「パニック障害の夫と離婚したい場合の注意点は?」
「パニック障害の夫とスムーズに離婚したい時はどうしたらいい?」
「パニック障害の夫と離婚したいけど可能なの?」
などとお悩みではありませんか。
夫がパニック障害を抱えていると、離婚は難しくなります。
できるだけスムーズに離婚するためにも、事前準備が大切になってくるでしょう。
当記事では
- パニック障害の夫と離婚したい!5つの注意点
- パニック障害の夫とスムーズに離婚する方法
- パニック障害を理由に離婚は可能?
といった内容を徹底解説していきます。
パニック障害の夫と離婚したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただければ、夫がパニック障害を抱えていてもスムーズに離婚を進める方法がきっと分かるはずです。
パニック障害の夫と離婚したい!5つの注意点
夫がパニック障害を抱えていると、家族として苦労する瞬間も多いでしょう。
と思ってしまうのも自然なことです。
パニック障害は下記のように定義されています。
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。
パニック障害の夫と離婚したいと思った時は、下記の点に注意しましょう。
- 子供の親権を取れるかどうか
- 離婚後に夫が自活できるか
- 判断能力がない場合は成年後見の申立てが必要
- 話し合いができないケースもある
- パニック障害の原因が妻の可能性も
それぞれの注意点を詳しく解説していきます。
子供の親権を取れるかどうか
離婚するとなると、まず心配になるのは子供の問題ですよね。
「子供の親権を取れるかどうか」不安に思う方も多いでしょう。
親権者の条件として「心身ともに健康であること」が挙げられます。
つまりパニック障害で子供の養育が難しいと判断されれば、親権は母親にわたるでしょう。
確実に母親が親権を取るためには、夫がパニック障害で育児が難しいという証拠が必要になるでしょう。
離婚後に夫が自活できるか
「離婚後に夫が自活できるか」も重要です。
パニック障害になると、自分ではコントロールできない発作が生じます。
いつ発作が起きるのか分からず、定職につけない人もいるでしょう。
定職につけなければ、離婚後の生活は困難になります。
上記のようなケースの場合、裁判をしても離婚が認められないことがほとんどです。
判断能力がない場合は成年後見の申立てが必要
「判断能力がない場合は成年後見の申立てが必要」になることもあります。
パニック障害だからといって、判断能力に問題があるわけではありません。
しかし症状がひどくなると、予期不安や広場恐怖が起こったり、うつ病が合併することもあります。
広場恐怖症とは、強い不安に襲われたときにすぐに逃げられない、または助けが得られそうにない状況や場所にいることに恐怖や不安を抱く状態です。
うつ病が悪化し、無気力で自分では何もできなくなるケースもあるでしょう。
話し合いができないケースもある
夫がパニック障害の場合は「話し合いができないケースもある」ことを覚えておきましょう。
離婚したいと思った時は、まず話し合いで協議離婚を目指すのが一般的です。
しかし夫がパニック障害を抱えていると、話し合いそのものができないケースもあるでしょう。
話し合いができない場合は、離婚調停を申し立てましょう。
離婚調停とは、家庭裁判所の調停室で、調停員2名を介した話し合いを行える制度です。直接顔を合わせて話し合うわけではなく、一人ずつ呼ばれて事情を調停委員に話し、それを元に離婚の際の条件などを仲介・交渉してくれる制度です。
パニック障害の原因が妻の可能性も
「パニック障害の原因が妻の可能性も」あります。
パニック障害の原因のひとつが、ストレスではないかともいわれているようです。
パニック障害の原因は、まだ解明されていませんが、ストレスや脳内の伝達物質の動きに関連があるのではないかといわれています。
妻の不倫発覚やモラハラがきっかけで、パニック障害が発症する可能性もあります。
場合によっては、慰謝料を請求される可能性もあるでしょう。
パニック障害の夫とスムーズに離婚する方法
パニック障害の夫とスムーズに離婚するためには、下記の方法をとるのがおすすめです。
- 医師の診断を受けてもらう
- 必要以上に刺激しない
- 離婚後の夫をサポートする手はずを整える
それぞれの方法を具体的にみていきましょう。
医師の診断を受けてもらう
まずは「医師の診断を受けてもらう」ことが大切です。
パニック障害や精神病の程度を判断するためには、医師の見解が必要になります。
離婚が認められるには、パニック障害が「強度」で「回復の見込みがない」ことが条件なのです。
とはいえ素人である妻が「強度」だと言ったところで、裁判で離婚が認められるわけではありません。
必要以上に刺激しない
次に「必要以上に刺激しない」ことも意識しましょう。
パニック障害の発作は、何がきっかけになるか分かりません。
離婚の話を切り出したことで、パニック発作が起こることもあるでしょう。
もし話し合いが難しければ、調停に入ることも可能です。
離婚後の夫をサポートする手はずを整える
「離婚後の夫をサポートする手はずを整える」こともポイントです。
離婚後に夫が自活できなければ、離婚は認められないケースが多いでしょう。
パニック障害を含め、精神疾患の人をサポートする助成制度もあります。
自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)
精神科の病気で治療を受ける場合、外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担のお金の一部を公的に支援する制度が自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)です。
さらに精神障碍者保健福祉手帳が発行されれば、税金の免除なども可能です。
パニック障害を理由に離婚は可能?
