「『夫』『主人』『旦那』の由来は?」
「『夫』『主人』『旦那』の違いが分からない!」
「『夫』『主人』『旦那』の正しい使い分けは?」
といったお悩みを抱えていませんか?
日本語には、同じ意味を持つ言葉がいくつかあります。
少しずつニュアンスが異なっており、使い分けるのが難しいと感じるのも無理はありません。
当記事では
- 『夫』『主人』『旦那』それぞれの由来は?
- 『夫』『主人』『旦那』正しい使い分けは?
- 第三者の配偶者に使えるのは『主人』『旦那』!
といった内容を徹底解説していきます。
『夫』『主人』『旦那』の違いにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただければ『夫』『主人』『旦那』の正しい使い分けができるようになることでしょう。
『夫』『主人』『旦那』それぞれの由来は?
『夫』『主人』『旦那』という言葉はすべて配偶者を指す日本語です。
しかし、それぞれの言葉によって由来が異なります。
- 夫:日本語
- 主人:中国語
- 旦那:サンスクリット語
各言葉の由来を詳しく見ていきましょう。
夫:日本語
「夫」の由来は「をひと」という日本語です。
昔は夫を指す言葉として「男人(をひと)」という言葉が使われていました。
平安時代の「令集解」には下記のような記述があります。
「夫、俗に呼比止(をひと)と云ふ」
「令集解」は9世紀中頃に書かれていますので、かなり昔から「夫」という言葉が使われていたようです。
「おっと」という言葉が一般的に使われるようになったのは室町時代。
それよりも前には「をひと」だけでなく「をうと」という言葉も使われていました。
主人:中国語
「主人」はもともと中国語だった言葉が、日本に伝わったのが由来です。
具体的にいつ頃、日本に伝わったのかははっきりとは分かっていません。
しかし818年に書かれた「文華秀麗集」には、既に「主人」という言葉が登場しています。
中国語で「主人」は「夫」ではなく「主」を指す言葉です。
主人
ピンインzhǔ・rén名詞
1(客に対し)主人.↔客人.2(財産・権力の)所有者,持ち主,主人公.
3((清末から中華人民共和国成立以前のいわゆる旧社会の言葉)) (使用人に対し)主人,雇い主.
旦那:サンスクリット語
「旦那」という言葉の由来は、仏教発祥の地でもある古代インドのサンスクリット語です。
サンスクリット語では「施し・布施」を意味する「ダーナ」という言葉が使われていました。
古代インドでは、生活のすべてを犠牲にして、お坊さんが修行をするという習慣があったようです。
自分たちのために修行をしてくれているお坊さんに、人々は感謝の気持ちを込めて「ダーナ(施し)」を行なっていました。
お坊さんの生活は「ダーナ」によって支えられていたのです。
そして「施し・布施」だけでなく「施す人」「与える人」を指すように。
昔は夫が外で働き、家にお金を持ってくるのが当たり前でした。
そのため、お金を与えてくれる人である夫に対し「旦那」という言葉が使われるようになったのです。
現代でも生活の面倒を見てくれる「パトロン」の意味合いで「旦那」という言葉が使われることもあります。
『夫』『主人』『旦那』正しい使い分けは?
由来はそれぞれ異なりますが『夫』『主人』『旦那』はすべて同じ意味を持つ言葉です。
と疑問に思う方もいるでしょう。
正しい使い分けは下記の通りです。
- オフィシャルな場:夫
- 目上の人と話す場合:主人
- 親しい友人と話す場合:旦那
- 補足:その他の呼び方
それぞれの違いを知って、正しく使い分けができるようになりましょう。
オフィシャルな場:夫
ビジネスシーンなどのオフィシャルな場では「夫」を使うのが一般的です。
「夫」は公式な書類などにも使われる言葉。
たとえば公式な場で夫婦で出席し、自分の旦那を紹介する時は
などと使えるでしょう。
「夫」は報道でも使われ、最もオーソドックスな呼び方です。
「旦那」や「主人」は主従関係を連想させるとして、違和感を抱く人もいるので覚えておきましょう。
目上の人と話す場合:主人
目上の人と話す場合は「主人」を使うことができます。
「主人」は「一家の主」「自分の仕える人」という意味合いを持つ言葉です。
夫を立てる表現となり、丁寧な印象を与えることができるでしょう。
現代は共働き家庭も増え、夫と妻の立場は対等という考えが一般的です。
そのため「主人」という言葉を好ましく思わない人もいます。
しかし、一般的によく使われる言葉ですので、目上の人と話す際には無難な表現でしょう。
親しい友人と話す場合:旦那
親しい友人やママ友と会話する際には「旦那」を使っても問題ありません。
「旦那」はカジュアルな言い方で使われるので、公式な場や目上の人との会話では避けた方がいいでしょう。
などといった使い方が一般的です。
まれに「旦那さん」や「旦那様」と敬語を付けて呼ぶ人がいますが、敬語を付けるのはNG。
補足:その他の呼び方
「夫」「主人」「旦那」が一般的な呼び方ですが、それ以外の呼び方もあります。
特に最近増えてきているのが「パートナー」という呼び方です。
あまり馴染みがないという方も多いですが、主従関係を感じさせない呼び方として人気を集めています。
また事実婚やLGBTQの方でも使える言葉でしょう。
「夫婦」の形が多様化している現代において、最も相応しい言葉と言えます。
第三者の配偶者に使えるのは『主人』『旦那』!
