離婚したいと思ったとき、弁護士に相談することを考える人も少なくありません。
でも
「弁護士って高いんじゃないの」
「いくらくらいかかるものか知っておきたい」
「離婚したいと思っても何をしたらいいのかわからない」
とお考えではありませんか?
弁護士は高額というイメージをしやすいですが、内容や状況によって変わってくるものなのでしっかり理解しておくと安心して依頼できます。
今回の記事では
- 弁護士費用がどのくらいかかるのか
- 依頼するときに注意すること
- 弁護士費用を安くするポイント
- 弁護士に頼んだ方が良い場合
について解説していきます。
この記事を読めば弁護士費用についての悩みや疑問が解消されるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
離婚したいときの弁護士費用は主にこの4つ
弁護士費用の相場を知る前に弁護士費用の内容について理解しておくと安心です。
ここでは弁護士に依頼した際にかかる下記費用について紹介していきます。
- 相談料
- 着手金
- 成功報酬
- 日当・実費
相談料
弁護士に法律について相談するときに発生する料金です。
一般的には30分~1時間あたり5000円程度に設定している事務所が多いようです。
中には1万円~数万円といったところもあり、事務所によって大きく変わってきます。
他にも相談料無料であったり、借金の相談は無料のところなど事務所によって様々です。
着手金
弁護士に依頼した段階で発生する料金です。
一般的に離婚することのみを目標にしたときの場合の料金は10万円~30万円程度です。
他にも財産分与や慰謝料など、金銭的な請求をした場合は目標とする金額の3~8%程度が請求され、合算した金額を支払うことになります。
成功報酬
弁護士が依頼した問題を解決したときに発生する料金で報酬金と呼ばれることもあります。
一般的に離婚することのみを目標とした場合20万円~30万円程です。
他にも財産分与や慰謝料について依頼した場合は獲得した金額の5~15%程を支払う必要があります。
日当・実費
日当とは、弁護士が事務所を離れて業務を行うときに発生する料金です。
1日あたり2万円~10万円程で数時間からという単位で料金設定をしている事務所もあります。
実費とは弁護士が案件に関わっているときに発生した諸経費のことで交通費や宿泊費、郵便物の輸送料などが含まれます。
離婚したいときの弁護士費用の相場
離婚は下記いずれかの方法で行われます。
- 離婚協議
- 離婚調停
- 離婚裁判
離婚弁護士ナビによるとそれぞれの状況の場合の弁護士費用は以下の通りです。
協議離婚時の弁護士費用の相場
協議離婚時の弁護士費用の相場は30万円~60万円。
相談料+着手金+成功報酬(離婚が成立した場合)
成功報酬では内容によって費用が変わってきます。
- 慰謝料請求(獲得金額の10%~20%)
- 財産分与(獲得金額の10%~20%)
- 養育費の獲得(1年分の養育費の10%前後)
協議離婚は夫婦が話し合って離婚を決める方法で、基本的には弁護士に依頼する必要はないでしょう。
しかし、代理人として交渉を依頼することもできます。
話すことが心配であったり交渉内容が不安なときは相談すると安心です。
調停離婚時の弁護士費用の相場
調停離婚時の弁護士費用の相場は40万~70万円。
相談料+着手金+成功報酬(離婚が成立した場合)+実費
着手金、成功報酬ともに20万~30万に加え相談料や実費がかかります。
離婚のみが争点となっている場合となるので他にも依頼することがある場合はさらに高額になるでしょう。
裁判離婚時の弁護士費用の相場
裁判離婚時の弁護士費用の相場は70万~110万円。
着手金+成功報酬+日当・実費
着手金については、調停離婚をお願いした弁護士に再度頼む場合は無料にしてもらえる場合もありますが基本的には10万円程度です。
別の弁護士にお願いする場合は20~30万程度かかってきます。
離婚したいときに請求できるお金や権利と弁護士費用
