「離婚したいけれど親権は取れるだろうか?」
「離婚したいけど父親に親権を取られないか不安……」
「離婚したいうえに親権を取りたい場合の注意点はある?」
などとお考えではありませんか。
夫と離婚しても子供たちとは離れたくないというのは、母親として自然な感情でしょう。
親権を取られないかと不安になるのも無理はありません。
当記事では
- 離婚したいけど親権は取れる?取得するための5つのポイント
- 離婚したいけど父親に親権を取られたくない!負ける場合はある?
- 離婚して親権を取りたい場合の注意点
といった内容を徹底解説していきます。
離婚したいけれど親権はほしいという方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
最後までお読みいただければ、離婚したいけれど親権を取る方法がきっと分かるはずです。
離婚したいけど親権は取れる?取得するための5つのポイント
離婚すれば、当然子供は父親か母親どちらかの元に行くことになります。
シングルマザーは大変だと分かってはいても、やはり子供とは一緒に過ごしたいですよね。
離婚後に親権を取るためのポイントは下記の5つあります。
- 監護実績がある
- 今後の監護体制が整っている
- 子供との時間が取れる
- 親権者が健康である
- 経済的に自立している
それぞれのポイントを具体的にみていきましょう。
監護実績がある
まずはこれまでの「監護実績がある」かどうかです。
「監護」とは、子供の面倒を見てきたかどうかということを意味します。
「監護」とは、子どもの生活について社会通念上必要とされる監督・保護を行っている(簡単にいうと、面倒をみている)ことをいいます。
子供と時間を過ごしてきた方が、子供の気持ちを理解できるのは当然でしょう。
今後の監護体制が整っている
「今後の監護体制が整っている」かどうかも、判断基準のひとつになるでしょう。
監護体制には住居環境や家庭環境も含まれます。
家を出た後に、住まいがなくなってしまえば監護体制が整っているとはいえません。
子供と暮らす住まいを確保する必要があるものです。
また子供が熱を出すなど、いざという時にはサポートが必要になることもあります。
子供との時間が取れる
次のポイントは「子供との時間が取れる」かどうかです。
特に子供が小さい場合は、一緒に過ごす時間が多い方が望ましくなります。
今まで一緒に過ごしてきたとしても、今後仕事が忙しくて子供との時間がなくなるケースもあるでしょう。
保育所に預けられる時間帯はいいとしても、長時間子供だけで自宅に放置するわけにはいきません。
親権者が健康である
当たり前のことではありますが、親権者が健康であることも条件になります。
健康状態が優れなければ、子供を養育することはできません。
「健康」は体のことだけでなく、精神面も含まれます。
精神的な病を抱えていれば、虐待やネグレクトの要因になりかねないからです。
経済的に自立している
最後は「経済的に自立している」ことが挙げられます。
子供を養育するとなると、当然ある程度の収入が必要になるものです。
子供の学費や食費、生活費などを賄える収入を確保しなければなりません。
離婚したいけど父親に親権を取られたくない!負ける場合はある?
協議離婚で親権が獲得できれば問題ありませんが、親権がほしいとごねる夫もいることでしょう。
協議離婚が成立しなければ、裁判で親権を争うことになります。
親権を獲得できるのか、不安に思うのも無理はありません。
下記の項目で詳しくみていきましょう。
- 父親が親権を取れる確率:10%未満
- 母親が親権を取れない事情
- 父親が親権を取った事例
父親が親権を取れる確率:10%未満
基本的に子供の親権は、母親が取りやすいと言われています。
2017年の司法統計によると、父親が親権を獲得したケースはわずか10%未満です。
調停や審判による親権者の取り決めは2万588件ありましたが、父親が親権を獲得し、子供と同居できているのは1,860件と10%にも満たない割合です。一方、母親が親権者となった割合は1万9,160件とそのほとんどが母親であることがわかります。
父親が親権を取りにくい理由としては、子供の意思が大きく関係しています。
子供がある程度の年齢に達していれば、本人の意思も重視されるケースが一般的です。
と子供が望み、母親側に大きな問題がなければ、母親が親権を取得できるケースが多くなります。
母親が親権を取れない事情
とはいえ、必ずしも母親が親権を取れるとは限りません。
上記を見ても分かるように、10%程度ではありますが父親に親権が渡ったケースが1,860件もあるのです。
母親が親権を取れないケースの一例としては、下記が挙げられます。
- 虐待やネグレクトがある
- 子供の意思
- 母親が病気である
虐待やネグレクトがある
まずは「虐待やネグレクト(育児放棄)がある」場合です。
下記のような言動は、虐待やネグレクトにあたります。
- 暴力をふるう
- 人格を否定するような暴言を吐く
- 過度な課題を出してできるまで立たせる
- 厳寒の真冬や真夏の炎天下にベランダなどに締め出す
- 食事を与えない
- 子どもだけで何日も留守番させる
