「離婚したいけど、できない」と考える人は少なくありません。
離婚は相手の同意が必要なため、自分の意志だけでは達成できないケースが多くあります。
諦めかけている場合でもポイントをおさえて準備すれば、離婚して穏やかな人生を送ることができるでしょう。
この記事では、離婚したいけどできない人が実践すべきポイントをご紹介します。
離婚したいけどできない代表的な理由と対処法とは?
離婚したいけどできない理由は人によってさまざまで、諦めて離婚を思いとどまる人も珍しくありません。
このパートでは、離婚したいけどできない理由の中でも、代表的な例と対処法をご紹介します。
経済的に困窮する
相手と別れて経済的に困窮することをおそれ、離婚できないというケースです。
相手と別れたあとの生活のギャップを最小限にする手立てとしては、国や行政支援の活用が挙げられます。
子どもがいる場合に積極的に利用したい制度が、国の児童扶養手当です。
子どもが二人以上の場合は加算があるほか支給額には親の所得も関係するので、実際の手当額はお住まいの市区町村の児童扶養手当担当課に確認しましょう。
子どもがかわいそう
子どもがいる家庭では、子どもがかわいそうで離婚を踏みとどまるケースは少なくありません。
離婚による子どもへの影響の1つとして、親に捨てられたと感じ精神的に不安になることが挙げられます。
離婚の原因にもよりますが、子どもの混乱を最小限にとどめるために別れる理由を簡潔に説明してあげましょう。
離婚直後は子どもが情緒不安定になるかもしれませんが、成長過程で少しずつ親の事情を受け入れられるケースもあります。
世間体が悪い
近所や職場の世間体が気になり、別れられないというケースです。離婚がばれないように、苗字を変えない人も少なくありません。
離婚成立日から3ヶ月以内に本籍地または住所地の市区町村役所に届出を提出すれば、苗字を変えずに生活ができますよ。
メリットとデメリットを理解し、十分に検討してください。
相手が離婚に同意してくれない
自分は離婚したくても相手が同意してくれず、離婚できないというケースです。
当事者間の話し合いが難しい場合、まずは調停を行い調停委員や弁護士などの第三者を交えた協議を行うことが一般的です。
調停には書類の準備や費用を要するので、あらかじめ準備が必要となります。
自分が有責配偶者である
有責配偶者とは、DVや不倫など離婚の原因をつくった当事者のことです。
原因をつくった当事者が離婚を求めることは身勝手であるとの解釈から、裁判で認められにくいとされています。
しかし、中には自分が有責配偶者でも相手と10年以上別居したことが有利に働き、離婚が認められた判例もあります。
ケースバイケースですが、計画的に準備を進めて実現を目指す価値はあるといえるでしょう。
財産分与の条件に同意できない
財産分与の内容に同意できず、離婚を踏みとどまるケースがあります。
財産分与は財産分与をするものの選定や分与の割合など、話し合う事項の多さが特徴です。
夫婦だけの話し合いが難しい場合、調停委員や弁護士の第三者を入れて法的な観点から検討しましょう。
協議しても話がまとまらなければ、裁判で争う必要があります。
自分の力だけでは離婚できない場合は第三者の力を借りる
離婚したくても、相手が話し合いに応じてくれなければ協議を進めることはできません。
自分の力だけでは離婚できない場合、第三者に力を貸してもらうという手があります。
例えば、自分の親や義理の親に相談して解決の糸口が見つかる可能性もあるでしょう。
親に頼ることができない場合、次に検討するのは民間の離婚相談窓口です。
離婚の相談窓口としては弁護士に相談するのが一般的ですが、弁護士費用の支払いが心配な人には法テラスの利用も視野に入れましょう。
法テラスは国によって設立された機関で、全国各地で無料相談を受けることができます。
法テラスでは条件を満たすと弁護士費用を立て替えてくれるため、今すぐ使えるお金がない人でも安心して利用できますよ。
建て替え費用は、原則3年以内に利用者が分割で法テラスへ返還します。
以下のような希望がある人には、法テラスでの相談がおすすめです。
- 相手が納得できる条件を提案したい
- 有責配偶者でも離婚条件に当てはまるか調べたい
- 納得できるような財産分与の内容を提案したい
経験豊富な専門家の力を借りて、お金の心配をすることなく双方が納得できる離婚を目指しましょう。
離婚するための具体的な流れとは?