離婚したいとなったときにお金をどうやって分けたり、どんな権利があるのか知らない方も多いですよね。
ここでは離婚したいときに請求できるお金や権利と弁護士費用について紹介していきます。
- 財産分与
- 慰謝料
- 親権
- 面会交流の獲得または阻止
- 年金分割の獲得または阻止
知っておくことで安心して任せられるようにしておきたいですね。
請求できるお金
金銭面については、今後の暮らしにも関わってくるためとても大きな問題となります。
請求できる主なお金については以下の2つが挙げられます。
- 財産分与
- 慰謝料
損をしたり、後悔することのないようあらかじめしっかりと準備しておきましょう。
財産分与
財産分与とは結婚している期間にできた夫婦の財産を分け合うことです。
財産分与の比率は法律では決まっていないため、自分たちで話し合って決めていく必要があります。
財産分与の対象は下記の通りです。
- 保有している現金
- 預金
- 株券
- 土地・建物(婚姻期間中に購入したもの)
- 自動車
反対に財産分与の対象とならないものは、下記の通りです。
- 結婚前に貯めていた現預金
- 結婚前にすでに持っていたもの
- 結婚後に相続・贈与された財産
基本的には1/2ずつ分け与えることが一般的とされています。
財産分与には離婚が決まってから2年以内に請求しなければ無効となってしまう期限もあるので注意しましょう。
財産分与にかかる弁護士費用は獲得金額の10%~20%(成功報酬)が相場となります。
慰謝料
慰謝料とは離婚の原因を作った方が、配偶者に精神的苦痛を与えたとして支払うお金のことです。
離婚時に慰謝料が発生する例で多く挙げられるのが不貞行為、暴力となります。
離婚時の慰謝料はその苦痛に対して支払うものなので金額を決める時に基準があるわけではありません。
慰謝料請求にかかる弁護士費用は獲得金額の10%~20%(成功報酬)が相場となります。
請求できる権利
未成年の子どもがいる場合や老後の生活のことを考えたときに重要になってくるのが権利です。
今後の生活も変わってくるので一度冷静になり見通しを立てて考えたいですね。
主に請求できる権利については以下の3つです。
- 親権
- 面会交流の獲得または阻止
- 年金分割の獲得または減額
それぞれ詳しく解説していきます。
親権
親権とは未成年の子どもの世話をしたり、財産を管理したりする権利のことです。
親権を決めるときは子どものしあわせ(利益)を最も優先して考え、判断していきます。
親権を獲得するための弁護士費用の相場は10万円~20万円です。
面会交流の獲得または阻止
面会交流とは離婚の際、親権を持たない側が子どもと会うなどの交流をすることです。
これは親権を持つ側、持たない側どちらにとっても重要な事項となってきます。
面会交流の獲得または阻止にかかる弁護士費用の相場は10万円~30万円です。
年金分割の獲得または減額
年金分割とは結婚している間に支払った厚生年金または共済年金は夫婦で収めたものとして将来の年金額を計算するということです。
婚姻期間中に妻が専業主婦になった場合、年金を収めている期間が短くなり将来年金をもらうときに額が少なくなってしまうということになります。
その不平等さを解消するために年金分割の制度が設けられたため、平等にもらう権利があるのです。
年金分割の獲得または減額についてかかる弁護士費用の相場は10万円~20万円です。
離婚したいときの弁護士費用を安くするポイント
弁護士費用は高額であるため、少しでも安くならないかと考えますよね。
ここでは弁護士費用を安くするポイントを紹介します。
- 弁護士事務所を比較する
- 相談や着手金無料のところを探す
- 近場の事務所にする
- 法テラスの立替制度を使う
弁護士事務所を比較する
弁護士費用は事務所や弁護士によって費用が決められるよう自由化されています。
色々な事務所を回って比較・検討することで費用を抑えることができます。
相談や着手金が無料のところを探す
相談や着手金が無料という事務所を利用することでも費用を抑えることができます。
