「旦那のピロリ菌は家族にうつる?」
「ピロリ菌とは一体なに?」
「ピロリ菌に感染したらどうすればいいの?」
上記のような悩みを抱えていませんか?
旦那がピロリ菌に感染していることがわかったら、これからどうなってしまうんだろう!って不安になりますよね。
この記事では
- 旦那のピロリ菌は家族にうつる?
- ピロリ菌とは?
- ピロリ菌に感染したらどうすればいいの?
- ピロリ菌は胃がんの最大原因となりうる?
上記の項目について詳しく解説していきます。
正しい知識を身につければ、慌てる必要はありませんので、最後までご覧ください。
旦那のピロリ菌は家族にうつる?
もしも、旦那がピロリ菌に感染してしまったら家族に感染するか気になりますよね。
- ピロリ菌はキスでうつる?
- 乳幼児期の経口感染に注意
家族としては、絶対に感染してしまわないようにしたいですよね。
どうすればいいのかを上記の項目ごとに解説していきます。
ピロリ菌はキスでうつる?
ピロリ菌がどんな感染経路で感染するのかの詳細は明らかになっていませんが、口からピロリ菌が入れば感染することは間違いないようです。
ということは、生水を飲んだり、キスをしたときにピロリ菌がうつるのでしょうか。
安心してください。
また、成人してからの日常生活では、キスなども含め夫婦間(旦那から自分へなど)でピロリ菌がうつることは、まずないと考えられているのです。
乳幼児期の経口感染に注意
ピロリ菌は、ほとんどが人が子供(幼児)のときに感染すると言われています。
それは幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいからと考えられているからです。
特にピロリ菌に感染している大人から子供(乳幼児)への食べ物の口移しによって、ピロリ菌がうつる可能性があるので要注意です。
ピロリ菌とは?
では、そもそもピロリ菌とはどういったものなのでしょうか。
- ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく細菌
- 感染経路は水や食べ物と一緒の摂取が大半
- 感染者でも自覚症状がない
ピロリ菌を知ることから始めましょう。
まずはピロリ菌ってどんなものなのか、詳しく解説していきます。
ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく細菌
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ、Helicobacter pylori)は4マイクロメートルと小さいバクテリアです。
- 大きさ0.5 × 2.5~4.0ミクロン(μm)
- 一方端にある鞭毛を素早く回すことで胃粘膜表面を自在に動く
- 酸素濃度が低い環境で育つ
胃の中は胃酸で満たされています。
胃酸は金属も溶かすほどの強酸性であるため、ふつうの細菌は胃酸のため胃の中では生きられません。
ピロリ菌は自身の出すウレアーゼで周囲の胃酸を中和して安全地帯を作るため生きていくことができるのです。
胃の中は強い酸性のため、通常の菌は生息できません。
このアンモニア(アルカリ性)で酸性を弱め、菌体自身を守っているのです。
日本でのピロリ菌の感染者数はおよそ6,000万人にものぼるのです。
10~20代では10%前後と感染率は低いものの、50代以上の人では40%程度、さらに60歳以上では60%程度※と一気に跳ね上がる割合で感染していることがわかっています。
感染経路は水や食べ物と一緒の摂取が大半
感染経路は現在も明らかになってはいませんが、衛生環境が整備されていない時代や地域などの経口感染によると考えられています。
そして、感染するのは主に5~6歳以下の幼児です。
免疫力の低い幼児期に、生水(おもに井戸水)や食べ物と一緒に摂取してしまうことが大半だといえます。
感染者でも自覚症状がない
ピロリ菌が胃に常在していたとしても、常に症状があらわれる訳ではありません。
何らかの病気を発症するのは感染者の約3割程度です。
人間ドックなどの検査で判明することが多いといわれています。
ピロリ菌に感染したらどうすればいいの?