離婚するためには、一般的には夫婦の話し合いから始めます。
状況によって離婚の難易度は異なりますが、一番の目的は相手の同意を得ることです。
意見交換できる状況をつくり、自分たちに合う進め方で実現に近づきましょう。
ここでは、離婚するための具体的な流れをご紹介します。
まずは夫婦で話し合う
離婚するための第一段階として、まずは夫婦での話し合いが必要です。
話し合いによって相手の同意を得られれば離婚できますが、相手がDV加害者である等話し合いが難しいケースもあります。
自分たちだけで話し合いができない場合は、無理をせずに専門の第三者を入れて協議を進めてくださいね。
離婚調停をする
離婚調停とは、夫婦の間に調停委員や弁護士が入り話し合いを進める方法です。
離婚の同意のほかにも、親権や財産分与、慰謝料などの協議もできます。
裁判所への申し立てや数々の書類が必要なため、忙しい人は弁護士に依頼すると労力を最小限に省くことができますよ。
調停には申し立て手数料がかかるほか、弁護士を立てるなら約70〜100万の費用がかかることを念頭に置きましょう。
離婚裁判をする
離婚裁判は調停で同意が得られない場合に、夫婦のどちらかが訴訟を起こすことで始まります。
離婚裁判には調停と同様に書類や訴訟費用を求められる上、法律に基づいての主張が必要です。
弁護士とともに綿密な計画を立てて、裁判に挑むことが得策でしょう。
離婚協議書は必要?
離婚協議書は、離婚後のトラブルを防ぐために作成が必要です。
離婚協議書とは、話し合いの際に取り決めた条件を書面化したもので、解釈違いが生じた際の証明に役立ちます。
離婚届を提出する前に作成する
離婚協議書を作成するタイミングに決まりはありませんが、離婚届を提出する前に作成するほうがよいでしょう。
離婚届を提出してからの作成は、相手と音信不通になった場合に対応に困るというデメリットがあります。
話し合いの時点で約束事をメモし、離婚届を提出する前に作成しましょう。
離婚協議書の作成方法
離婚協議書には特に決まった形式はなく、自分たちの条件に合った内容を記載します。
一般的に離婚協議書に記載すべき内容は、以下のようなものです。
- 財産分与
- 年金分割
- 慰謝料
- 養育費
- 親権
- 面会
- 公正証書を作成することへの同意
- 同じ内容の書面を作成し、双方が1通ずつ保管すること
自分たちで離婚協議書を作ることもできますが、法律の知識がなく不利な内容で合意してしまうケースも少なくありません。
離婚協議書を作成する際は、一度弁護士などの専門家に相談することがおすすめです。
公正証書にすると強制力を持たせられる
条件を相手が守らなかった場合、離婚協議書があれば話し合いや調停、裁判で解決を目指すことができます。
しかし、裁判には時間とお金を要することから諦める人も少なくありません。
離婚協議書を作る際に強制執行認諾文言つきの公正証書として作成すると、条件に強制力を持たせることができます。
特にお金についての約束を守らなかった場合は、相手の財産を差し押さえて条件を強制執行することが可能ですよ。
離婚協議書を公正証書にする場合、金額や期限などの内容があいまいだったり記載漏れがあったりするといざというときに効力を発揮しません。
公正証書にする場合でも、一度専門家に目を通してもらうほうが正確で安心です。
離婚前にしておくべき準備とは?
