「夫の呼び方は昔と今でどんな風に違うの?」
「夫の呼び方の、昔から現代までの変化について知りたい!」
「夫の現代の呼び方のルールをおさらいしたい!」
上記のように考える女性は多いのではないでしょうか?
夫の呼び方について、昔と現代でどう変化しているのか気になる瞬間はありますよね。
現代では話している相手との関係性によって変わるなど、ちょっと億劫に思うこともありますが、昔はどうだったのでしょうか。
当記事では下記について解説していきます。
- 夫の呼び方の昔と今:江戸時代~現代までの変化とは?
- そもそも「夫」の起源とは?
- 配偶者の正しい呼び方をおさらいしよう!
当記事を読んでいただくと、夫の呼び方が昔と今でどう違うのか、配偶者の正しい呼び方を知ることができます。
夫の呼び方の昔と今の違いについて気になっている方は、是非最後までお読みください。
夫の呼び方の昔と今:江戸時代~現代までの変化とは?
この章では、夫の呼び方の昔と今(江戸時代~現代)について解説していきます。
夫の呼び方は現代でも、下記のような様々なパターンが挙げられるでしょう。
話す相手によって呼び方を変える必要があるなど、暗黙のルールもありややこしいですよね。
「昔からこんなに面倒くさかったのかな?」と疑問に思うことも多々あるでしょう。
この章では下記について解説します。
- 江戸時代は身分のよって呼び方が変わっていた
- 明治~昭和初期は「夫」が主流
- 「主人」が定着してきたのは戦後?
- 現代の夫の呼び方の主流とは?
下記より順番にご覧ください。
江戸時代は身分のよって呼び方が変わっていた
江戸時代は、身分によって夫の呼び方は違っていたようです。
1.年俸1000石以上の主人は「御前様」,その夫人は「奥様」
2.年俸1000石以下の主人は「殿様」,その夫人は「奥様」
3.御目見以下の主人は「檀那(旦那)様」,その夫人は「御新造」
4.さらに下級の御家人の主人は ただの「檀那(旦那)」,でも夫人は「 御新造さん」
というイメージを持っている人も多いと思いますが、実は大名である当主は「殿様」ではなく「御前様(ごぜんさま)」と呼びました。
ちなみに「御前様(ごぜんさま)」の妻は、
と呼ばれていたようなので、現代とあまり変わりがないように思えますね。
「御前様」には二通りの読み方があります。
「お前」という呼び方は、現代では自分より目下の人を見下す言い方として浸透していますが、江戸時代では自分より目上の人を敬う呼び方でした。
また下記のように、相手によって呼び方のニュアンスが微妙に違っていたようです。
- おまえさま……上位者に対するきわめて高い敬意を表わす呼び方。江戸時代では男女ともに用いていた
- おめえさま……「おまえさま」の変化形。自分と対等以上の人に対する呼び方で、かなり高い敬意を表す呼び方
- おめえさん……対等またはそれ以上の相手への呼び方。「おめえさま」よりはやや敬意が低い
- おまいさん……江戸時代では自分と対等以上の人に対する呼び方。
現代でも配偶者の呼び方はややこしく感じる場面がありますが、上記を見ると江戸時代もかなり呼び分けが必要だったことが分かりますね。
明治~昭和初期は「夫」が主流
明治維新以降、「御前様」も「殿様」がいなくなってからの配偶者の呼び方はどう変化したのでしょうか。
明治~昭和の初期にかけては「夫」呼びが主流でした。
明治~昭和10年ごろまでは女中奉公などが「主人」と呼ぶ自分を雇っている人との区別をするという背景もあり、配偶者のことは「おっと(夫・良人など)」と呼ぶほうがむしろ主流。国語辞書の「主人」に夫の意味が一般的に載るようになったのも、昭和30年以降だということです。
DRESS HPより
ちなみに男性の配偶者の呼び方は「夫」が一般的でも、女性の配偶者の呼び方は、対である「妻」ではありませんでした。
女性の配偶者を「細君」という呼び方については、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
昭和に移り変わり時代と共に「妻」の字が浸透し、「細」はほとんど使われなくなったということです。
「主人」が定着してきたのは戦後?
