「夫と離婚したいけどお金がないから諦めるべきなのかしら」
「専業主婦の私が離婚したら生活はどうなるの?」
「離婚したいけどお金がないときの相談先はある?」
などの疑問を抱えながら、毎日悶々と過ごしている方もいるのではないでしょうか。
そこで当記事では、上記のような気持ちにお答えするべく、お金がなくても全く不安なく別れるために必要な知識7選を下記のようにまとめました。
- 離婚の相談先がある
- 離婚に必要なお金
- 婚姻費用分担請求について
- 離婚で受け取ることができるお金
- 離婚で受け取ることができる手当
- 離婚で受けられる制度
- 離婚後の就労支援
上記の内容を知っていれば「離婚したいけどお金がないからできない」と、諦めかけている現状からさよならできることでしょう。
ぜひ、ご一読ください。
必要な知識①:離婚したいけどお金が不安なときの相談先
離婚したいけどお金のことが不安で諦めかけている方に、相談先があります。
離婚後のお金や就職について、具体的な相談ができる窓口です。
- 厚生労働省の電話相談窓口
- 市町村の相談窓口
- 弁護士の無料相談
それぞれの相談先について、以下で紹介します。
厚生労働省の電話相談窓口
離婚したいときやお金のことなどについて、厚生労働省の電話相談窓口があります。
国が管轄する公的相談窓口なので、フリーダイヤルです。
相談窓口は下記のように、悩みの内容別に分かれています。
- いのちの電話(自殺対策)
- こどもSOS(いじめなど)
- 生活困窮
- DV
上記以外にも悩み別の相談窓口がありますので、ぜひホームページを確認してください。
厚生労働省サイト → 「引用:厚生労働省電話相談窓口」
市町村の相談窓口
市町村の相談窓口では、さまざまな問題や悩みなどを相談することができます。
住民は誰でも無料で相談できるので安心です。
相談できる内容は、
- 消費生活
- 子ども、育児、教育
- 女性、DV問題
- 貧困家庭
- 民事相談
などですが、上記以外のことも相談できます。
とりあえず誰かに話を聞いてもらいたいという方は、お近くの市町村相談窓口に行ってみてください。
弁護士の無料相談
離婚したいとき、弁護士の無料相談もあります。
30~50分程度の相談は無料という場合が多いです。
無料相談時間内で聞いておくべき内容は、
- 離婚できるかどうか
- 夫から受け取ることができるお金
- 離婚にかかる弁護士費用
などですが、なるべく多くの情報を無料時間内に聞いておきましょう。
また、メールでの無料の弁護士相談も活用できます。
弁護士無料相談の参考サイト → 「引用:離婚弁護士ナビ」
必要な知識②:離婚するまでに必要なお金
離婚するまでにお金がいくら必要なのか、知っておかなくてはなりません。
円満な協議離婚以外は、お金がかかるからです。
- 別居費用
- 弁護士費用
- 協議離婚費用
- 調停離婚費用
- 裁判離婚費用
以下で具体的に解説していきます。
別居費用
離婚をすると決めた場合、ほとんどの方は別居費用が必要となります。
離婚したい相手と同居したまま、離婚をすすめることは難しいからです。
- 敷金礼金
- 引越し費用
- 家賃
- 家具家電
- 光熱費
家具家電付きの住居を除いては別居準備に、50~70万円ほどかかると覚悟しておいた方がよいかもしれません。
別居には費用がかかるということを、予め知っておく必要があります。
弁護士費用
離婚がスムーズに進まない場合は、弁護士に依頼する必要があり費用がかかります。
スムーズに進まない理由で考えられることは、以下の通りです。
- 離婚を拒否
- 財産分与の内容
- 慰謝料を拒否
- 養育費の金額
上記の内容などで折り合いがつかない場合は、弁護士に依頼することが必要となります。
また、弁護士費用は下記のように分類されていることが一般的です。
- 相談料
- 着手金
- 成功報酬
- 日当・実費
相談料が無料ではない場合もありますので、事前に確認してください。
離婚の弁護士費用の参考サイト → 「引用:離婚弁護士ナビ」
代理援助
弁護士の代理援助の制度を使うことができる場合もあります。
国によって設立された、法テラスによる支援制度です。
代理援助とは、
「代理援助」とは、民事事件、家事事件、行政事件に関する手続き、またはそれに先立って行う示談交渉等に必要な弁護士・司法書士の費用を立て替えてくれる制度をいいます。