費用も大切ですが事務所や弁護士との相性も重要になってくるため、実際に足を運び事務所の雰囲気を知ったり相性も検討材料にすると良いです。
近場の事務所にする
近くの事務所を選ぶことで、実費としてかかってくる交通費や宿泊費などを抑えることができます。
移動する距離が短かったり、宿泊しなくても行き来できる場所であれば費用がかかりません。
そのためなるべく近くの事務所にすることで安くできます。
法テラスの立替制度を使う
経済的に余裕がない場合は法テラスの立替制度を利用することも検討すると良いです。
費用が用意できいない場合でも弁護士に依頼できるよう立替を行ってくれます。
弁護士費用を支払うときに注意しておくべきこと
弁護士費用は高額になることも多いため、いつ支払えばいいのか、どのように払えばいいのかしっかり確認しておくと安心です。
ここでは弁護士費用を支払い時の注意点について解説していきます。
- 料金をいつ支払うのか確認しておく
- 弁護士費用は固有財産から払うべき
料金をいつ支払うのか確認しておく
弁護士費用は基本的に下記タイミングで支払います。
- 相談が終わったら相談料
- 仕事を依頼したら着手金
- 事件が終わったら成功報酬・実費・日当
また、調停離婚から裁判離婚へ移行したとき調停と裁判を別で考えるため、調停が終わったら請求、裁判が終わったら請求と二段階に分けて請求されることもあります。
離婚の決まらないうちに弁護士費用を支払うという状況になることもあるのです。
費用の項目で追加がないかなど、疑問なことはしっかりと弁護士に確認しておくことが大切です。
弁護士費用は固有財産から払うべき
弁護士費用は原則として依頼した人の自己負担となります。
離婚を望んでいなかった場合でも調停や裁判となり、弁護士に依頼するとなったときでも自分で支払わなければいけません。
弁護士に頼むメリット・デメリット
弁護士に依頼する機会はあまりないため、弁護士に頼むかどうか悩む方も多いですよね。
ここでは弁護士に頼むメリット
- 専門的な知識があるので交渉が有利である
- 時間や手間が短縮できる
弁護士に頼むデメリット
- 弁護士費用がかかる
- 必ず交渉がうまくいく訳ではない
それぞれについて解説します。
メリット
弁護士に頼むことで調停や裁判で有利になったり、面倒な手続きや時間を短縮することができます。
ここでは弁護士に依頼すると良い点についてまとめたのでぜひ参考にしてください。
- 専門的な知識があるので交渉が有利である
- 時間や手間を短縮できる
専門的な知識があるので交渉が有利である
弁護士に依頼すると専門的な知識を根拠に交渉を進めてくれるため有利になります。
主張したい権利があっても正しい知識がないと認めてもらえません。
味方になって相談に乗ってくれる弁護士がいることで安心して問題に臨むことができます。
時間や手間が短縮できる
平日に役所や金融機関へ行き書類を用意したり、用意した書類を各機関へ提出するなど、離婚での手続きは非常に面倒です。
仕事をしていると平日に動くことがなかなか難しい場合もあります。
そういった手続きについて弁護士に依頼すると代行して行ってくれるため、時間や手間を短縮することができます。
デメリット
弁護士に依頼するときに気を付けたいのが、弁護士費用が高額であるということや依頼すれば必ず成功するというわけではないということです。
ここでは弁護士に頼むときの下記デメリットについて解説していきます。
- 弁護士費用がかかる
- 必ず交渉がうまくいく訳ではない
弁護士費用がかかる
弁護士に依頼すると費用がかかり、その金額は決して安いものではありません。
依頼する内容が増えるごとに追加費用が発生したり、予想以上に費用がかかったという場合もあります。
必ず交渉がうまくいく訳ではない
弁護士に頼んだからといって必ず自分が望んでいた通りの結果になるとは限りません。
もし望んだ結果にならなかったとしても費用はかかってくるので、離婚時に獲得できた費用から弁護士への支払いをしようと思っていてもうまくいかない場合もあります。
弁護士に依頼したほうが良い場合
