「なぜ女性は苗字を変えなきゃいけないの?結婚したいけど別人になるようで虚しい」
「職場で新しい苗字が浸透せず不便!旧姓で築き上げたキャリアが0になるようで不安」
「夫婦別姓ってできるの?気になるけれど、よくわからない」
こうお考えではありませんか?苗字を変えずに生活を続けられたら助かりますよね。
ですが夫婦で別姓にするデメリットも気になるところです。
デメリット・メリットを把握し、自分たちにあった結婚の形を見極めていきましょう。
当記事では下記の内容についてまとめました。
- 「夫婦別姓のまま入籍できるのか」日本と海外の現状
- 夫婦別姓のデメリットとメリット
- 夫婦別姓にする方法
- 日本でも選択制夫婦別姓制度は導入されるのか
当記事をご覧になれば、夫婦別姓のデメリット・メリットを初め、どのような結婚の選択肢があるか知識を深められることでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
夫婦別姓のまま入籍できるのか
結婚後もお互い姓を変えずに生活する夫婦別姓、長い間注目されていますよね。
夫婦別姓のまま入籍をすることは法律的に認められているのでしょうか?
結論:国によって異なります。
- 日本では法律上認められていない(国際結婚のみ可能)
- 海外では法律上で認められている
なぜ国によって異なるのか、日本と海外4ヶ国を比較し解説していきます。
日本では法律上認められていない
原則夫婦別姓での入籍は、日本の法律では認められていません。
国際結婚時の解説は後半で行いますね。
日本が夫婦別姓に出来ない理由は「夫婦同姓制度」という制度が民法で定められているからです。
制度の見直しが検討されていますが、夫婦別姓のまま入籍はできないという現状です。
海外では法律上認められている
夫婦同姓が原則の日本に対して、海外は夫婦別姓を法律で認めている国がほとんどです。
なぜなら「男女平等」の考えをもとに法律が見直され、世界中に広まった為です。
とはいえ、男女平等の捉え方は国によって異なる部分もあり、夫婦別姓以外の選択肢も設けている国もあります。
中国・韓国の場合
中国と韓国では「夫婦別姓」が原則です。
儒教の「血のつながりに重きをおく」考えに由来し、両親から受け継いだ姓を大切にしているためです。
では、子どもは両親どちらの姓を受け継ぐのでしょうか。
子どもは父親の姓を受け継ぐ率が高いものの、母親の姓を選択することもできます。
アメリカの場合
アメリカは州により制度が異なりますが、「同姓・複合姓・別姓」の中から選択することができます。
姓を自由に選べる制度をいち早く取り入れたアメリカ、男女平等の考えはもちろん「人々が自由に姓を選択できるように」と柔軟な考えのもとです。
子どもは父母どちらかの姓を選ぶことができます。
ドイツの場合
ドイツでは「同姓・複合性・別姓」の中から選択することができます。
1957年までは日本と同じ夫婦同姓を原則としていましたが、男女平等でないという考えから3度法律が改正され今の形になったのです。
実は日本の夫婦同姓のモデルともいわれるドイツですが、子どもの姓はどうなるのでしょうか?
子どもは両親どちらかの姓を受け継ぎます。
1人目の子どもの姓を妹弟も受け継ぎ、両親が離婚しても姓が変わることはありません。
日本の夫婦別姓によるデメリットとは
夫婦で別姓を選んだ場合にどのような問題点があるのでしょうか。
法律上の夫婦ではないため、金銭面・子どもの問題などを含め複数の問題点があります。
その中でも、とくに把握しておくべき問題点5つを下記にまとめました。
- 経済的な負担がある
- 賃貸契約やローンを組むときに手間がかかる
- 相続を受けられない
- パートナーの入院・手術時に同意書へのサインができない
- 子どもの親権を夫婦で持つことができない
解決策がある項目もあるので、あわせてご確認ください。
経済的な負担がある
経済的な負担とは「配偶者控除をはじめ、受けられない公的控除がある」ということです。
日本では民法上、「入籍している」ことを条件に受けられるようになっている公的控除が多いからです。
配偶者控除をはじめ受けられない公的控除があることが、経済的な負担の具体的な内容でした。
法律婚の夫婦に比べ、お金がかかることを把握しておいて下さいね。
賃貸契約やローンを組むときに手間がかかる
パートナーとマンションを借りたい・住宅ローンを組みたい時に審査に引っかかってしまうが可能性があります。
なぜなら、夫婦で別姓の場合は戸籍上では家族と認められておらず、家族関係の証明が難しいためです。
事実婚であれば事実婚とわかる証明書が必要になります。
ですが、事実婚を証明できても、法律上の夫婦に比べると信頼度が低いという難点があります。
相続を受けられない
相続は法律婚でないと受けることができません。
相続権が認められるのは法律婚の夫婦と法律で定められているためです。
では夫婦が別姓の状態で、どちらかが亡くなった場合はどうなるのでしょうか。
例えば夫が亡くなったとすると、相続は夫の両親・兄弟が受けることになります。
夫婦の間に子どもがいた場合はどうなるのでしょうか。
子どもがいた場合は、子どもが相続を受けることができます。
パートナーの入院・手術時に同意書へのサインができない
急な入院や手術で家族の同意書にサインが必要になったとき、夫婦別姓の場合は互いにサインできないことがある。
家族関係の証明がないのであれば、一任できないと判断されてしまうためです。
しかし「患者の意思を理解出来ていれば、別姓の夫婦でも構わない」という病院も増えています。
