中国や日本に伝わります。
漢字文化圏に伝わるにつれ「ダーナ」には『檀那』の字が当てられました。
江戸時代になり、寺請制度が開始されました。
寺請制度とはキリスト教を禁止するために実施された制度です。
寺請制度
てらうけせいど江戸時代の宗教政策で,キリシタンでないことを檀那寺 (だんなでら) に証明させる制度。
この制度により、家の家長が寺にお布施を払うようになりました。
つまりお布施を払う家長が、寺にとっての『檀那』に当たります。
『旦那』と『ドナー』の由来は同じ!
中国や日本に伝わるようになったサンスクリット語ですが、実は別のルートでヨーロッパにも伝わっています。
ヨーロッパに伝わったサンスクリット語は、次第に英語へと変化していきました。
先述した「ダーナ」も、ヨーロッパに伝わった言葉の一つです。
そして英語の「donor(ドナー)」が生まれたのです。
ドナー【donor】 の解説
《寄付者・寄贈者の意》献血者や、臓器移植における角膜・腎臓などの提供者、骨髄移植おける骨髄の提供者のこと。→レシピエント
つまり「旦那」と「ドナー」はもともと同じ言葉が由来になっていることが分かるでしょう。
今ではまったく違う意味の言葉ですが、元を辿ると同じ語源だったのですね。
『旦那』の意味は配偶者だけではない!
由来を見ても分かるように『旦那』はもともと配偶者を指す言葉ではありませんでした。
今でも『旦那』には配偶者以外の意味が含まれています。
だんな【×檀那/旦那】
《(梵)dānaの音写》1 ほどこし。布施。転じて、布施をする人。檀越(だんおつ)。檀家。
2 商家の奉公人などが男の主人を敬っていう語。「店の大—」
3 商人が男の得意客を、また役者や芸人が自分のひいき筋を敬っていう語。また一般に、金持ちや身分のある男性を敬っていう。「—、これはよい品でございますよ」「顔見世に—衆を招く」
4 妻が夫をいう語。他家の夫をいう場合もある。「お宅の—」
5 妾(めかけ)の主人。パトロン。「—がつく」「—を取る」
「店の主人」という意味での『旦那』は耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
また「得意客」を指して『旦那』と呼ぶ場合もあります。
「養ってくれる人」や「お金をくれる人」が『旦那』になるのです。
『旦那』の対義語は妻?
『旦那』の対義語が気になる方も多いでしょう。
同じく配偶者を指す言葉である『夫』の対義語は『妻』です。
では『旦那』の対義語は何になるのでしょうか?
Weblio類語辞典によると『旦那』の対義語は『奥さん』であると記載されています。
対義語・反対語 旦那さん ⇔ 奥さん 意味 夫の立場にある者を敬って言う表現 妻の立場にある者を敬って言う表現
『旦那様』の場合は『奥様』が対義語と言えるでしょう。
それを考えると対義語に敬称が付くのも納得です。
『旦那』の正しい使い方
『旦那』の由来や意味を理解すると、正しい使い方が分かってきます。
相手や使うシーンに応じて、正しい使い方をしましょう。
- 自分の配偶者:旦那
- 自分以外の配偶者:旦那様
- 雇用主やお客様を指す場合:旦那様
それぞれのシーンでの使い方を解説していきます。
自分の配偶者:旦那
自分の配偶者を指す時は『旦那』と呼ぶのが相応しいでしょう。
『旦那さん』と「さん」付けをするのはNGです。
自分の身内を指す時には敬称を付けずに呼ぶのが、日本語のルールになっています。
母親を上司に紹介するときに
とは言わないですよね。
が正しい使い方でしょう。
自分の配偶者を指す時も、同じように「さん」付けはせずに呼びます。
自分以外の配偶者:旦那様
自分以外の人の配偶者を呼ぶ際には「旦那様」と呼ぶのが一般的です。
「様」を付けることで、より丁寧で敬意を込めた言い方になります。
といった使い方ができるでしょう。
目上の人や上司に対しても使える表現です。
親しい間柄であれば「旦那さん」でもいいでしょう。
雇用主やお客様を指す場合:旦那様
雇用主やお客様を指す場合にも「旦那様」が使えるでしょう。
先述したように『旦那』には配偶者以外の意味も込められています。
最近ではあまり使われなくなりましたが、今でも通用する言葉です。
『旦那』という呼び方は下品?
中には『旦那』という表現が下品だと感じる人もいるようです。
自分の夫のことを「旦那」と言う人って、なんだか下品に感じてしまって苦手で…m(_ _)m(育ちの良い人が「旦那」と言っているのはあまり聞かないし…)
自分の配偶者をぞんざいに扱っているように感じるのでしょう。
先述したように『旦那』の由来には、相手を敬う意味が込められています。
しかしカジュアルなシーンで使われるので、下品だと感じる人もいます。
『旦那』は親しい間柄の会話のみで使用するようにしましょう。
相手が自分の配偶者をどのように呼んでいるのかを探り、同じように呼ぶと相手に不快な思いをさせずに済みますよ。
『旦那』以外の呼び方の使い分け
『旦那』以外にも配偶者を指す日本語があるので、シーンに応じて使い分けましょう。
正しく使い分ければ、会話をスムーズに進めることができます。
主な使い分け方法は下記のとおりです。
- 公式な場:夫
- 目上の人と話す場合:主人
- 友人や知人と話す場合:旦那
それぞれの使い方を解説していきます。
公式な場:夫
公式な場では「夫」が相応しい呼び方でしょう。
「夫」は公的書類などでも使用される、正式な表現です。
男女平等が推奨されている現代社会においても相応しい呼び方と言えるでしょう。
目上の人と話す場合:主人
目上の人と話す時には「主人」がおすすめです。
もちろん「夫」でも問題ありませんが、会話によっては堅苦しい印象になってしまう場合も。
「主人」を使うことで、より柔らかな印象を与えられます。
などと使うのが一般的です。
友人や知人と話す場合:旦那
友人や知人と話す場合には「旦那」を用いてもいいでしょう。
敬う意味合いが込められた「旦那」ですが、現代ではカジュアルなシーンで用いられています。
また「旦那」は上下関係を意味に含んでいるため、好ましく思わない人もいます。
先述したように「下品」だと感じる人もいますので、相手を選んで使うようにしましょう。
親しい間柄であれば「旦那」以外にも、下の名前に「さん」を付けて呼ぶことも可能です。
まとめ
『旦那』の由来は古代インドで使われていたサンスクリット語にありました。
もともとは「布施」や「施し」を意味する「ダーナ」ですが、日本に伝わり、やがて配偶者を指す言葉になったのです。
同じ由来の言葉には、英語の「donor(ドナー)」があります。
由来や意味を正しく理解して、上手に使い分けをしましょう。
- 自分の配偶者:旦那
- 自分以外の配偶者:旦那様
- 雇用主やお客様を指す場合:旦那様
『旦那』以外にも「夫」や「主人」など、配偶者を指す言葉にはいくつかあります。
相手に合わせて使い分けることも大切です。
「旦那」以外の呼び方については下記の記事も参考にしてください。
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