「主人」という呼び方が定着してきたのは、戦後からです。
昭和初期から「主人」という呼び方はあったようですが、あくまでも少数派で「夫」呼びが大半を占めていました。
しかし戦後数年経ったあたりから、多く使用されるようになったようです。
昭和10年頃は「夫」呼びが70~80%と大多数を占めていたことがうかがえます。
しかし戦後の昭和30年代~20世紀末になるにつれて「主人」呼びが74.6%と、夫の代わりに使われるようになったようです。
戦後以降の昭和の時代は、共働き世帯はまだまだ少なく、
というのが一般常識だったことが、「主人」呼びが台頭した大きな原因ではないでしょうか。
また明治時代~昭和10年ごろまで「夫」呼びが主流だった背景として、
奥ゆかしい妻をイメージさせる「主人」という呼び方ですが、使われるようになったのは最近なのですね。
現代の夫の呼び方の主流とは?
と思う女性は多いでしょう。
結論から言うと、今の時代においては配偶者を呼ぶとき「夫」が一番多いようです。
アンケートでは女性に対して「第三者に話をしているときに、パートナーのことを何と呼びますか」と聞いたところ、最多は「夫」50%でした。
次いで「旦那・旦那さん」25.6%と続き、「主人」は9.1%と少数派。以後、続く回答を見ると「名字・名前」6.1%、「パートナー」と「パパ、父さん、お父さん、とうちゃん、おとうちゃん」が同率の2.4%。わずかに「相方」1.2%、「連れ合い・連れ」0.6%という回答もあり、「夫さん」は0%でした。
夫呼びが大多数となっている理由としては、下記が挙げられます。
共働き社会の現代では、「主人」「旦那」のように主従関係を感じさせる呼び方は、徐々に少なくなっているのは当然と考えられますね。
一方第三者の配偶者を指す際は「旦那さん」が47%と約半数を占めています。
自分の配偶者は「夫」「パートナー」など、対等な関係性を示す呼び方がありますが、第三者の配偶者の場合は、まだまだ主従関係を感じる呼び方が大多数です。
という女性も多いことでしょう。
「言葉」は時代によって変わるものですが、浸透しているものを覆すには、長い年月がかかるものです。
といった呼び方をする層も徐々に出てきているので、「第三者の配偶者の呼びかけに苦労する」という悩みは、徐々に解消する可能性は大いにあるでしょう。
そもそも「夫」の起源とは?
上記章まで、夫の昔の呼び方について解説しましたが、そもそも「夫」という呼び方の起源は何でしょうか。
「夫」は「妻」の対となる言葉で、結婚している男性の配偶者を指す言葉です。
夫は元々「男人(をひと)」の「ひ」が促音化して、
になったと言われています。
その他、
など「おっと」になるまでは様々な語形がありました。
実際平安時代初期の私撰注釈書『令集解』には、「夫、俗に呼比止(をひと)と云ふ」という記載もあるようです。
上記を紐解くと「夫」の起源は、大分昔までさかのぼる呼び方だと言えますね。
配偶者の正しい呼び方をおさらいしよう!
この章では配偶者の正しい呼び方について解説します。
配偶者を呼ぶ際「これで正しかったっけ?」と思ってしまうことはありませんか?
など悩む場面は多くあるでしょう。
この章では下記について解説していきます。
- 夫:オフィシャルなシーンで使える呼び方
- 主人:目上の第三者の前で使う呼び方として適切
- 旦那:親しい人との間で使いやすい呼び方
- 亭主:親しい人との会話で使うのはOK
- パートナー・相方:これからの呼び方として浸透していく可能性大?
下記にて順番にご覧ください。
夫:オフィシャルなシーンで使える呼び方
オフィシャルなシーンでは、配偶者のことを夫と呼ぶのが正解です。
オフィシャルな場とは、
などの品位や格式を重んじる場を想像してもらえば間違いないでしょう。
上記のようなかしこまった場では、男性配偶者は「夫」と呼ぶのがマナーです。
「夫」の対義語として「妻」があるため、夫婦の対等な関係性を表す呼び方なので、公式な場にふさわしいと言われています。
注意点としては、自分の配偶者を呼ぶときは「夫」が正解ですが、第三者の配偶者を「夫」と呼ぶのは不正解だと言うことです。
という言い方は何となくしっくりこないですよね。
上記の方が相手を敬った言い方なので、違和感なく受け止めてもらいやすいでしょう。
「夫」呼びはオフィシャルな呼び方ですが、第三者の配偶者を呼ぶのにはふさわしくないということを覚えておくと良いですね。
主人:目上の第三者の前で使う呼び方として適切
話している相手が目上の方の場合は、「主人」と呼んでおけば失礼には当たりません。
「主人=ご主人様」のように主従関係を感じる呼び方なので「自分の配偶者を呼ぶのに使いたくない」と感じる女性も多いでしょう。
