「『夫』の漢字の成り立ちは?」
「『夫』という漢字の部首は何?」
「『夫』の漢字の意味は?」
とお考えではありませんか?
書類に書く機会も多く、普段から当たり前のように使っている「夫」という漢字。
しかし、部首や意味など、詳しいことまで知らないという方は少なくありません。
当記事では
- 『夫』の漢字の成り立ち
- 『夫』の部首は大!
- 『夫』の漢字の意味
といった内容を徹底解説していきます。
「夫」という漢字に疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただければ、今さら聞けない「夫」の漢字の疑問について、きっと答えが見つかるはずです。
『夫』の漢字の成り立ち
「夫」の漢字は、どのようにしてできたのでしょうか?
「夫」の漢字の成り立ちについて、詳しく解説していきます。
- 漢字は象形文字もしくは指事文字
- 『をひと』の変化形
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
漢字は象形文字もしくは指事文字
「夫」という漢字は「象形文字」と「指事文字」という二つの説があります。
象形文字とは、物の形をかたどって文字を作る方法です。
一方、指事文字は記号や印によってある事象を表した文字。
「成人した男」を「大」の文字で表し、その上に成人の印である冠を意味する横棒が追加されています。
「一」はそのヘアピンを表していると言われています。
その男性の状態を漢字で表したのが「夫」。
そう考えると象形文字とするのが妥当でしょう。
しかし「一」の横棒を線と見て、指事文字とする説もあります。
どちらにしても「成人の男子」を漢字で表していることが分かります。
『をひと』の変化形
「夫」は「をひと」という日本語が由来です。
平安時代に書かれた「令集解」には既に「夫」という言葉が登場しています。
「夫、俗に呼比止(をひと)と云ふ」
「夫」という漢字は使われていましたが、読み方は「おっと」ではなく「をひと」だったようです。
室町時代以降は「夫」=「おっと」が普及していたようです。
室町時代以前は「をひと」だけでなく「をうと」という読み方もされていました。
『夫』の部首は大!
漢字には必ず「部首」があります。
部首とは、漢字を構成する要素の中で、共通する一部分が集められたグループのことです。漢字には必ず一つの部首があり、漢字を分類・索引する際などに用いられます。
漢字の字体は左右や上下などで分解して、その部分から分類することが出来ます。多くの漢字は位置によって「偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)、脚(あし)、構(かまえ)、垂(たれ)、繞(にょう)」の七種に分けられます。
部首があることで、漢字の分類や検索が可能になるのです。
先述したように「大」は両手両足を広げた人の象形文字です。
大きく立った姿を表していることから「おおきい」を意味するようになりました。
『夫』の漢字の意味
次に「夫」の漢字の意味を見ていきましょう。
一般的に夫婦の男性側を指す「夫」ですが、意外にもそれ以外の意味も含まれています。
意味
①おとこ。一人前の男。「夫子」「丈夫」 ②おっと。「夫婦」「夫妻」 [対]妻・①②婦 ③労働にたずさわる人。「夫役」「農夫」 ④それ。かれ。かな。発語・指示・句末などの助字。
「農夫」などに使われる場合は、結婚しているかどうかは関係ありません。
「労働にたずさわる人」という意味で「夫」が用いられます。
また「昭夫」「哲夫」など、男の子の名前の止め字としても使われる「夫」。
『夫』の画数や読み方
「夫」の画数や読み方を見ていきましょう。
見て分かるように「夫」の画数は4画。
書き順としては上から横棒を二本引き、左から縦の線を書きます。
「夫」は小学4年生で習う漢字です。
読み方は下記の通り。
名前で「夫」を使う場合は「お」と読むのが一般的です。
しかし「あき」「すけ」「ぶ」「ゆう」「よし」などと読むこともあります。
『夫』の対義語は妻!
