「夫って漢文ではどう読むの?」
「漢文での夫の訳し方がよくわからない」
「漢文語彙ヨミってなんだったっけ?」
と悩んでいませんか?
漢文を勉強したのははるか昔の学生時代、漢文の読み方なんてすっかり忘れてしまった人は私だけでしょうか?
今回は、漢文における夫の読み方や使い方についてもう一度徹底的に調べました。
当項目で紹介する内容は次の通りです。
- 夫の漢文での読み方は?
- 夫の間違いない訳し方とは?
- 夫の例文を紹介
夫の読み方や訳し方について悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
ゴチャゴチャになっている頭の中が、整理できると幸いです。
夫の漢文での読み方とは?
日本語で「夫」の文字を見ると「オットと読む」「結婚している配偶者の男性を指している」など、いろいろなイメージがつきますよね。
しかし漢文で夫と見ると、ピンとこない人も多いのではないでしょうか?
当項目では、夫の漢文の読み方を筆頭に下記について紹介します。
夫レで「それ」と読むことが多い
漢文では、夫を夫レで「それ」と読むパターンが多いようです。
上記にもある通り、夫(ソレ)は、漢文の中では発語詞としての役割果たします。
発語詞に関する説明を下記にまとめました。
【発語詞】
- 漢文の冒頭にある
- 文章の語気を強める働きがある
- 夫の他の発語詞は、其れ(それ)、厥(それ)、蓋(これ、けだし)が使われる
【日本語訳】
- 日本語に適する訳し方がないこともある
- 訳さない場合もある
- 訳す場合は「まあ、また何を言おうか……」「そもそも」「いったい」と訳す
上記のように、夫は発語詞です。
夫、其などの発語詞がつくときには、文章の内容を際立たせ「これから大切なことを言うぞ!」と相手にメッセージを伝えています。
夫のその他の漢文語を紹介
夫は発語詞としての役割意外にも次の2つのパターンと読み方があり、下記の通りです。
【夫ノ(かの)】
- 指示代名詞
- 訳し方の例:あの
【夫(かな)】
- 詠嘆
- 訳し方の例:〜だなあ
上記のように夫は、連体詞として「かの」と読んだり、詠嘆として「かな」と読んだりすることもあります。
漢文の中でも、一字で複数の読み方をするものは珍しくありません。
夫は、3通りですが為は7通りもの読み方をします。
日本語に慣れている日本人からすると「読み方が多すぎる」「どれに当てはめたらいいのか分からない」と感じるとしても無理もありません。
漢文で夫が出てきた時の正しい訳し方は「いったい」「そもそも」
と悩みますよね。
先ほども紹介した通り夫(ソレ)は発語詞なので、日本語では訳さないことも少なくありません。
しかし「文をさらに自然にしたい」「より本文の意図に近づけたい」などの理由でどうしても訳したい時もあります。
夫の訳し方のポイントは、下記の通りです。
【訳し方の例】
- いったい&そもそもと訳すのが無難
【役割やイメージ】
- 夫をそもそも、いったいと訳して、その後に続く文を際立たせる働きをすることもある。
有名な例として、古今和歌集に出てくる文章と書き下し文を例にあげましょう。
- 漢文:夫和歌者、託其根於心地、發其花於詞林者也。
- 書き下し文:夫れ和歌は、其の根を心地に託し、其の花を詞林に発くものなり。
- 訳し方:そもそも和歌というものは、その根源を心という地面に支えられ、言葉という林に開いた花である。
「和歌というものは……」の言葉の前に夫レをおくことで、そもそも……と訳し「文章はとても大切ですよ〜」とアピールしています。
漢文での夫の役割とは?
夫の漢文での読み方や、訳し方の一例については上記で取り上げました。
ここで一旦、漢文での夫という文字の役割についてまとめましょう。
漢文での夫の役割は、下記の通りです。
当項目では、上記の役割について具体的に紹介します。
発語詞
上記の項目でも何度も登場してきますが、夫は発語詞としての役割を果たします。
上述と重複しますが、発語詞についてまとめました。
【発語詞とは?】
- 漢文の冒頭にある
- 夫の他の発語詞は、其れ(それ)、厥(それ)、蓋(これ、けだし)が使われる
【発語詞の働きとは?】
- 文章の語気を強める働きがある
- 「夫」があると「これから大切な話がある」というアピールになる
詠嘆
夫は、詠嘆としての役割も果たします。
詠嘆に関する情報が、トライイットのYouTubeに載せられていました。
詠嘆の意味や働きは、下記の通りです。
【詠嘆とは?】
- 感情を表す言葉
【詠嘆の働きとは?】
- 「嗚呼〜夫」という文章でよく使われる
- 「ああ〜かな」と自分の気持ちを伝える役割がある
夫が詠嘆として使われる時には「嗚呼」が先端にきているケースが多く「夫」は最後にきます。
指示代名詞
夫は指示代名詞としての役割も果たし、指示代名詞の際には「かの」と呼びます。
指示代名詞の説明や働きについては、下記にまとめました。
【指示代名詞とは?】
- あれ、あの、あそこの、あそこなどの表現を使う
【指示代名詞の働きとは?】
- 人物、物事、時間、場所、事柄などをさして使う
- 現代のこそあど言葉のようなもの
現在でも「あそこのお店」「あの時間帯」など時間や場所を指す時に「あれ」「あの」「あそこ」を使うことがあります。
漢文にも同様の働きをする言葉が存在していたことを知ると、漢文に対して親近感を感じるのではないでしょうか?
漢文をもっとわかるようになるのにおすすめのYouTubeは?
上記のように感じることはありませんか?
文章を読んで漢文を理解しようとすると難しくても、解説動画があるとイメージをしやすくなります。
漢文を学ぶのにおすすめの動画を、下記にまとめました。
トライイット
トライイットは、家庭教師トライが提供している小学4年生から高校生までの無料オンライン講座です。
本来なら登録して閲覧をしますが、トライイットのホームページや公式YouTubeで一部の授業を閲覧できます。
漢文に関する動画も数本あり、下記の通りです。
特に、学生の頃に習ったことをすっかり忘れてしまったから復習したい時におすすめします。
ただよび
ただよびは、スマホやパソコンを利用して授業を受けられるオンラインの予備校です。
ただよびも公式YouTubeでたくさんの動画を公開しています。
漢文に関してもかなり多くの動画あり、1本の動画は15分前後のものから40分近くの本格的な講座まであり、次のとおりです。
学生に帰ってみっちりと授業を聞いてみたい時にもおすすめします。
まとめ
夫の漢文について、再度まとめました。
- 夫レ(それ):発語詞。「そもそも、いったい」と訳すこともある。重要な文であることを強調する時に使う
- 夫(かな):詠嘆。「ああ〜かな」と訳す。感情を表す時に使う
- 夫ノ(かの):指示代名詞。あそこの、あれのなどの表現をする時に使う
日本語で夫の文字を見ると男性の配偶者をイメージしますが、漢文ではさまざまな意味があったことがわかります。
状況によって使い方が異なりますので、正しい使い方を覚えましょう。
パッと見ると難しそうに見えますが、昔も今も感情を表す時の言い回しが存在することや、あの、あれなどの言い回しがあったことがわかると親近感が湧きますね。
夫の中国語の言い回しや、英語の言い回しについては、下記の記事を参考にされてください。
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