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【疑問】『夫』を使った熟語が知りたい!それぞれの意味や使い方まで徹底解説!

「『夫』を使った熟語には何がある?」

「『夫』を使った熟語の意味は?」

「『夫』を使った四字熟語が知りたい!」

とお考えではありませんか?

 

夫婦の男性側を指す言葉である『夫』という言葉。

『夫』を使った熟語には何があるのでしょうか?

 

当記事では

  • 『夫』を使った有名な四字熟語7選!
  • 『夫』を含む有名なことわざ3選
  • 『いい夫婦』を象徴する四字熟語3選

といった内容を徹底解説していきます。

 

『夫』を使った熟語が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

最後までお読みいただければ『夫』を使った熟語やことわざが分かるはずです。

 

『夫』を使った有名な四字熟語7選!

『夫』と使った四字熟語は数多くあります。

その中でも、有名な四字熟語をいくつか見ていきましょう。

 

  • 一夫一婦
  • 一夫多妻
  • 役夫之夢
  • 漁夫之勇
  • 創意工夫
  • 万夫之望
  • 匹夫匹婦

それぞれの熟語の意味や使い方を詳しく解説していきます。

 

一夫一婦

最初の熟語は「一夫一婦(いっぷいっぷ)」です。

「一夫一婦」は一人の夫と一人の妻によって成り立つ婚姻形態を指しています。

 

同じ意味で「一夫一妻」という言葉も存在します。

一夫一婦制は明治31年に民法で確率されました。

 

一夫多妻

次の熟語は「一夫多妻」です。

先ほどの「一夫一婦」とはまったく違う意味になります。

 

『一夫多妻』は一人の夫に対し、複数の妻がいる婚姻形態のこと。

今は一夫一婦制が当たり前の日本ですが、江戸時代や明治時代初期、妻以外に妾がいるのは普通のことでした。

 

一夫一婦制の思想が日本にきたのは、キリスト教が入ってきてからだと言われています。

明治19年には戸籍法で、妾という用語が消滅しました。

 

役夫之夢

次は「役夫之夢(えきふのゆめ)」という熟語です。

「やくふのゆめ」と読み間違いやすい熟語なので、注意しましょう。

 

「役夫之夢」は、人生の名声・利益・栄華が夢のように儚いという意味です。

周穆王という人が書いた古文「列子」が由来になっています。

 

「役夫」は「使用人」を意味する言葉です。

同じような意味の言葉に「栄華之夢」「邯鄲の夢」があります。

 

漁夫之勇

次に紹介するのは「漁夫之勇(ぎょふのゆう)」という熟語です。

「漁夫」というのは漁師のこと。

 

言葉の由来は「荘子」という漢文です。

漁師は水中で恐ろしいものに出会ったとしても、仕事を辞めることなく勇気を持って続けていきます。

 

そのことから、良いことも悪いことも運命と受け止め、どんな災難にあっても希望と勇気を持って取り組むことを指す言葉です。

場合によっては「漁父之勇」と表記することもあります。

 

創意工夫

「創意工夫(そういくふう)」は多くの方が耳にしたことがある熟語でしょう。

斬新な考えで、いろいろな手段を試みることを指しています。

 

「創意」は思いつきやひらめきを指し「工夫」はよい手段を考えて生み出すことを意味している言葉です。

  • 創意工夫の痕跡が見られる
  • 自分なりに創意工夫する

などといった使い方が適切でしょう。

 

似たような意味の言葉では「趣向を凝らす」が妥当です。

「創意工夫」の方がやや硬い印象を与えるでしょう。

 

万夫之望

次の熟語は「万夫之望」です。

「ばんぷののぞみ」または「ばんぷのぼう」と読まれます。

 

出典は中国五経のひとつ「易経」です。

「万夫」は万人ともいい、数多くの人を指しています。

 

「望」はその字の通り、尊敬や希望を意味する言葉です。

「万夫之望」は世界の多くの人たちから、尊敬し慕われることを意味する熟語となっています。

 

日常生活ではあまり使われない表現ですが

  • 彼は万夫之望だ
  • あの首相は日本国民の希望、まさに万夫之望だ

などといった使い方が妥当でしょう。

 

匹夫匹婦

最後の熟語は「匹夫匹婦」です。

現代では使われませんが、封建的な身分制度下でかつてよく使われていた表現でした。

 

「匹夫」は身分の低い男性や教養のない男性を指しています。

つまり「匹夫匹婦」は身分の低い男女や、教養がなく道理をわきまえない人たちを指す言葉です。

 

「論語」の憲問編から取られた言葉といわれています。

下記は孫子の言葉です。

かくのごとき屈辱は匹夫匹婦といえども恥ずるところ。

引用:四字熟語データバンク

 

『夫』を含む有名なことわざ3選

熟語だけでなく、有名なことわざも見ていきましょう。

  • 夫婦喧嘩は犬も食わない
  • 匹夫も志を奪うべからず
  • 百里の海も一夫に飲ましむる能わず

それぞれのことわざの意味を詳しく解説していきます。

 

夫婦喧嘩は犬も食わない

最初の有名なことわざは「夫婦喧嘩は犬も食わない」というものです。

夫婦喧嘩は犬さえも気に留めないという意味。

 

そこから発展し、夫婦間のいさかいは一時的ですぐに和解するものが多いので、他人が仲裁に入るのは馬鹿らしいという場面で使います。

「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」という表現をすることもあるようです。

 

