「旦那の病気が原因で離婚したいと思っているけど、私って薄情者?」
「病気の旦那から解放されたい」
「病気の旦那の介護から解放されたいと思うことはいけないことなの?」
上記のようにお考えではありませんか。
病気の度合いにもよりますが、介護は当人だけでなく、家族もつらい思いをします。
昼夜問わずの介護に、旦那が働けなくなった分一家の大黒柱として生活費も稼がなければなりません。
子供がいればさらにそこに育児も加わります。
自分の時間などないに等しいです。
いくら一生添い遂げると誓った相手だとしても、耐えられず離婚が頭をよぎってしまうこともあるでしょう。
そこで当記事では旦那の病気が原因の離婚について徹底解説しました。
当記事で解説する内容は次の通りです。
- 旦那の病気は離婚理由にならないのか
- 旦那の病気で離婚が認められないケース
- 旦那の病気を理由に離婚したい妻たちの声
旦那の病気による介護がつらく、離婚したいと考えていらっしゃる方はぜひ最後までご覧ください。
旦那の病気は離婚理由にならない?
結論から述べてしまうと、配偶者の病気が離婚理由として認められたケースはさほど多くはありません。
しかし言い換えれば、配偶者の病気が離婚理由として認められたケースもあるということです。
では
ここでは旦那の病気を理由に離婚する場合、どのような方法があるのかを解説していきます。
- 協議離婚は可能
- 調停離婚には理由が必要
- 病気の快復見込みがない場合は離婚できるかも……?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
協議離婚は可能
当然ですが、協議離婚は可能です。
離婚するに至る理由がどんなものにせよ、お互いが協議し、同意のもとであれば離婚することはできます。
その理由が病気でも、性格の不一致でも問題はありません。
大切なことは
です。
弁護士や裁判所が介入するにせよ、しないにせよ、話し合いは必要になります。
そこで合意が得られるのであれば、離婚は可能ということです。
調停離婚には理由が必要
もし旦那から離婚の同意が得られない場合は、調停離婚になります。
つまり、調停委員の心証が大きく影響されます。
そのため調停離婚には理由が必要になるのです。
ちなみ民法で認められている離婚理由は以下の通りになります。
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 配偶者から悪意により遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上不明であるとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、治る見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
絶対にとは言えませんが、これらに該当する場合、一方の意思のみでも離婚することが可能です。
では
と思うのではないでしょうか。
単的に言ってしまうと、旦那の病気を理由に離婚することは相手側、つまり旦那の同意がなければ難航する可能性が高いです。
今回のケースで事由になるのが、
- 配偶者が強度の精神病にかかり、治る見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
婚姻を継続し難い重大な事由は様々です。
性格の不一致・性の不一致なども該当しますし、モラハラなどのDVも当てはまります。
また病気によるストレスや不安から妻にモラハラまがいに当たり散らすということもあるようです。
その場合も婚姻を継続し難い重大な事由に当てはまります。
そしてそれらを証明しなければなりません。
そのためにはまずは証拠を集めることです。
たとえば
- 治療や看病が長期間にわたり、これから先も長期間の治療・看病が必要であるという証拠→診断書など
- 配偶者の病気を献身的に看病していたという証拠→日記など
さらに病気の旦那が離婚後も変わらず生活が送れるであろうという基盤や、後見人などをみつけておきましょう。
1人では生活ができない病気の旦那を放置するような判断を調停委員がするはずがないからです。
調停離婚の場合は離婚するに足る理由と証拠をそろえておきましょう。
病気の快復見込みがない場合は離婚できるかも…?
前の項目で解説したように民法に定められている離婚事由として、配偶者が強度の精神病にかかり、治る見込みがないときがあげられています。
注目すべきは病気の種類が精神病であり、さらには治る見込みがないとき、です。
まず軽度のうつ病や躁鬱では、離婚事由としては認められません。
離婚事由として認められた凡例としては以下のものがあげられます。
- 重度の躁鬱病
- 統合失調症
- 初老期精神病
- 偏執病
では強度の精神病でなければ離婚が認められないかといえばそうではありません。
たとえば
- 病気や事故により、植物状態になってしまった場合
- アルツハイマー病
- 重度の身体障害があり、改善が見込めない
- アルコールや薬物などの重度の中毒
は離婚事由として過去に認められたことがあります。
これはその他婚姻を継続し難い重大な事由があるときに判断されたためです。
このように配偶者の病気の快復が見込めないと判断された場合は離婚が可能になります。
病気の旦那が離婚に応じなければ裁判になることも!?
