「俳句だと、夫でもつまって読むことがあるけど、それはどうして?」
「そもそもつまってどういう意味?」
「いつからつまは女性配偶者のことを指すようになったの?」
上記のように思ったことはありませんか。
俳句の世界だと、夫と表記されていても「つま」と読むことがあります。
このことからわかることは、大昔は男性・女性関係なく、配偶者のことを「つま」と呼称していたということです。
そうなると一体いつから「つま」=女性配偶者を指すようになったのか疑問に思うことでしょう。
そこで当記事ではなぜ俳句では夫をつまと読むのか、その語源と併せて解説していきます。
- 夫と書いてつまと読む?~俳句の世界~
- 女性の配偶者=つまの起源
- 現代の配偶者への正しい呼び方とは?
「昔は夫もつまと読んでいたのに、今は何で女性だけが妻なの?」と疑問に思った場合は、最後までご覧ください。
もし最後までご覧いただいた場合、つまの語源や配偶者をどうよんだらいいのかの疑問が解決することでしょう。
夫と書いてつまと読む?~俳句の世界~
俳句の世界では、夫と表記されていても「つま」と読むことがあります。
と疑問に思うことでしょう。
なぜ夫を「つま」と読むのか、その語源も併せて解説していきます。
- 俳句では夫もつまとよぶ
- つまの語源
- 夫の語源
それぞれについて詳しくみていきましょう。
俳句では夫もつまとよぶ
俳句の世界では夫と表記されていたとしても、「つま」と読むことがあります。
これは大昔は、男女関係なく配偶者のことを「つま」と表現していた名残です。
へえ~。
じゃあ昔の人は、だれかにパートナーのことを紹介するときは「つまです」って言っていたっていうことね。
現代では女性の配偶者=つまとして使用されていますが、大昔にはそのように区別する認識がそもそもなかったことのあらわれなのかもしれません。
つまの語源
そうなると、本来の「つま」の語源は何なのだろうと疑問に思うでしょう。
1 夫婦や恋人が、互いに相手を呼ぶ称。
「吾(あ)はもよ女(め)にしあれば汝(な)を置(き)て男(を)はなし汝を置て—はなし」〈記・上・歌謡〉
2 動物のつがいで、互いの相手。
「下辺(しもへ)にはかはづ—呼ぶ」〈万・九二〇〉
3 鹿と萩、秋風と萩など、関係の深い一組のものの一方をいう語。
「小牡鹿(さをしか)の—にすめる萩の露にも」〈源・匂宮〉
「デジタル大辞典」より引用
辞典ではこのように説明されています。
もともと「つま」には「連れ添う」という意味があり、「連れ身(つれみ)」が転じて「つま」になったと考えられているようです。(*所説あり)
ちなみに刺身に添えられている「つま」もここからきているとのこと。
今でいう「うちの連れが」って言う感じで使っていたっていうことかな。
語源からもわかる通り、「つま」には本来男女の区別はなく、そのため大昔は夫もつまと読んだのでしょう。
そしてその名残が俳句に残っているということです。
夫の語源
私たちの思う「つま」の対比語は「おっと」ですよね。
「つま」の語源が「連れ身」からきているというのであれば、その対である「おっと」の語源も気になるでしょう。
1 成人した男。「丈夫・情夫・壮夫・大夫(たいふ)・匹夫・凡夫」
2 仕事にたずさわる男。「火夫・漁夫・工夫(こうふ)・坑夫・水夫(すいふ)・農夫・牧夫」
3 男の配偶者。おっと。「夫君・夫妻/先夫・亡夫・有夫・一夫一婦」
「デジタル大辞典」より引用
辞典ではこのように説明されています。
広く成人した男性を指し、「おっと」という読み方が定着したのは室町時代のことです。
【夫と書いてつまと読む?】女性の配偶者=妻の始まりと様々な呼び方
大昔は「つま」とは配偶者全般を指し、そこに男女の区別はありませんでした。
では、いつからつま=女性の配偶者を指すようになったのか気になりますよね。
また女性の配偶者のよび方は、妻以外にも様々あり、使い分けがわからないと感じた場面もあるでしょう。
そこでつま=女性配偶者のはじまりと、妻以外の配偶者のよび方について紹介します。
- つま=女性のことを指すようになったのは明治時代から
- 様々な配偶者のよび方
それぞれについて詳しくみていきましょう。
つま=女性のことを指すようになったのは明治時代から
つまが女性の配偶者を指すようになったのは、明治時代からです。
と疑問に思うかもしれません。
正確には
のが明治時代ということです。
ここから妻=女性の配偶者を指すものとして明確に使用されるようになりました。
様々な配偶者のよび方
女性の配偶者のよび方には、妻以外にも様々なよび方があります。
という人も多いでしょう。
そこでこの項目では、女性の配偶者の様々な呼び方について紹介していきます。
- 奥さん
- 女房
- 家内
- 嫁
それぞれについて詳しくみていきましょう。
奥さん
奥さんは、「奥様」がややくだけた言い方になります。