弁護士や司法書士に支払う費用としては、着手金や実費をあげることができます。
「引用:ベンナビ弁護士保険」
詳しくは法テラスのサイトを確認してください。 → 「引用:法テラス」
協議離婚費用
夫婦で話し合い、お互いの合意によって離婚する協議離婚にも費用が発生します。
話し合いがスムーズに進んだ場合と、スムーズに進まなかった場合です。
- 円満な協議離婚
- 難航している協議離婚
以下で説明します。
円満な協議離婚の費用
夫婦の話し合いがスムーズに進んだ場合も、少なからず費用がかかります。
公正証書の作成手数料です。
手数料の金額は、目的価額(公正証書の中身に記載されている金額)によって、下記のように異なります。
目的価額 手数料 100万円以下 5,000円 100万円を超え200万円以下 7,000円 200万円を超え500万円以下 11,000円 500万円を超え1000万円以下 17,000円 「引用:日本公証人連合会」
離婚後の金銭トラブルを回避するために、公正証書に合意内容を残しておいたほうがよいでしょう。
難航している協議離婚の費用
話し合いが難航している協議離婚は、弁護士を依頼する場合があり費用がかかります。
弁護士が中立な立場から、和解案などを提案できるからです。
費用は成功報酬によって異なります。
弁護士費用の相場 話し合いの内容 成功報酬の相場 慰謝料請求 獲得金額の10%~20%
(100万円を獲得した場合10万円~20万円)財産分与 獲得金額の10%~20%
(200万円を獲得した場合20万円~40万円)親権の獲得 10万円~20万円 養育費の獲得 1年分の養育費の10%前後
(年36万円(月3万円)の養育費の場合3万6,000円前後)「引用:離婚弁護士ナビ」
協議離婚とはいえ、話し合いが難航している場合は、弁護士費用の覚悟も必要です。
調停離婚費用
協議離婚で折り合いがつかなかった場合は、調停離婚へ進むため費用がかかります。
裁判所から選出された調停委員の仲立ちで、話し合いをまとめてもらい離婚をするためです。
調停離婚に必要な費用は、
- 戸籍謄本代
- 申し立て手数料の収入印紙代(1,200円)
- 切手代
- 弁護士費用(50~70万円)
弁護士費用は必ずしも必要ではありません。
しかし、協議離婚で折り合いがつかなかったケースにおいて、弁護士なしでの調停離婚がスムーズに進むとは考えにくいです。
調停離婚には、弁護士費用がかかると認識しておいたほうがよいでしょう。
裁判離婚費用
調停離婚でもお互いの合意に至らなかったとき、裁判離婚へ進み費用がかかります。
裁判官に判決を出してもらい、法律上離婚できるかを決めてもらうためです。
裁判離婚に必要な費用は、
- 申し立て手数料の収入印紙代(13,000円)
- その他手数料の収入印紙代
- 切手代
- 弁護士費用(70~100万円)
弁護士費用は成功報酬の場合が多く、相手から裁判で勝ち取りたい内容が多いほど、弁護士費用がかかります。
必要な知識③:婚姻費用分担請求
離婚を進めるための別居をする際に、婚姻費用分担請求をしておかなければなりません。
別居には生活費が必要だからです。
婚姻費用分担請求とは、
婚姻費用分担請求とは、別居中の夫婦のうち収入が低い方の配偶者が、収入が高い方の配偶者に対して婚姻費用の分担を請求すること、つまり生活費を支払ってもらうように求めることです。
婚姻費用の分担義務は、法的には「生活保持義務」にあたると解釈されています。生活保持義務とは、自分の生活レベルと相手の生活レベルを同等に維持するという義務で、どんなに自分の生活が苦しくても実行しなければならないという大変厳しい性質を持っています。
婚姻費用分担請求ができるケースと、できないケースがあります。
以下で説明していきましょう。
請求できるケース
配偶者と関係が悪化し、別居によって生計が分かれた場合は請求できます。
たとえ別居中であっても、離婚前であれば婚姻費用の分担義務があるからです。
ただし下記のような注意点があります。
上記のことを慎重に判断し、婚姻費用分担請求をしてください。
請求できないケース
自身が有責配偶者に該当するケースでは、婚姻費用請求はできません。
有責配偶者とは、夫婦の関係が悪くなる原因を作った側のことをいいます。