弁護士費用は高額となるため、自分で離婚の手続きを行えば安く済ませられると考える方も多いですよね。
実際に協議離婚で円満解決となれば必要ないかもしれません。
しかし、離婚の問題では揉めてしまうケースも多いため弁護士に依頼する方が安心して有利に済ませられることも多いです。
ここでは弁護士に頼んだ方が良い場合について解説します。
- 財産分与などの金額が高額である
- 時間がなくて法的手続きができない
- DVがあり相手と関わりたくない
- 交渉するのが不安
財産分与などの金額が高額である
財産分与など離婚の際やりとりをする金額が高額な場合は弁護士に依頼したほうが良いです。
やりとりする金銭が高額な場合には税金がかかってくることがあったり、不動産を所有している場合にも不動産取得税がかかってきます。
時間がなくて法的手続きができない
忙しくて手続きができない場合にも弁護士に頼むと良いです。
離婚での手続きはとても面倒でやることがたくさんあります。
話し合いで離婚が決まらず調停離婚や裁判離婚へと進んだときはさらに大変で、何度も家庭裁判所へ出向かなければなかったり、手続きも複雑です。
こうした手間をかけられない場合は弁護士に頼むとスムーズに進めることができます。
DVがあり相手と関わりたくない
DVを受けていた場合では交渉の際、婚姻期間中の恐怖からうまく伝えられなかったり、言いたいことが言えないこともあります。
弁護士に依頼すれば代理として交渉の場に出席し主張をしてくれるため、不利のないよう離婚手続きを進めることができます。
交渉するのが不安
専門的な知識をもった弁護士に依頼することで有利になるよう主張してくれます。
交渉の際に何をどこまで話したらいいのか、どんな内容を伝えたらよいのかなどわからないことが多いですよね。
特に協議離婚が難しく調停離婚、裁判離婚へと進んだ場合、法律に基づいた主張を繰り返し戦っていくことになります。
専門知識がない中で交渉していくことはとても不利になるため、弁護士に依頼する方が安心です。
離婚したいときの弁護士の探し方
離婚を考えた時、弁護士の探し方には下記方法があります。
- 親族や知人の紹介
- インターネットで検索する
- 法テラスに相談する
- 近くの法律相談センターに問い合わせてみる
自分に合った方法を見つけたり、色々な方法を試してみると良いでしょう。
親族や知人の紹介
親族や知人の紹介から弁護士に依頼する方法が1番安全です。
周りに同様のトラブルで弁護士に依頼したことのある人がいれば、事前に弁護士の評判や印象を聞くことができ費用面についても知ることができます。
弁護士とトラブルになったときも親族や知人を通して言いにくいことを伝えてもらったりすることもできます。
インターネットで検索する
ネット上に取り扱っている事件や弁護士の情報を公開している弁護士事務所もあるので、参考にして探すのも良いです。
自分の空いた時間に検索して探すことができるので、時間を取って探すという手間は省けます。
法テラスに相談する
法テラスでは弁護士による相談や紹介を受けることができます。
登録している弁護士の中から紹介されるので自分で選ぶことはできませんが、一定の条件を満たせば無料で法律相談をしたり費用を立て替えてくれるというのが良い点です。
近くの法律相談センターに問い合わせてみる
近くの法律相談センターを探して問い合わせてみるのも安心といえます。
窓口へ行き紹介してもらうため時間を取って出向かなけらばならないため、仕事をしながらだと難しい場合もあるかもしれません。
まとめ
離婚したいと思ったときの弁護士費用は内容や状況によって大きく変わってきます。
今回は
- 離婚したいときの弁護士費用の内容と相場
- 弁護士に依頼するときの注意点やメリットデメリット
- 弁護士費用を安くするポイント
- 弁護士の探し方
について解説しました。
ぜひ今回の内容を参考にしてください。
また弁護士費用が払えるか不安な方が使えるサイトは下記です。
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