もし感染していたことが発覚したら、すぐに治療が必要になります。
消化器外科、胃腸科内科など消化器を専門にしている病院へ受診しましょう。
- 除菌治療:一次除菌
- 除菌治療:二次除菌
- 定期健診で経過を見る
どのような治療を行うのか、上記の項目について詳しく解説していきます。
除菌治療:一次除菌
ピロリ菌を除菌する場合、内服薬を服用して治療を行います。
ピロリ菌には専用の薬しかありません。
- 胃酸の分泌を抑える薬
- 抗生剤薬
一日2回、7日間連続で飲み切ります。
薬にもメーカーごと様々です。
(例)ラベキュアパック400の場合
ラベプラゾール10mg
アモキシシリン750mg
クラリスロマイシン200mg
上記のシート剤を一日2回、7日間連続で飲み切ります。
ということがないように、必ず飲み切ってください。
お薬を7日間飲み終えてから、4週間後に除菌できたかどうかの1回目の検査をします。
除菌治療:二次除菌
上記の1回目の検査で除菌ができなかった場合、飲んでいたお薬の2種類の抗菌剤のうち、1種類だけを別の抗菌剤に変えて除菌を行う方法です。
(例)ラベファインパックの場合
ラベプラゾール10mg
アモキシシリン750mg
メトロニダゾール250mg→前回はクラリスロマイシン200mg
一次除菌と同様に一日2回、7日間連続で飲み切ってください。
しっかり服用したとしても、中には2回目でも除菌できなかったという場合もあります。
1回の除菌での除菌率は平均85%と言われています。2回の除菌だともっと成功率が上がりますが、100%は除菌できません。
その場合は三次除菌…と言いたいですが、保険が適用になるのは二次除菌までになります。
定期健診で経過を見る
二次除菌がうまくいかなかった場合、ほとんどの場合は経過観察をしていきます。
なぜなら三次除菌は自費診療になってしまうからです。
それでも除菌を希望される場合は、専門のクリニックにご相談ください。
ほとんどの方はピロリ菌に感染していることを承知の上で、胃カメラなどの検査を行い、経過観察をしていく方法が多いでしょう。
症状に変化が現れた場合は、速やかに治療に専念するべきです。
ピロリ菌は胃がんの最大原因となりうる?
ピロリ菌は胃がんの最大原因となりうるのでしょうか?
胃がんになってしまうのかしっかり理解しておきましょう。
- 胃がんを引き起こすピロリ菌の脅威
- ピロリ菌感染有無による胃がん発症率の違い
- 除菌で胃がんリスクは軽減できる
それぞれの項目を詳しく見て知識を身につけておきましょう。
胃がんを引き起こすピロリ菌の脅威
ピロリ菌が胃に常在していたとしても、何らかの疾患を発症するのは保菌者の約3割程度です。
しかし、そんなピロリ菌が招く胃粘膜での悪事に注意が向けられています。
実はピロリ菌はゆっくりと胃に炎症を起こし慢性胃炎となるのです。
感染が長い時間をかけて持続してしまうと胃全体に炎症が広がります。
この段階では自覚症状がほとんどありません。
ピロリ菌感染有無による胃がん発症率の違い
ピロリ菌を持つ全員に胃がんが発生するわけではありません。
しかし、ピロリ菌の感染者は胃がんのリスクが約5倍に高まることが分かっているのです。
いっぽう、ピロリ菌非感染者からは胃がんが1人も発症しませんでした(280人中0人)。
つまり、ピロリ菌に感染していると胃がんのリスクが高くなるのです。
除菌で胃がんリスクは軽減できる
ピロリ菌に感染していることが分かった場合は、除菌することが推奨されています。
調査の結果、慢性胃炎の対象者に除菌治療をすると、萎縮が進行しないことが明らかになっているのです。
また、除菌することで胃がんの発生率を1/3に抑制できたこともわかりました。
つまり、ピロリ菌の除菌は胃がんリスク軽減に効果があるといっても過言ではないでしょう。
除菌方法には、先ほど提示したとおり胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を用いる除菌療法があります。
この方法の除菌率は約80%~90%といわれています。
まとめ
旦那のピロリ菌は家族にうつるかどうかについては以下の通りです。
- ピロリ菌はキスでうつる?
- 乳幼児期の経口感染に注意
ではピロリ菌に感染したらどうしたらよいのでしょうか?
- 除菌治療:一次除菌
- 除菌治療:二次除菌
- 定期健診で経過を見る
私たちにできることは、毎年の定期検診はもちろん、日々の生活で胃の不調サインに気づくことが大切です。
検査でピロリ菌がいると判明したなら、忙しいからと言わずに受診を行い、早期に対処できるよう努めましょう。
旦那がピロリ菌に感染した場合の対処法に関する記事もあるのでぜひ参考にしてみてください。
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