自分以外の配偶者に使う言葉としては「主人」か「旦那」が一般的です。
ただし敬称を付けて「ご主人」「旦那様」と呼ぶようにしましょう。
まれに
という疑問もありますが「様」は人を指す代名詞に使われるものなので、問題ないと言われています。
第三者の子供を「お子様」と呼ぶのと同じ理論です。
より丁寧に表現したい場合は「ご主人様」を使うといいでしょう。
仲の良い友人であれば、相手の名前に「さん」を付けて呼ぶことも可能です。
「主人」や「旦那」が主従関係を連想してしまうので気になるという方は、名前で呼ぶことをおすすめします。
『夫』『主人』『旦那』どの呼び方が無難?妻たちの声
世の中の妻たちは「夫」「主人」「旦那」のどの呼び方を使っているのでしょうか?
いろいろな呼び方があり、呼び方に迷う方も少なくないようです。
ネット上では
- 『旦那』と呼ぶのは好きじゃないと言われる
- 上下関係を意味する言葉は使わない
- 新婚で『主人』は恥ずかしい
といった声が寄せられていました。
それぞれの声について、具体的に解説していきます。
『旦那』と呼ぶのは好きじゃないと言われる
夫側が「旦那」という呼び方に抵抗があるという声です。
旦那は、私に「俺のことを外で旦那とか、うちの旦那とか、そういう下品な言葉を使うのはやめてくれよ、お前の品格?も疑われるぞ」と言われてきました。
それでも、このように使いまくってますが…。旦那の周りは「嫁」という呼び方をしてますが旦那だけ「妻とか家内」とよんでます。周りと一緒になりたくない下品?と言います。意地なのか古い考えなのか分かりませんが、今の時代、旦那・嫁 呼ばれは普通だと思います。
夫婦であっても、言葉に対するイメージや感じ方は異なります。
上記の方の場合、妻は特に気にしていないものの、夫側は「旦那」という呼び方に違和感を抱いているようです。
同じように「『旦那』という言葉は下品に聞こえる」という声もありました。
上下関係を意味する言葉は使わない
「主人」や「旦那」など、上下関係を意味合いに含む言葉に違和感を覚える人もいます。
『主人』というのは夫婦間に上下関係がある印象。周りには『主人』という人が多いがそのたびに小さな違和感を覚える。
ひと昔前までは一般的だった言葉でも、時代の流れとともに不自然になってくることも。
上記の方以外でも
という意見もありました。
違和感を覚えるのは、女性だけではなく男性も同じようです。
とはいえ、代わりとなる適切な表現がなく、渋々使っている人も多く見られました。
新婚で『主人』は恥ずかしい
特に新婚の場合は、呼び方に悩む人も少なくありません。
新婚なんですが、人に話すとき、今まで「彼氏」と呼んでいたのに急に「旦那」と言うことに違和感を感じます。
結婚前から、人が急に旦那と呼び出すことになんとなく不快?でした。私の同僚に上司と話すときも「旦那さん」と言う人がいます。そんな恥はかきたくないので上司には「主人」と言いたいところなのですが、なかなか言いづらくて…
そもそも「旦那」と言う呼び方、品がなく感じるのは私だけでしょうか?
「彼氏」から「夫」になると、誰しも呼び方に戸惑うものです。
同じように「旦那」という言葉に違和感を覚える人も多くいました。
ただし、公式な場では少し恥ずかしくても「夫」を使うようにしましょう。
まとめ
『夫』『主人』『旦那』は、それぞれの言葉によって由来が異なります。
- 夫:日本語
- 主人:中国語
- 旦那:サンスクリット語
それぞれの違いを知って、正しく使い分けができるようになりましょう。
- オフィシャルな場:夫
- 目上の人と話す場合:主人
- 親しい友人と話す場合:旦那
- 補足:その他の呼び方
日本語には同じ意味でも、いろいろな言葉があり、使い分けが難しいですよね。
現代では「夫」の呼び方にも、少しずつ変化が生じています。
時代の流れに沿って、適切な表現ができるようになりたいものです。
「旦那」の言葉の意味は下記の記事でも、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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