そもそもパニック障害を理由に、離婚は可能なのかを解説していきます。
- 協議離婚なら可能
- 裁判の場合は認められない可能性も
それぞれのパターンを詳しくみていきましょう。
協議離婚なら可能
協議離婚であれば、どんな理由であっても離婚は可能です。
協議離婚とは?
夫婦が話し合いをし、離婚する旨の合意が成立すれば、後は離婚届を市区町村に提出するだけで離婚が成立します。この手続により離婚するケースが大半を占めています。
夫が同意してくれれば、パニック障害を抱えていても離婚できます。
ただし、パニック障害やうつ病で正常な判断ができないケースもあるでしょう。
あなたにとって一方的に有利な離婚条件で離婚してしまうと、あとからその判断には誤りがあったとして、「錯誤」(民法95条)を理由に離婚は無効だとして争われるおそれがあります。
裁判の場合は認められない可能性も
協議離婚や調停で離婚が成立しなければ、離婚訴訟に進むのが一般的です。
裁判では、法定離婚事由に該当するかどうかが争われます。
民法で定められている法定離婚事由は下記の通りです。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
パニック障害の場合は(四)の理由にあたるかとどうかが検討されるでしょう。
とはいえ、精神疾患の時こそ夫婦は支え合うべきという考えもあります。
パニック障害の夫と離婚を考えた時の相談先
パニック障害の夫を抱えていると、辛い時も多いですよね。
離婚を考えるくらいですから、妻が頭を抱える瞬間も多いのでしょう。
一人で悩みを抱え込んでいると、妻が精神病を患う結果にもなりかねません。
思い詰める前に、下記の相談先を頼りましょう。
- 厚生労働省
- 弁護士
- オンラインカウンセラー
厚生労働省
厚生労働省では電話相談を受け付けています。
また第三者と話せば、新しい選択肢が生まれる可能性もあるものです。
厚生労働省では電話相談窓口がいくつか設けられています。
誰にも相談できずに悩みを抱えているのであれば、ぜひ厚生労働省の電話相談窓口に電話してみましょう。
弁護士
弁護士に相談してみるのも、おすすめの方法です。
パニック障害を理由に離婚する場合、専門家の判断が必要になるでしょう。
弁護士であれば夫のパニック障害の内容や程度をみて、実際に離婚できるかどうかを判断してくれます。
オンラインカウンセラー
夫の症状をなんとかしたいのであれば、オンラインカウンセラーに相談するという方法もあります。
カウンセリングでパニック障害の症状は軽減できるものです。
とはいえ、実際に病院に足を運ぶのは億劫という方も多いでしょう。
自宅にいながらカウンセリングを受けたい方は、オンラインカウンセラーを活用してください。
まとめ
パニック障害の夫と離婚したいと思った時は、下記の点に注意しましょう。
- 子供の親権を取れるかどうか
- 離婚後に夫が自活できるか
- 判断能力がない場合は成年後見の申立てが必要
- 話し合いができないケースもある
- パニック障害の原因が妻の可能性も
パニック障害の夫とスムーズに離婚するためには、下記の方法をとるのがおすすめです。
- 医師の診断を受けてもらう
- 必要以上に刺激しない
- 離婚後の夫をサポートする手はずを整える
パニック障害は本人も辛いですが、周りの人や家族も大変な思いをします。
離婚したいと思ってしまうのも無理はありません。
どうしても離婚したいのであれば、弁護士に相談してみることをおすすめします。
双極性障害の夫と離婚する方法については、下記の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。
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