しかし目上の人の前では、
上記のように言うのがスマートです。
また目上の人の男性配偶者を呼ぶ際は「ご主人様」と呼びかけておけば、失礼に当たることはないでしょう。
上記のように、かしこまった印象や丁寧な印象を与えることができます。
「主人」という呼び方は、共働き世帯ではしっくりこないと感じる女性も増えてきていることでしょう。
しかし、特に年配の女性との会話では「主人」「ご主人様」が受け入れられやすいのは間違いないので、場面によって使い分けれると良いですね。
旦那:親しい人との間で使いやすい呼び方
親しい間の人との会話では「旦那」呼びをする女性が多いのではないでしょうか。
などとのフランクな会話では、使いやすい呼び方と言って良いでしょう。
「旦那」という呼び方は使いやすい一方、敬遠する層も一定数います。
上記が主な理由として挙げられるようです。
確かに「旦那」という呼び方は、インドで古代に使われていた言語(サンスクリット語)の「ダーナ」が由来で、
上記が社会に広まり、男性の配偶者に使われるようになったと言われています。
使いやすい呼び方である一方、違和感を感じる層が一定数いるのは事実です。
共働き社会の現代においては、今後使われなくなっていく可能性も考えられるでしょう。
親しい間柄での会話では「夫」「パートナー」「配偶者の名前」などで呼ぶのが良いですが、
というときは、周りに合わせて「旦那」呼びの方が会話にスムーズに入れる場合もあるでしょう。
その場に応じた呼び方ができるように、夫の呼び方のレパートリーが多い方が人間関係がスムーズに行くことは間違いないことです。
亭主:親しい人との会話で使うのはOK
上記の呼び方を使う人は、現代では少数派と言えるのではないでしょうか。
と新鮮に受け止めてもらえることもあれば、違和感を感じる層も一定数いる呼び方だと考えられます。
茶の湯で茶事を主催する人を指すこともありますが、どちらにしても現代ではあまり使われることがない上に、主従関係を思わせる呼び方と言えます。
上記理由から、あくまでも「親しい人との会話で使うのは問題ない」程度にとどめておくのが賢明でしょう。
また「自分は『夫』と呼んでいるけれど、知り合いが『亭主』と呼んでいる」という場面に遭遇することも考えられます。
上記場合、話相手の配偶者のことは、
と呼びかけるのが正解です。
マナーはその場にいる人に心地よく過ごしてもらうことが一番なので、相手が夫の呼び方にこだわりがあるようならば合わせてあげられると良いでしょう。
パートナー・相方:これからの呼び方として浸透していく可能性大?
「パートナー」「相方」といった呼び方は今後浸透していくであろう、新しい夫の呼び方と言えるでしょう。
上記のように考える女性は今後も増えていくと考えられます。
現在一番多いとされる「夫」という呼び方も、夫婦の対等な関係を表す呼び方ですが、
という方も中にはいますよね。
あえて籍を入れない夫婦やLGBTのカップルが市民権を獲得してきている昨今では、新しい配偶者の呼び方も徐々に受け入れられていくことが考えられます。
上記のようにジェンダーレスで、新しい夫婦のあり方に寄り添う呼び方だと言えるのではないでしょうか。
とはいえ、新しい呼び方がマナーにまで落とし込まれるまで浸透するには、まだまだ時間がかかるのが現状です。
まずは親しい間柄の人との会話でのみ、使うのが安全だと考えられますね。
まとめ
夫の呼び方の昔と今(江戸時代~現代まで)の変化は下記の通りです。
- 江戸時代は身分のよって呼び方が変わっていた
- 明治~昭和初期は「夫」が主流
- 「主人」が定着してきたのは戦後?
- 現代の夫の呼び方の主流とは?
配偶者の正しい呼び方として下記を解説しました。
- 夫:オフィシャルなシーンで使える呼び方
- 主人:目上の第三者の前で使う呼び方として適切
- 旦那:親しい人との間で使いやすい呼び方
- 亭主:親しい人との会話で使うのはOK
- パートナー・相方:これからの呼び方として浸透していく可能性大?
夫の呼び方は昔と今では変わった部分もあれば、変わらない部分があることをお分かりいただけたでしょうか。
話す相手によって呼び方を使い分ける必要があるなど少しややこしいですが、夫の昔の呼び方を理解しておくことで、様々な疑問解消につながれば幸いです。
当記事が、夫の呼び方の昔と今の違いについて疑問に感じていた女性の助けになれば幸いです。
配偶者の第三者の前での呼び方について、更に詳しく知りたい方は下記記事を参考にご覧ください。
夫とパートナーの違いや、新しい夫婦の形について知りたい方は、下記記事でも解説しているので、是非ご覧ください。
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