- 風呂に入れない
- 病気やけがをしても病院で治療を受けさせない
- 衣類を買い与えず、年中同じ服を着せる
虐待やネグレクトがある場合は、親権を取ることはできません。
子供の意思
次は「子供の意思」です。
子供が15歳以上であれば、子供の意思が優先されます。
と子供の明確な意思があれば、親権は父親にわたる可能性が高いでしょう。
とはいえ15歳未満であれば、子供の意向が優先されるとは限りません。
母親が病気である
最後は「母親が病気である」場合です。
先述したように、親権者は心身共に健康であることが求められます。
親権がほしいのであれば、まずは心身を整える必要があります。
父親が親権を取った事例
なかには下記のような事例もあるので、注意が必要です。
母親がある日勝手に家を出てしまい、父親が子供を監護していたケースです。母親は家族を残して勝手に家を出てしまいました。父親は自分の両親の協力を得ながら子供の養育を続けました。
調停では、現状父親が子供の監護者となっており、問題なく生活できていることを主張し、調停委員の心証も父親優位であるように見受けられました。
結局、協議離婚により父親が親権を勝ち取ることができました。
離婚を考えるくらいですから、夫との生活が苦痛に感じる時もあるでしょう。
すべてを捨てて、家出したくなる気持ちも当然です。
親権がほしいのであれば、勝手に家出をすることは避けましょう。
離婚して親権を取りたい場合の注意点
離婚して親権を取りたいのであれば、下記の点に注意してください。
- 夫が親権を持つパターンを知っておく
- 感情的にならない
- 面会交流の機会を多く設ける
それぞれの注意点を詳しくみていきましょう。
夫が親権を持つパターンを知っておく
夫が親権を持つパターンを知っておくことで、親権を獲得しやすくなります。
父親に親権がいく可能性として、もっとも高いのは「経済的安定」です。
防ぐためには、同じように母親も経済的に安定しておく必要があります。
感情的にならない
次は「感情的にならない」ことも意識しましょう。
感情的になると、話し合いは決裂してしまいます。
冷静に話し合いをすることを意識してください。
面会交流の機会を多く設ける
「面会交流の機会を多く設ける」こともポイントになります。
面会交流とは、一緒に暮らすことができなくなった親(非監護親)が、別居している子と面会・交流することをいいます。
直接会うだけでなく、手紙や写真の交付、プレゼントの受け渡しなどの方法も含まれます。
離婚しても、子供にとっては大切な父親です。
面会交流権は父親だけでなく、子供にとっても重要な権利といえます。
離婚時の親権の決め方
離婚時の親権の決め方は、下記の3通りです。
- 話し合いで決める
- 調停に持ち込む
- 裁判所に判断してもらう
話し合いで決める
まずは「話し合いで決める」方法を取ります。
お金もかかりませんし、スピーディーな離婚も可能になるはずです。
離婚届には親権者を記入する欄があり、話し合いで親権者が決まれば記載して提出し離婚を成立させます。
刑法224条の「未成年者略取誘拐罪」に問われる可能性もあるでしょう。
夫婦が別居中、妻が自分のもとで当時2歳の子を養育していたところ、妻の母が、子を保育園に迎えに行き、車に乗せる準備をしていたすきに、夫が、背後から子を持ち上げて自分の車に乗せて走り去った行為が未成年者略取罪にあたるとされました。
調停に持ち込む
話し合いで折り合いがつかない場合は「調停に持ち込む」ことになります。
調停とは、当事者間の紛争について、裁判所(調停委員会)の仲介によって、当事者が互いに譲歩し合い、合意による解決を目指す手続です。
離婚調停の場合、離婚に関する様々な問題について、家庭裁判所で話し合うこととなります。
夫婦間で話し合うと、喧嘩に発展してしまうという夫婦も少なくありません。
しかし調停であれば、調停員が間に入ってくれます。
お互いの言い分を調整しながら、親権の決定を図ってくれるので安心してください。
裁判所に判断してもらう
調停が不成立の場合は、最終手段として「裁判所に判断してもらう」ことになります。
上記で解説した子育ての実績や経済状況が判断基準となります。
有利に進めたいのであれば、弁護士に相談してみてください。
まとめ
離婚後に親権を取るためのポイントは下記の5つあります。
- 監護実績がある
- 今後の監護体制が整っている
- 子供との時間が取れる
- 親権者が健康である
- 経済的に自立している
2017年の司法統計によると、父親が親権を獲得したケースはわずか10%未満です。
とはいえ、母親の状況によっては親権が父親にいくこともありますので覚えておきましょう。
法律家の観点から、適切なアドバイスをもらうことができるでしょう。
親権は子供にとっても、今後の人生に大きな影響を及ぼします。
一時的な感情ではなく、子供の幸せを考えて判断するようにしてください。
離婚にかかる費用については、下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
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