「夫婦別姓だと危険って本当?」
「実際に夫婦別姓だとどんな問題があるの?」
「仕事上は旧制を使う場合どんな危険があるか知りたい」
と考えることはありませんか?
結婚に伴って夫婦別姓にしたい、戸籍上は苗字を変えても仕事上は変えたくないなど悩む人も少なくありません。
そこで今回は夫婦別姓だとありがちな問題点やメリットデメリット、今の現状などを徹底的に調べました。
当記事で紹介する内容は、次のとおりです。
- 夫婦別姓はなぜ問題なのか?
- 夫婦別姓のメリット&デメリットは?
- 夫婦別姓の現状とは?
夫婦別姓問題に関心のある方や「結局何が問題なのかよくわからない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
夫婦別姓についての理解が深まると幸いです。
夫婦別姓はなぜ問題なのか?危険だと言われがちな理由とは?
夫婦別姓のスタンスで結婚生活を送っている夫婦もいれば、仕事の時だけ旧制を使うことにした夫婦もいます。
しかし、今現在日本で、夫婦別姓で夫婦として生活をする場合に色々な問題が起こりがちです。
当項目では、夫婦別姓と危険と言われがちな理由や、起こりがちな問題について下記のことを紹介します。
夫婦別姓は日本では認められていない!
現在の日本は、法律上で結婚した夫婦は夫婦別姓は認められていません。
民法によると、現在の日本では法律上結婚した夫婦は同姓を名乗る必要があります。
法務省のホームページには、下記のことが載せられていました。
夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称することとされる(夫婦同氏制)。
※ 改正民法は,旧民法以来の夫婦同氏制の原則を維持しつつ,男女平等の理念に沿って,夫婦は,その合意により,夫又は妻のいずれかの氏を称することができるとした。
どうしても夫婦別姓のスタイルで生活をしたい場合の状況は、下記の通りです。
無理やり夫婦別姓のスタイルで生活をする場合には、いつくかのデメリットがあることは否めません。
夫婦別姓のデメリットについては、後ほど詳しく紹介します(ここへジャンプ)。
仕事上だけ旧制を使う場合に起こりがちな問題とは?
仕事上だけ旧制を使うことにした人も、少なくありません。
仕事だけ旧制を使う理由の一例を、下記にまとめました。
取引先とのやりとりでの面倒を避ける為や、詰んだキャリアを無くしたくないなどの理由で仕事上では旧制を使う方が都合がいいこともあるようです。
しかし、仕事で旧制を使う時に起こりがちな問題例を下記にまとめました。
同僚が本名を知らない為「子供が連絡してきた」「家族からの急用の連絡がきた」など、家族からの連絡がつかずに大変だった人もいます。
夫婦別姓の場合のメリットとは?
上記のように感じることはありませんか?
夫婦別姓のメリットを、下記にまとめました。
当項目では、夫婦別姓が認められるようになると良いと言われているメリットについて紹介します。
プライバシーを保てる
夫婦別姓が認められるようになると、プライバシーを保ちやすいのがメリットです。
結婚や離婚、再婚によって名前が変わると、否応なしに周囲にプライバシーのことを知られてしまいます。
反対に夫婦別姓が認められ名前が変化しないのであれば、近しい人以外にプライバシーの情報を知られる必要はありません。
離婚や再婚に影響しない
上記と少し重複しますが、選択制夫婦別姓が認められると、離婚や再婚に伴う負担が少なくなることもメリットと言えるでしょう。
結婚や離婚、再婚をするたびに、下記の手続きが必要です。
名前が変わることにより、公的書類や銀行、クレジットカードなどの情報変更をする必要があります。
夫婦別姓が選択できるようになると、上記のような面倒な手続きをする必要がありません。
男女平等のイメージがある
夫婦別姓だと、男女平等のイメージがあるのはメリットだと感じる人も少なくありません。
民法によると、法的に結婚する夫婦は夫か妻のどちらを名乗るかを選ぶことがあります。
しかし、結婚した夫婦の95%以上は夫の苗字を名乗っているのが現実です。
選択制夫婦別姓が適応には、次のイメージがあると思う人も少なくありません。
上記のように、夫婦別姓だと男女平等のイメージがあると感じる人も大勢います。
夫婦別姓のデメリットとは?