- 浮気
- 暴力
上記のようなことを行った場合が、婚姻費用請求ができないケースです。
必要な知識④:離婚成立で受け取ることができるお金
離婚が成立すると、配偶者から受け取ることができるお金があります。
法律で定めらている権利です。
受け取ることができるお金は下記の通り。
- 財産分与
- 慰謝料
- 養育費
- 年金分割
上記の4つを、以下で詳しく解説します。
財産分与
財産分与を受け取ることができます。
財産分与とは、離婚をした者の一方が他方に対して、財産の分与を請求することができる制度です。
分配されるものは、
- 貯金
- 家
- 土地
- 車
などがあり「夫婦が共同生活を送る中で形成した財産」と定義づけられています。
財産分与は、配偶者が公平に受け取ることのできるものですので、必ず請求してください。
慰謝料
場合によっては、慰謝料を受け取ることができます。
離婚を決めた原因が、精神的苦痛を伴うことだった場合です。
精神的苦痛の原因は、
- 浮気
- 暴力
- モラハラ
- 生活費を渡さない
上記のようなことが原因で離婚を決意したときは、慰謝料の請求は必須。
ただし、注意点もあります。
上記については判断しずらいため、弁護士の無料相談で聞いてみるとよいでしょう。
養育費
子供をつれて離婚をする場合は、養育費の請求ができます。
子供が社会的、経済的に自立するまで、さまざまな費用を要するからです。
子供に必要な費用は、
- 衣食住の費用
- 教育費
- 医療費
子供が自立するまでは、離婚時に合意した条件で養育費を受け取ることができます。
年金分割
年金分割を請求し、受け取ることができます。
離婚した場合に、二人の結婚期間中の保険料支払額に対する厚生年金を分割して,それぞれ自分の年金とすることができるからです。
種類は下記の2種類。
- 合意分割
- 3号分割
年金分割の割合は、離婚時にしっかりと話し合っておきましょう。
年金分割について → 「引用:法務省」
必要な知識⑤:離婚後に受け取ることができる手当
離婚したら、受け取ることのできる各種手当があります。
住んでいる市町村によって異なる場合がありますが、国からの手当は共通です。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 児童育成手当(東京都)
- 住宅手当
以下で詳しく説明します。
児童手当
子供がいる場合は、児童手当を受け取ることができます。
中学生までの子供を養育している人が対象です。
支給額は、
児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額) 3歳未満 一律15,000円 3歳以上、小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円) 中学生 一律10,000円 「引用:内閣府」
子供が生まれたら、忘れずに申請してください。
児童扶養手当
離婚によるひとり親世帯などが、受け取ることのできる手当です。
18歳までの子供を監護したり、生計を共にする親に支給されます。
支給額は、
月額(令和4年4月~)児童1人 全部支給:43,070円 一部支給:43,060円~10,160円 加算額(児童2人目) 全部支給:10,170円 一部支給:10,160円~5,090円 (児童3人目以降1人につき) 全部支給:6,100円 一部支給:6,090円~3,050円 所得制限限度額:全部支給(2人世帯)160万円、一部支給(2人世帯)365万円 「引用:厚生労働省」
離婚したら、住んでいる市町村の役所で児童扶養手当の手続きをしてください。
児童育成手当(東京都)
東京都に住んでいる場合は、児童育成手当を受け取ることができます。
児童福祉の増進を目的に設けられた、東京都独自の給付金制度です。
受給対象者は、
- 18歳までの父または母がいない児童
- 父または母に重度の障害があって18歳までの児童を育成している人
上記に該当し東京都在住の場合は、申請すると対象児童1人につき、月額1万3500円を受給することができます。
住宅手当
ひとり親世帯に対する住宅手当は、市町村によって内容は異なりますが、受け取ることができる場合があります。
名称も住宅手当や家賃補助、住宅費助成制度などさまざまな呼び方がありますが、すべて住居に対する補助です。