上記の内容から、入院や手術で同意書が必要になった場合、家族の証明が出来ずサインができない場合があります。
しかし、もしもの場合のため事前に病院に確認する・公正証書を用意するなど対策しておくと解決できるでしょう。
子どもの親権を夫婦で持つことができない
夫婦で別姓の場合、親権は母親一人となります。
夫婦が別姓の子どもは母親の戸籍に入り母親の姓を継ぐと決められているのです。
父親が親子関係になるには「認知届」が必要となります。
また父親が親権をもち、子どもの姓を父親と同じにするには「養子縁組」を組まなければいけません。
日本の夫婦別姓によるメリットとは
問題点に対して、メリットはどのようなものがあるのでしょうか。
メリットは「精神的な負担をなくす」ものが多いといえます。
メリットを3つ解説していきます。
- 運転免許証・銀行口座などの名義変更の負担がない
- キャリアを維持して働くことができる
- 離婚・再婚で姓が変わる負担がない
運転免許証・銀行口座などの名義変更の負担がない
姓が変わると変更しなければならない名義変更の手続きが一切ありません。
名義変更は法律婚でのみ必要なため、姓が変わらない夫婦別姓は不要なのです。
名義変更にかかる時間・労力がゼロというのは、大きなメリットといえますね。
キャリアを維持して働くことができる
職場で姓を変えずに働き続けることが出来るため、姓変更にともなうストレスがありません。
新姓が職場で認識されるまでに時間がかかり、仕事に支障がでて悩む人が多いのです。
離婚・再婚で姓が変わる負担がない
離婚・再婚が周囲に知れる心配がなく、プライバシーが守られます。
結婚・離婚で姓が変わることがないため、周囲にプライベートが知られる負担をなくせるのです。
周囲に知られない安心感とともに、戸籍上にすべて記録が残ることを負担に感じる人の悩みも、解決されます。
よって離婚・再婚で姓が変わる負担が少ないといえます。
夫婦別姓にする方法
夫婦別姓のデメリットとメリットは把握できたけれど、日本人が「法律上で夫婦別姓になる方法」はないんですよね?夫婦別姓にするなら「事実婚」ということ?
実は日本と海外で方法はありますが、条件が限られています。
- 日本では国際結婚であれば夫婦別姓のまま入籍できる
- 海外で入籍すれば夫婦別姓にできる
法律婚ではない「事実婚」という選択についても解説します。
日本では国際結婚であれば夫婦別姓のまま入籍できる
日本人同士での夫婦別姓での入籍は認められていませんが、国際結婚であれば可能になります。
外国人は日本で戸籍が作られず、配偶者は単独の戸籍となるためです。
婚姻関係であることは配偶者の戸籍に記されるので安心してください。
外国人は戸籍が作られないという理由から、夫婦別姓のまま入籍ができるのです。
海外で入籍すれば夫婦別姓にできる
日本人同士でも海外で入籍手続きをすれば夫婦別姓にできます。
海外の法律には「夫婦同姓制度」がないためです。
法律婚ではない「事実婚」という選択
- 結婚式を挙げる・事実婚を報告するなど、結婚の意思を表明する
- 住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載する
- 「事実婚誓約書」の公正証書を作成する
日本でも選択的夫婦別姓制度は導入されるのか
日本では現在「夫婦別姓を認める法律」がないことが問題視されています。
世界で導入されている「選択的夫婦別姓制度」とはどういった制度なのか・また日本で導入される予定はあるのでしょうか?
結論:日本で導入される見通しはまだたっていません。
- 選択的夫婦別姓制度とは
- 導入に向けた取り組みは続くも、厳しい現状
選択的夫婦別姓制度とは
選択的夫婦別姓制度とは:法律婚した夫婦が、同姓・別姓を自由に選択できる制度をいいます。
なぜ世界で幅広く導入されているのか、理由は男女平等の社会を築くためです。
夫婦どちらかは姓を変える「夫婦同姓制度」に対して、選択的夫婦別姓制度は「夫婦同姓」「夫婦別姓」をライフスタイルに応じて選ぶことができます。
「選べる」というところがポイントであり、結果として夫婦同姓を選択する夫婦が多かったとしても、強制されたわけでなく夫婦で選択したという部分が重要なのです。
選択的夫婦別姓制度導入に向けた取り組み続くも、厳しい現状
日本では選択的夫婦別姓制度を導入される見通しは立っていないのでしょうか?
導入に向けた世論調査の実施や、夫婦別姓を求める裁判が行われるも見通しはたっていません。
なぜ導入に至らないのでしょうか?
1番の理由は「家族の絆」を重要視している為といえます。
という懸念もあり、国民の意思を確認しながら時間をかけて検討していく問題としているのです。
上記の理由より、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた取り組みは行われるも、目途はまだっていない現状です。
まとめ
日本では夫婦別姓制度が導入されておらず、法律婚をせずに夫婦別姓を選択した場合のデメリットは下記5つでした。
- 経済的な負担がある
- 賃貸契約やローンを組むときに手間がかかる
- 相続を受けられない
- パートナーの入院・手術時に同意書へのサインができない
- 子どもの親権を夫婦で持つことができない
しかし、解決策やその他方法もあります。
デメリット・メリットを把握したうえで、どのような夫婦の形を望むのかパートナーとよく話し合ってみてくださいね。
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