「『旦那』の類語は夫なの?」
「『旦那』の類語の正しい使い分けは?」
「『旦那』の類語や言い換え表現が知りたい!」
上記のような悩みを抱えていませんか?
日本語には配偶者を指す言葉が「旦那」以外にも多くあります。
そのためシーンごとの適切な使い方に迷ってしまうこともあるでしょう。
当記事では
- 旦那の類語は夫だけではない!5つの言い換え表現
- 「旦那」のもともとの意味は?
- 「旦那」の使い分け表現
上記の内容を徹底解説していきます。
「旦那」の類語や使い方にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただければ「旦那」を正しく使い分けられる、マナー美人になれるでしょう。
旦那の類語は夫だけではない!5つの言い換え表現
近年、配偶者の呼び方として一般的になった「旦那」という言葉。
しかし日本語には「旦那」以外にも、配偶者を指す言葉が数多くあります。
現代において「旦那」以外に、配偶者を指す言葉として使われる類語は主に以下の5つです。
- 夫
- 亭主
- 主人
- 内の人
- 妻帯者
「旦那」の類語の詳しい意味を具体的に解説していきます。
夫
まず最初の類語は「夫」です。
「夫」は公式な書類でも使用される言葉で、結婚している夫婦の男性を指します。
元々は「男人(をひと)」と呼ばれていましたが、次第に「ひ」が促音化して「おっと」と言われるようになりました。
「おっと」という呼び方が定着したのは、室町時代とされています。
夫と妻は対等な立場を表す言葉となっています。
のように使うのが一般的です。
亭主
「亭主」も「旦那」の類語として知られています。
「亭主」の「亭」という字は「あずまや」や「料理屋や旅館等の建物」を意味する言葉です。
読んで字のごとく、もともとは建物の主を指す言葉として使われていました。
配偶者以外にも宿屋や茶店の主として使われていましたが、現代では自分の配偶者を呼ぶ時以外には用いられません。
てい‐しゅ【亭主】 の解説
1 その家の主人。特に宿屋・茶店などのあるじ。
2 夫 (おっと) 。
3 茶の湯で、茶事を主催する人。主人。
本来は敬意を込めた呼び方ですが、だんだんとくだけた表現として定着するようになりました。
主人
次の類語は「主人」です。
「主人」は家の主を意味しており、平安時代から用いられていました。
文華秀麗集(818)上・春日対雨、探得情字〈王孝廉〉「主人開レ宴在二辺庁一、客酔如レ泥等二上京一」
「自分の仕える人」という意味があるので、夫を立てる表現とされています。
「女主人」という言葉もあるように、性別は関係ありません。
ただし上下関係を意味に含むため、近年ではあまり使用されなくなっています。
のように使用されるのが一般的です。
内の人
次に「内の人」という言葉を見ていきましょう。
最近ではあまり聞き馴染みがない言葉になってきましたが、高い年齢層の方を中心に、現代でも使われています。
「内の人」は妻が第三者に対し、自分の夫のことをいう言葉として使われてきました。
室町時代には既に「内の人」という表現が使われていたようです。
① 亭主。主人。特に、妻が第三者に対して自分の夫のことをいう語。宅。やど。うちの。うち。
※虎寛本狂言・猿座頭(室町末‐近世初)「あれはそなたの内の人か」
配偶者以外でも、家族や同じ家に住む人を指して使うこともあります。
のように使用するのが一般的です。
妻帯者
最後に「妻帯者(さいたいしゃ)」という類語を見ていきましょう。
「妻帯者」には「妻を持っている人」「結婚している男性」という意味があります。
さいたい‐しゃ【妻帯者】 の解説
妻帯している人。女房もち。
「旦那」やこれまで見てきた類語と異なるのは、自分の配偶者を指して使う言葉ではないということです。
という使い方は正しいですが
とは使いません。
のように、第三者に対して使われます。
結婚している男女の男性の方を指す言葉としては同じですが、使い方はまったく異なるので注意しましょう。
「旦那」のもともとの意味は?
「旦那」の類語について、それぞれの意味や由来をご紹介してきました。
では「旦那」自体にはどのような意味があるのでしょうか?