先ほども紹介した通り、現在の日本では法律的に結婚する場合は夫婦別姓を認めていない為、無理やり夫婦別姓で結婚生活を送る際にはデメリットが伴います。
夫婦別姓だと起こりがちなデメリットとは、下記の通りです。
デメリットについてよく理解していないと、後で大きな問題になりかねません。
当項目では、夫婦別姓の場合に見逃すことはできないデメリットについて紹介します。
子供が生まれた時に起こりがちな問題とは?
現在、夫婦別姓で生活をしている夫婦(事実婚の夫婦)の間に生まれた子供に、さまざまな問題が起こります。
子供に起こりがちな問題を、下記にまとめました。
【子供が非抽出子になる危険がある】
- 事実婚の夫婦の間に生まれた子供が父親の承認を得られない場合、非抽出子になります。
- 父親に認知されないと起こる大きな問題は、相続権がないことと法律上父親に扶養を求める権利がないこと、父親の苗字を名乗れないことです。
【親権が父親か母親かの片方になる】
- 法的に結婚していない夫婦は、共同親権が認められていません。
- 法律上は、父親か母親のどちらかに親権が渡ることになります。
上記のように法律的に結婚している夫婦と、そうでない夫婦の間に生まれた子供には大きな違いが出てくることを理解する必要があります。
相続権がない
法的に結婚していない夫婦には、相続権がありません。
考えたくないことですが、何が起こるのかわからない世の中です。
万が一パートナーが亡くなった場合に、相続権がなく亡くなった人の財産は次のように相続されます。
- 2人に子供がいる場合:子供は母親の相続人になる(父親が認知している場合は父親の相続もできる)。
- 2人に子供がいない場合:両親もしくは祖父母が直径存続人として相続する。直系尊属人が亡くなっている場合、兄弟が存続する。
法的に結婚していないと、2人がどんなに仲が良くても法的に財産を相続できないこともデメリットといえるでしょう。
共同のローンを組みにくい
法的に結婚をしていない夫婦は、共同のローンを組みにくいこともデメリットとして挙げられます。
共働きの夫婦がマイホームを建てる場合、ペアローンを組むケースも珍しくありません。
しかし、法的に結婚していない夫婦はペアローンを組みにくいことを、覚えておきましょう。
ローンや金銭面でありがちな問題を、下記にまとめました。
- 共同の住宅ローンや自動車ローンが組みにくい
- 賃貸の審査が難しい場合もある
ローンが組みにくいだけでなく、賃貸の審査が結婚している夫婦に比べて難しい場合もあります。
なお、すべての金融機関がローンを組めないわけではありません。
公的なサービスや優遇を受けにくい
法律上結婚していない夫婦は、公的なサービスや優遇を受けにくいこともデメリットです。
夫婦別姓のカップルが受けられないサービスや優遇の一部を、下記にまとめました。
- 相続税の各種特例の控除
- 贈与税の各種特例や控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
結婚している夫婦で、妻が仕事をしていない場合、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられます。
配偶者控除や配偶者特別控除を考慮して、パートで稼ぐ額を調節する家庭もあるでしょう。
しかし、法的に結婚していない夫婦は、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられません。
それぞれが経済的に独立する、どちらかがより多く稼ぐなど、経済的にも結婚している夫婦と異なることを理解しておく必要があります。
日本の夫婦別姓の現状について
上記のように考えることはありませんか?
当項目では日本の夫婦別姓の現状について、下記のことを紹介します。
夫婦別姓に関しての司法判決とは?
夫婦別姓に関する司法判決が令和3年に下されました。
司法判決の内容が、法務省のホームページに載せられています。
現在の民法のもとでは,結婚に際して,男性又は女性のいずれか一方が,必ず氏を改めなければなりません(この制度を夫婦同氏制度と呼んでいます。)が,夫婦同氏制度が憲法に違反しているのではないかが争われた裁判で,最高裁判所大法廷は,平成27年(判決)と令和3年(決定)の2度にわたり,夫婦同氏制度は憲法に違反していないと判断しました。
もっとも,これらの最高裁判所大法廷の判断は,いずれも選択的夫婦別氏制度に合理性がないとまで判断したものではなく,夫婦の氏に関する制度の在り方は,「国会で論ぜられ,判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と判示しているものです。
令和3年に下された結論の内容を要約すると、下記の通りです。
- 民法750条に載せられている夫婦同姓に関する規定は、日本国憲法に違反するものではない
- 今後の夫婦別姓に関する判断は、国会の決定によって異なる
現在は、民法にて夫婦同姓が義務付けられています。
しかし、今後の国会の決定によっては、夫婦別姓の可能性が全くないとは言い切れません。
なお、令和3年の他にも平成27年に夫婦別姓に関する問題が最高裁判所で扱われています。
令和3年、平成27年の最高裁判所の決定に関する資料は、下記を参考にされてください。
今後、夫婦別姓について国会でどのような動きになるのか気になるところです。
選択的夫婦別姓に関する国の動きとは?