「夫」の対義語は「妻」です。
どちらの言葉も公式な書類などでも使われる言葉になっています。
「夫」と「妻」はお互いに対等な立場を表す言葉です。
男女平等が推奨される現代社会では、配偶者を指す最も適切な言葉といえるでしょう。
しかし「夫」という言葉は自分の配偶者にしか使えません。
『夫』と同じ意味の言葉
日本語には、同じ意味でも違う言葉が存在することも。
「配偶者」を意味する「夫」にも、同じような意味の単語がいくつかあります。
「夫」の主な同意語は下記の通りです。
- 旦那
- 主人
- 亭主
それぞれの言葉の由来や使い方について、詳しく解説していきます。
旦那
まずは「旦那」という言葉から見ていきましょう。
「旦那」の語源は、古代インドにまで遡ります。
古代インドで使われていたサンスクリット語の「ダーナ」という言葉が由来です。
「ダーナ」は「施し」や「布施」を意味する言葉として使われていました。
仏教語である「ダーナ」という言葉。
生活のすべてを修行に捧げるお坊さんへの「施し」や「布施」を意味していました。
古代インドから日本や中国に伝わるにつれ「施す人」や「与える人」を指すように。
そこから外で働き、お金を持って帰ってくれる夫を「旦那」と呼ぶようになったのです。
「旦那」は第三者の配偶者にも使える呼び方。
しかし「旦那」はカジュアルなシーンで使う言葉です。
公式な場や目上の人との会話では用いないようにしましょう。
ママ友や仲の良い友人との会話で使うには問題ありません。
などといった使い方をします。
「旦那」の対義語は「奥さん」や「奥様」になるでしょう。
妻側にだけ「さん」や「様」が付いていますが「旦那」という言葉自体はもともと夫を敬った呼び方だからです。
「旦那」の使い方や意味については、下記の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
主人
「主人」は中国から日本に伝わった言葉です。
中国では「主」を意味する言葉として「主人」が使われていました。
主人
ピンインzhǔ・rén名詞
1(客に対し)主人.↔客人.2(財産・権力の)所有者,持ち主,主人公.
3((清末から中華人民共和国成立以前のいわゆる旧社会の言葉)) (使用人に対し)主人,雇い主.
中国から日本に伝わり、日本では「家の主」である夫を「主人」と呼ぶようになったのです。
「主人」は目上の人と話す時に、主に用いられます。
夫を立てる表現なので、相手に丁寧な印象を与えることができるでしょう。
「ご主人」「ご主人様」などの敬語を付けると、第三者の配偶者を指すこともできます。
相手を選んで使うようにしましょう。
年配の人には、耳馴染みのある言葉なので、使われることも多いようです。
などといった使い方をします。
「夫」を意味する「主人」の対義語は「主婦」が妥当でしょう。
亭主
「亭主」という言葉も「夫」と同じ意味で使われます。
「亭主」は「旦那」よりも丁寧ですが「主人」よりもくだけた印象を与える言葉です。
もともと「亭」は屋敷や東屋を指しています。
つまり「家の主」という意味で用いられていました。
てい‐しゅ【亭主】 の解説
1 その家の主人。特に宿屋・茶店などのあるじ。2 夫 (おっと) 。
3 茶の湯で、茶事を主催する人。主人。
「夫」だけでなく、今でも「宿屋の主」などの意味で使われることもあります。
最近では「亭主」はあまり聞かれない言葉となってきました。
しかし現代でも使える言葉ですので、覚えておくといいでしょう。
などあまり良くない意味を含む時にもよく使われる言葉です。
「ご亭主」と「ご」を付けると、相手や第三者の配偶者にも使えます。
ちなみに「亭主」の対義語は「女房」です。
こちらもあまり聞かれなくなった言葉ですが、年配の方の中にはまだ使う人もいるので覚えておきましょう。
まとめ
「夫」の漢字の成り立ちについて、下記の項目で解説しました。
- 漢字は象形文字もしくは指事文字
- 『をひと』の変化形
「夫」の部首は「大」です。
一般的には配偶者の男性側を表す「夫」ですが、労働にたずさわる人など、それ以外の意味も含まれていました。
「夫」は公式な場でも使える言葉です。
それぞれの言葉については、下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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