この項目では
- 旦那の語源
- 「配偶者」という意味だけではない
といった内容を解説していきます。
旦那の語源
まず「旦那」の語源を見ていきましょう。
「旦那」の語源は、古代インドで使われていたサンスクリット語「ダーナ」です。
正しくは「檀那」と書き、もともとは「布施」や「与えること」を意味していました。
古代インドの僧侶は、生活のすべてを修行に捧げ、厳しい生活を送っていたようです。
その僧侶に代わり、出家をしていない人々は、感謝の気持ちを込めて衣類や食べ物を分け与えていました。
「ダーナ」という言葉は、次第に中国や日本に伝わっていきます。
中国や日本では「檀那(旦那)」という漢字が当てられ「施し」だけではなく「布施をする人」を意味するようになりました。
そしてお金や施しを与えてくれる人を、一般的に「旦那」と呼ぶようになったのです。
物を売っている商売人にとっては、買い物をしてお金をくれるお客様は「旦那」になるのです。
同じように、家族の中でお金を家に持ってくる主人もまた「旦那」と呼ばれるようになりました。
「配偶者」という意味だけではない
現代において「旦那」は一般的に配偶者を指す言葉として用いられます。
しかし実は「配偶者」以外の意味もあるのです。
だんな【×檀那/旦那】
《(梵)dānaの音写》1 ほどこし。布施。転じて、布施をする人。檀越(だんおつ)。檀家。
2 商家の奉公人などが男の主人を敬っていう語。「店の大—」
3 商人が男の得意客を、また役者や芸人が自分のひいき筋を敬っていう語。また一般に、金持ちや身分のある男性を敬っていう。「—、これはよい品でございますよ」「顔見世に—衆を招く」
4 妻が夫をいう語。他家の夫をいう場合もある。「お宅の—」
5 妾(めかけ)の主人。パトロン。「—がつく」「—を取る」
上記でも分かるように「旦那」には「雇用主」を表す言葉でもあります。
また「パトロン」の意味もあるため、下品な響きと感じる人もいるようです。
「旦那」の使い分け表現
「旦那」とそれ以外の類語を正しく使い分けられていますか?
それぞれのニュアンスが少しずつ違うので、使い方に迷ってしまうことも多いでしょう。
この項目では、以下のシーン別に使い分け表現をご紹介していきます。
- ビジネスシーン:夫
- 目上の人と話す時:主人
- 友人と話す時:旦那
- 旦那の家族と話す時:名前+さん
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
ビジネスシーン:夫
まずビジネスシーンでは「夫」が使用されます。
日本の書類や公的機関などでも使われる表記です。
自分の配偶者以外には使われない表現なので、シンプルで分かりやすいとも言えるでしょう。
目上の人と話す時:主人
目上の人と話す時は「主人」が適切です。
先述したように「主人」は「一家の主」という意味が含まれています。
配偶者を立てる言葉となり「旦那」より丁寧な言い方と言えるでしょう。
特に高い年齢層の方に好まれる呼び方となっています。
友人と話す時:旦那
友人や親しい人と話す時には「旦那」が用いられるのが一般的です。
のように使われます。
しかし「旦那」にも上下関係をイメージする人もおり、使う相手には気を付けましょう。
親しい仲であれば「旦那」ではなく、下の名前で呼ぶこともできます。
また自分の配偶者を呼ぶ際には、敬称を付けないようにしましょう。
反対に相手の配偶者を指す際には「旦那様」「旦那さん」のように使うのが一般的です。
旦那の家族と話す時:名前+さん
旦那の家族と話す時には、旦那の名前に「さん」を付けて呼ぶようにしましょう。
「旦那」「夫」「主人」のような呼び方は、あまり好まれないので注意が必要です。
旦那に敬意を込めるという意味で、必ず「さん」を付けてください。
普段は呼び捨てで呼び合っていても、家族の前では避けた方がいいでしょう。
まとめ
現代において「旦那」以外に、配偶者を指す言葉として使われる類語は主に以下の5つがあります。
- 夫
- 亭主
- 主人
- 内の人
- 妻帯者
使うシーンに応じて「旦那」と類語を使い分けましょう。
- ビジネスシーン:夫
- 目上の人と話す時:主人
- 友人と話す時:旦那
- 旦那の家族と話す時:名前+さん
結婚すると、さまざまな場面で配偶者を紹介するようになります。
その都度、呼び方を使い分けるのは大変ですよね。
話す印象も良くなりますので、ぜひ「旦那」と類語の使い分けをマスターしてくださいね。
第三者の配偶者を指す時の呼び方については、下記の記事でもご紹介しています。
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