もし病気の旦那が調停離婚にも応じず、それでも離婚したいと思う場合は裁判にて決着をつけることになります。
これが離婚訴訟です。
ここでのポイントも
- 配偶者が強度の精神病にかかり、治る見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
になります。
旦那の病気がこの2つ、もしくはいずれかに該当すると判断されなければいけません。
また、病気のストレスにから旦那からモラハラを受けるようになったということはよくあることです。その場合はその他婚姻を継続し難い重大な事由に当てはまる場合があります。
それらを日記等につけておくなど、離婚調停と同じように証拠を集めておくことが大切です。
また病気の旦那が離婚後も変わらず生活が送れるように整えておく必要もあります。
ただし配偶者の病気を理由の離婚は、双方の同意がない場合、難しいといえます。
旦那が病気で離婚したい…離婚できないケース
旦那の病気を理由に離婚することは双方の同意がないとハードルが高いと言わざるを得ません。
では逆にどのような状況だと離婚は認められないのでしょうか。
この項目では3つに分けて離婚できないケースについて解説していきます。
- 旦那が正常の意思能力がないと判断された場合
- 旦那に身内がいない場合
- 旦那の病気が軽いと判断された場合
それぞれについて詳しくみていきましょう。
旦那が正常の意思能力がないと判断された場合
旦那に正常な意思能力がないと判断された場合は、離婚が認められないことがあります。
たとえば病気や事故により旦那が植物状態になってしまったとします。
意識不明の相手に離婚の意思があるのかないのか確認することはできませんよね。
また、調停や訴訟は意思能力がない者が起こすことは認められていません。
意思能力のない場合は、「成年後見人」をつける必要があります。
通常、親族が成年後見人となります。
その成年後見人を代理人として、調停や訴訟をおこなうことになるのです。
そのため配偶者に意思能力がないと判断された場合の離婚はよりハードルが高くなります。
旦那に身内がいない場合
旦那に身内がいない場合は、離婚を認められないことがあります。
身内がいないということは、離婚後、病気の旦那の世話をする人がいないと判断されるためです。
病気で仕事もできない旦那をそのまま放りだしてはいけません。
また調停員も裁判所もそのようなことは認めるわけがないです。
そのため身内がいないと離婚は難しくなります。
もし旦那に親戚などの身内がいない場合は、行政や病院・施設を利用し、離婚後の生活の基盤を確保しましょう。
旦那の病気が軽いと判断された場合
旦那の病気が軽いと判断された場合は、離婚が認められません。
そもそもの離婚理由であった病気が軽いと判断された場合、離婚理由としての根拠も薄くなってしまうからです。
また軽度であれば、治る見込みがないと判断されることも難しいでしょう。
たとえば
- 軽度のうつ病
- がん
は離婚事由にはなりません。
あくまでも強度の精神病にかかり、治る見込みがない場合に離婚事由として認められるのです。
夫婦は助け合うことが法的にも定められている
これまで見てきた通り、旦那の病気を理由に離婚したいと思っても、旦那が離婚に応じてくれなければ難しいことがわかります。
では、なぜそんなに離婚が難しいのでしょうか。
それは
民法第752条
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
この法律により、軽度のうつ病などは扶助するべきと判断されます。
そのため病気を離婚理由とする場合、いかに献身的に看病・介護をしてきたか、そしてもうこれ以上は何もできないということを示す必要があるのです。
旦那が病気になって離婚したいと考えている妻の声
「旦那の病気が理由で離婚したい…。けれどそんなことを思ってしまう自分は薄情かもしれない」
そう思い悩んではいませんか。
この項目では実際に旦那の病気を理由で離婚したいと思っている妻たちの声をまとめました。
また妻たちのその声に対しての反応もまとめています。
離婚が決まりました。
旦那がうつで、好きという気持ちはまだあるけどもう限界でした。
自分で望んだことなのに、やっぱり寂しいです。
ガールズちゃんねるより引用。
病気の旦那と離婚したいと思うことは薄情ですか?
旦那はおそらくアルコール依存症です。お酒を控えてほしいと言っても聞かず、最近は体調を崩しがち。仕事もほとんど行けていません。
病院を受診するよう言っても聞いてくれず、これ以上は我慢の限界です。
ママスタセレクトより引用
旦那が糖尿病になりました。
正直あれだけ暴飲暴食をしていたら当然だと思っています。
食生活を管理しようとしても、少しでも注意すると怒鳴りつけて話になりません。
もう付き合いきれないです。
ママスタセレクトより引用
まとめ
旦那が病気になったとき、最初は支えると思っていたとしても看病や介護はきれいごとだけではありません。
自分の人生は旦那の看病と介護だけで終わってしまうのか、とふいに不安と虚しさに襲われることもあるでしょう。
そんなとき、離婚が頭をよぎるかもしれません。
しかし配偶者の病気による離婚は容易ではありません。
旦那の病気が離婚事由として認められるケースは
- 協議離婚
- 同意が得られない場合は調停離婚。しかし調停離婚には理由と証拠、離婚後の旦那の生活の保障が必要。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、治る見込みがないときもしくはその他婚姻を継続し難い重大な事由があるときと判断された場合。
でした。
また調停で離婚がまとまらない場合は離婚訴訟に発展することもあります。
逆に配偶者の病気による離婚が認められないケースとしては、
- 旦那が正常の意思能力がないと判断された場合
- 旦那に身内がいない場合
- 旦那の病気が軽いと判断された場合
がありました。
以上のことから踏まえても、相手の同意が得られなかったときには離婚がなかなか容易ではないことがわかります。
また周りの目を気にして離婚に踏み切れない人もいるかもしれません。
しかし自分の人生は自分のものです。
周りの目を気にするのではなく、自分がどうしたいのか、旦那への気持ちがどのようなものなのか今一度自分自身に問いかけてみてください。
結局のところは相手が、今までどのような行いをしてきたのかです。
妻を大切にしてきた旦那であれば、病気になっても支えたいと思うのではないでしょうか。
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