また多くの夫が「うちの奥さんが昨日さあ、……」などと、だれかに話す際の呼称として使っていることが多いですが、これは間違いです。
その証拠に奥「さん」と丁寧な言い方をしています。
女房
女房は、元は朝廷に仕えていた女官や侍女のことを指します。
確かに昔だと、夫の身の回りの世話は妻の役目だったもんね。
そのためやや相手を下げる呼称とも言えます。
家内
家内は読んで字のごとく、家の内にいる人を指します。
また他人に自分の妻を紹介する際に、一般的には用いれる呼び名です。
明治時代になると、夫は外に出て、仕事をして家族のことを養うことが一般的になります。
それに伴い、専業主婦として家庭内や子育てを一手に引き受けたのが妻でした。
そのため妻が家にいることが当たり前になり、やがて「家内」と称するようになったようです。
嫁
「うちの嫁が……。」と他人に話す夫も多いですが、厳密に言えばそれは間違いです。
なぜなら
そのため義両親が、自身の子供の妻を「お嫁さんが……。」と使うのが正しい使い方になります。
ちなみに妻の両親が、その配偶者への呼称として使われるのが「婿」です。
また「嫁」という漢字は、「女」に「家」と書きます。
そこには
という意味合いが含まれており、現代はその呼称で呼ばれるのを嫌がる妻もいるので、注意です。
【夫と書いてつまと読む?】現代の正しい配偶者へのよびかたは?
大昔は男女関係なく、自身の配偶者のことを連れあいという意味を込めて、「つま」と読んでいたことがわかりました。
しかし現代では、男性の配偶者のことを「つま」と呼ぶことはまずありません。
と疑問に思ってしまうでしょう。
そこでこの項目では現代においての配偶者のよび方について解説していきます。
- 配偶者への正しい呼び方とは?
- 相手の嫌がる呼び方はしない
- 世の夫は配偶者を何て紹介している?
- 多種多様でOK
それぞれについて詳しくみていきましょう。
配偶者への正しい呼び方とは?
妻、家内、奥さんなど、配偶者への呼び名は様々あります。
と使い方に困ったこともあるでしょう。
ただし対外的には「妻」とよぶのが無難です。
「女房」などといった他の配偶者を類する言葉と違い、そこに優劣の意味合いは含まれていません。
また民法などに記載があるように、法律的にも女性の配偶者を指す言葉として、「妻」が使われており、対外的な場面での呼称としてふさわしいといえるでしょう。
その場合は「奥様・奥さん」と呼ぶのが正しいです。
前述した通り、「奥様・奥さん」は相手の配偶者を指します。
また「様・さん」は、相手への敬称を表しているので、相手への敬意を表すことができるのです。
相手の嫌がる呼び方はしない
基本中の基本ではりますが、相手が嫌がる呼び方はしてはいけません。
昔はへりくだった意味合いが込められたかもしれないけど、今だれもそんな意味を込めて使ってないからいいじゃん。
と思う夫もいるでしょう。
しかしどう思うかは相手次第です。
相手が不快に感じる呼び方はやめましょう。
世の夫は配偶者を何て紹介している?
実際、世の男性陣は自分の妻を紹介する際、何と呼称して紹介しているのか気になりますよね。
ファッション雑誌cancanがアンケートをとっており、それによると以下のようになりました。
「CanCan」より引用
このグラフからは、実際に夫が自身の配偶者を紹介する際に使う呼称として、一番多いのが「嫁」だということがわかります。
それに対して、女性が配偶者によんでほしい呼称として一番多かったのが「妻」でした。
ここからわかるのは、女性と男性では配偶者の呼称についての認識や感じ方が違うということです。
些細なことかもしれませんが、お互い気持ちよい関係を維持していくためにも、お互いの呼称についても話しあってみるのもいいかもしれません。
多種多様でOK
昔とは違い、今は様々な考え方があります。
そのため呼び方についても多種多様でいいのです。
最近では昔からの呼称である「妻」や「嫁」だけでなく、性別関係なく使える「パートナー」という表現を使う場合もあります。
性も男女の区別だけじゃなくなってきているもんね。
もちろん、大前提として相手に不快な気持ちを与えないということが大切です。
しかし多種多様な時代において、自由な考えのもと、深く考えすぎなくてもいいのかもしれません。
まとめ
俳句を詠むと、ときどき「夫」を「つま」と読んでいる句を目にすることがあるでしょう。
しかし現代において「つま」は女性の配偶者を指します。
しかし
俳句はその名残です。
またその意味合いは、連れ合いという意味で、もともとは性差は含まれていませんでした。
です。
また配偶者のよび方には妻以外にも
- 嫁
- 女房
- 家内
など、様々な呼び方があります。
どの呼称を使っていいかと迷いがちですが、お互いにとって不快ではない呼び方でお互いを紹介していきたいですね。
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