匹夫も志を奪うべからず

次のことわざは「匹夫も志を奪うべからず(ひっぷもこころざしをうばうべからず)」というもの。

論語の「子罕」に由来しています。

 

下記は孔子の言葉。

「大国の軍勢であっても、その総大将を討ち取ることは可能だ。しかし、『匹夫も志を奪うべからず(たとえ身分の低い男でも、その志がしっかりしていれば、だれもそれを変えさせることはできない)』」とあります。

引用:コトバンク

 

どんな人間であれ、その意思は尊重されるべきであるという意味のことわざです。

 

百里の海も一夫に飲ましむる能わず

最後は「百里の海も一夫に飲ましむる能わず」ということわざ。

武経七書のひとつである「尉繚子(うつりょうし)」に由来しています。

 

どんなに広い海の水でも、飲み水としては一人の喉の渇きを癒すことすらできません。

そのことから「大きいばかりが能ではない」というたとえとして使われます。

 

『いい夫婦』を象徴する四字熟語3選

次に「いい夫婦」を象徴する四字熟語を見ていきましょう。

  • 比翼連理
  • 偕老同穴
  • 琴瑟相和

それぞれの熟語の意味を詳しく解説していきます。

 

比翼連理

最初の熟語は「比翼連理(ひよくれんり)」です。

相思相愛で、深く仲睦まじいことを指す言葉。

 

「比翼の鳥」は中国に古くから伝わる伝説上の鳥で、必ず並んで飛ぶと言われています。

また「連理」は連理の枝のことで、幹や枝が途中でくっついた二本の木です。

 

白居易の『長恨歌』には、下記のような言葉が記載されています。

「天に在(あ)らば願はくは比翼の鳥、地に在らば願はくは連理の枝とならん」〈天に行くならばできることには翼を共有する鳥に、地上では木目がつながった木の枝(のように仲のよい夫婦)となろう。〉

引用:Weblio古語辞典

 

偕老同穴

次は「偕老同穴(かいろうどうけつ)」という熟語です。

夫婦が仲睦まじく添い遂げることや、仲の良いことを指しています。

 

「偕」は「共に」を意味し「穴」は墓穴を意味する言葉です。

つまり夫婦がともに仲睦まじく年を重ね、死後は同じ墓に葬られることを意味しています。

 

「偕老同穴の契りを結ぶ」ということわざも。

夫婦で仲良く年を重ね、同じ墓に葬られましょうという約束をすることです。

 

琴瑟相和

同じような意味の熟語に「琴瑟相和(きんしつそうわ)」という言葉があります。

「琴」は小型の琴、また「瑟」は大型の琴を指す言葉。

 

琴と瑟は常に合奏し、音が調和することから生まれました。

「きんしつあいわす」という読み方もします。

 

  • 私の両親は琴瑟相和す仲です。
  • 私たちは残念ながら琴瑟相和すとはいえない夫婦関係です。

などといった使い方が適切です。

 

『夫』の漢字の意味や由来は?

『夫』を使った熟語やことわざを見てきましたが、そもそも『夫』にはどんな意味があるのでしょうか?

  • 『夫』の意味
  • 『夫』の由来

それぞれの項目に分けて、詳しく解説していきます。

 

『夫』の意味

一般的には男性の配偶者を意味する『夫』という言葉。

しかし『夫』という漢字には、それ以外の意味も含まれています。

 

ふ【夫】

1 成人した男。「丈夫・情夫・壮夫・大夫(たいふ)・匹夫・凡夫」

2 仕事にたずさわる男。「火夫・漁夫・工夫(こうふ)・坑夫・水夫(すいふ)・農夫・牧夫」

3 男の配偶者。おっと。「夫君・夫妻/先夫・亡夫・有夫・一夫一婦」

熟語やことわざでは「成人した男」を意味する言葉として、用いられることも多いようです。

 

配偶者を意味する『夫』は、公式な書類でも使われる表現。

『夫』や『旦那』『主人』などの言葉の違いは、下記の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

『夫』の由来

『夫』の由来は「男人(をひと)」からきています。

「をひと」の「ひ」が促音化して、今のような「おっと」という呼び方に変わっていきました。

 

平安時代初期に書かれた「令集解」には、すでに『夫』という言葉が登場しています。

夫、俗に呼比止(をひと)と云ふ

引用:オールガイド

 

「をひと」からすぐに「おっと」に変わったのではなく「おうと」という語形もあり、一時期は呼び方が混在していました。

「夫」を「おっと」と呼ぶようになったのは室町時代以降と言われています。

 

まとめ

『夫』を使った有名な四字熟語は下記の通りです。

  • 一夫一婦
  • 一夫多妻
  • 役夫之夢
  • 漁夫之勇
  • 創意工夫
  • 万夫之望
  • 匹夫匹婦

 

上記のような熟語だけでなく、有名なことわざにも『夫』という漢字が使われています。

  • 夫婦喧嘩は犬も食わない
  • 匹夫も志を奪うべからず
  • 百里の海も一夫に飲ましむる能わず

 

普段、何気なく使っている『夫』という言葉。

深く調べてみると様々な意味の熟語やことわざに用いられていることが分かりました。

 

時代の流れとともに配偶者を指す言葉にも、少しずつ変化が生じています。

それでも古くから伝わる熟語やことわざは、今も昔と変わらず使われ続けているようですね。

 

『夫』や『主人』『旦那』など、配偶者を指す言葉の正しい使い分けについては、下記の記事でも紹介していますので参考にしてください。

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