離婚前にしておくべき準備として、今後の生活環境が変わることへの備えが必要です。
離婚後の生活は、よくも悪くも今までと変わる点が多くあります。
思ったよりも離婚後の生活に慣れるまでに時間がかかるかもしれないので、余裕のある計画を立てましょう。
ここでは、離婚前にしておくべき準備をご紹介します。
経済面の計画を立てる
離婚で世帯収入が減る場合、生活のためのお金を定期的に確保する必要があります。
実家などの援助者がいる場合でも万が一のことも考え、基本的には自分で生計を立てる準備をしておきましょう。
今すぐの就職が難しい場合、働くまでにスキルアップをしておくことがおすすめです。
医療系の国家資格やデジタル分野の民間資格から選ぶことができ、取得後に自分で生計を立てやすくなりますよ。
心の準備をする
離婚は時間と労力を費やすため、想像よりメンタルに負担がかかるといわれています。
別れたあとの生活にもすぐに慣れるとは限らないので、離婚には心の準備が必要です。
多くの人にとって離婚の一番の目的は、今よりも穏やかな人生を手にすることではないでしょうか。
これからの長い人生に希望を持つために、さまざまなことに立ち向かう大きな覚悟を決めましょう。
やりきる覚悟を決めても、あまりの大変さから諦めたくなるときが来るかもしれません。
そのときのために、日頃から信頼できる家族や友人と連絡を取り合うようにしてください。
周囲に頼れる人がいる安心感は、精神的な負担を和らげてくれるものです。
離婚の切り出し方はどうする?
離婚したいけどできない状況の切り出し方として、まずは別居から提案することを視野に入れましょう。
離婚という言葉を使わずに、冷静になるための時間がほしい旨を伝えることがポイントです。
相手が離婚という言葉を聞き、拒否的になることを最小限に防ぐ効果があります。
相手と一対一で話すことなく、弁護士を通して別居のタイミングを戦略的に検討できるケースもありますよ。
離婚についての相談先を紹介!
離婚について困ったときは、弁護士に相談して解決を目指すのが得策です。
悩んでいる事柄に対して法的な裏づけに基づき対処するので、安心して任せることができます。
初めての場合、無料相談に行き法律事務所の雰囲気を体験するのもよさそうです。
ここでは、離婚相談の実績がある相談先をご紹介します。
離婚弁護士ナビ
離婚弁護士ナビは、全国の離婚問題への対応が得意な弁護士を検索できるサイトです。
サイト内では絞り込み検索が可能で、さまざまな条件から経験豊富な弁護士を探すことができます。
土日祝にも対応できる弁護士やオンライン面談を導入している事務所などもあるので、自身の希望に合わせて選定しましょう。
アディーレ法律事務所
アディーレ法律事務所は、国内で最多のオフィス数を構える法律事務所です。
浮気や不倫の慰謝料問題は、実績のある弁護士が無料で何度でも相談に乗ってくれる点も魅力の1つといえます。
離婚問題自体の解決ができなかった場合、基本費用や報酬金などの返金を受けられるサポートもあるため安心して任せられそうです。
丸の内ソレイユ法律事務所
丸の内ソレイユ法律事務所は、東京駅徒歩4分の立地にオフィスを構える女性のための法律事務所です。
相談者の気持ちに寄り添うカウンセリング型の法律相談を行っており、心の満足度にも注力しています。
女性限定の無料相談も実施しているので、離婚を進めるにあたってこれからすべきことが明確にわかりそうですね。
準備万端な状態で離婚を目指そう
離婚のためには、一連の流れを理解するほかに起こりうるリスクへの備えも必要です。
離婚には体力と精神力が要りますが、覚悟を決めて達成すれば今よりも穏やかな人生が待っています。
一人で解決できないことは、専門家を頼りながら進めていくと労力を最小限にとどめられますよ。
必要な知識を揃えて、準備万端な状態で離婚成立を目指しましょう。
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