選択的夫婦別姓に関する国の動きは、下記の通りです。
- 平成3年:法制審議会民法部会にて婚姻制度等の見直し審議が行われた
- 平成8年:民法の一部を改正する法律案要綱を答申した(選択制夫婦別氏制度を提案する内容が含まれている)
- 平成22年:選択制夫婦別氏制度の提案が法務省から再び答申された
*平成8年、22年とも国会に提出するまでには至っていない
上記のように、法務省では度たび夫婦別姓に関する問題が取り上げられ、民法改正案も検討されているようです。
しかし、実際には国会に提出するまでには至っていません。
あなたはどっち?夫婦別姓反対派VS賛成派の意見を紹介
上記のように夫婦別姓については、異なる意見があります。
当然ながら賛成派の意見もあれば、反対派の意見もありさまざまです。
当項目では、夫婦別姓に関して賛成派の意見と反対派の意見とその理由について紹介します。
賛成派の意見とは?
賛成派の意見として多く挙げられるのは、下記の通りです。
上記のように、名義変更手続きのストレスや、名前の変化に慣れるまで違和感を感じることなどが原因で夫婦別姓だったらいいのにと感じている人は少なくありません。
最近結婚した娘が名義変更の手続きに追われてる。
平日に休んで行かなきゃ、とか、銀行口座とクレジットカードとどっちを先にするか、とか、電話しても通じないし、とか、ぐちぐち言ってくる。自分も経験ないから的確なことも言えないし。
姓を変えるって、大変。#夫婦別姓 なら良かったのに。— 勝田浩司 (@Kouji_katsuda) February 23, 2022
よく「夫婦別姓選択制度」の話になると
「配偶者の姓になるのが嫌なのか」とか
「子供の姓はどうするんだ」とか言われるけど
そういうんじゃなくて、こういう事が日常から色々あってその度に不便だからなのよね… https://t.co/e7YxyXVf7H— さきっちん@多趣味垢 (@hitomiiyo) February 27, 2022
特に仕事をバリバリしている人は、旧姓時代に築いた実績を結婚後もそのまま引き継ぐのが大変だと感じることは多いようです。
夫の苗字になるのが嫌だと感じているわけではなく、結婚後に名前が変わると仕事に差し支えがあると感じている人は少なくありません。
反対派の意見とは?
選択的夫婦別姓に反対する意見として、下記のものが挙げられます。
多くの意見として、子供が生まれた時のことを心配する声が挙がっているようです。
日本以外の国では、家族の中で苗字が違うのが当たり前である国も少なくありません。
しかし、日本は家族が同じ苗字であることが当たり前とみなされがちなので、苗字が違う家族が1つの家族として成立することに対するイメージができないのも理解できるでしょう。
一方で「それぞれの家族が好きに決めたらいいのでは?」という意見もあります。
どちらにしても選択的夫婦別姓が決定されると、それぞれの家族に影響が出る可能性は否定できません。
まとめ
今現在、日本で夫婦別姓の夫婦として結婚生活を送ることが危険だと言われている理由は、下記の通りです。
仕事上の時だけ旧制を使うことで起こり得る、問題点を再度紹介します。
事実婚として夫婦別姓で生活をする時のデメリットを、再度まとめました。
上記のように、日本では民法により法律上で結婚している夫婦は同姓を名乗ることが求められています。
事実婚というスタイルをとり、夫婦別姓で生活することによるデメリットがあるので夫婦別姓は危険だと言われていることは否定できません。
しかし、今後の国会の動きによっては選択的夫婦別姓が認められる可能性もあります。
法的に夫婦別姓が認められるのであれば、上記のデメリットが解消されますので家族としての在り方も大きく変わってくるでしょう。
関連記事も、ご覧ください。
コメント