手当の内容は、
- 住宅手当の支給
- 家賃補助(軽減)
- 公営住宅などへの入居申込を支援
離婚したら、住んでいる市町村の窓口に、住宅手当について問い合わせをしましょう。
必要な知識⑥:離婚で受けられる制度
離婚後に受けられる、助成金などの制度があります。
市町村によって内容は異なりますが、さまざまな制度がありますのでぜひ利用してください。
下記は制度の一例です。
- 国民健康保険料の軽減制度
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 幼児教育・保育の無償化
以下で説明しましょう。
国民健康保険料の軽減制度
離婚によって生活が苦しくなり、国民健康保険料の支払いが困難な場合は、軽減の措置があります。
一定の所得に満たない場合です。
対象は、
- 母子家庭の認定を受けている
- 前年度の所得が一定額以下
国民健康保険に免除制度はありませんが、「一定期間の間は保険料を減額、免除できる」という
制度はあります。
お住まいの市町村へ問い合わせてください。
ひとり親家庭等医療費助成制度
離婚して18歳までの子供を養育している場合は、ひとり親家庭等医療費助成制度を受けることができます。
配偶者のいない養育者と、その子供の医療費を補助する制度です。
医療費(保険診療分)の自己負担額は補助されますが、対象外もあります。
上記などは制度の対象外です。
市町村によってひとり親家庭等医療費助成制度の内容は異なりますので、必ず問い合わせしてください。
幼児教育・保育の無償化
小学校に入学する前の子供がいる場合は、幼児教育・保育の無償化の制度を利用することができる場合があります。
令和元年10月1日から、幼児教育・保育の無償化がスタートしたからです。
対象は、
- 幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子供
- 住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子供
上記の子供を持つ世帯は、この制度を利用できます。
必要な知識⑦:就労支援
離婚後の働き口を見つけるために、就職支援を受けることができます。
離婚前は専業主婦や扶養内のパートタイマーだった場合は、新たに仕事が必要だからです。
支援を受けられる先は、
- 内閣府男女共同参画局
- マザーズハローワーク
などがあります。
以下で紹介しましょう。
内閣府男女共同参画局の支援
内閣府男女共同参画局には、女性の就業や再就職を支援するインターネットサイトがあります。
「女性応援ポータルサイト」と言い、女性を生活のさまざまな場面から支援するサイトです。
主な就職支援の内容は、
- 家事や子育てと両立可能な就業・再就職支援
- 専門資格などを生かした再就職支援
- ひとり親家庭の方への就業支援
- 女性を含む若者の就業支援
- 女性の参画が少ない分野での就業支援
一度、内閣府男女共同参画局のインターネットサイトをチェックしてみてください。
内閣府男女共同参画局サイト → 「引用:女性応援ポータルサイト」
マザーズハローワーク
ハローワークの中でも、子育て中の女性の就業を支援するマザーズハローワークがあります。
シングルマザーのための求人案内や、キッズコーナーもあり便利です。
主な支援内容は、
- 子育てと両立しやすい仕事の紹介
- 子育て支援の情報提供
- 就職に役立つセミナーの開催
お近くのマザーズハローワークにぜひ、立ち寄ってみてください。
まとめ
お金がなくても全く不安なく別れるために必要な知識7選は、下記の通りでした。
- 離婚の相談先がある
- 離婚に必要なお金
- 婚姻費用分担請求について
- 離婚で受け取ることができるお金
- 離婚で受け取ることができる手当
- 離婚で受けられる制度
- 離婚後の就労支援
上記の内容を知っておくことで、離婚したいけどお金がない、という苦しい思いを抱えながら生活する必要はなくなります。
一人で悩まずに、まずは当記事で紹介した相談先で話を聞いてもらいましょう。
心のモヤモヤが晴れて、明るい未来を想像できるようになりますよ。
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