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【解決!】「夫婦別性」海外と日本の違いはある?デメリットを5つ解説!

「結婚後も仕事を続けたいけれど、苗字が変わることでキャリアに影響はある?」

「結婚相手は外国人、苗字の表記が難しくて変えることに抵抗がある」

「今の苗字が気に入っているのに結婚したら絶対に苗字を変えなくちゃいけないの?」

などのお悩みをかかえていませんか?

 

女性でも婿養子に入る男性でも、苗字が変わることに対して抵抗がある人がいるかも知れません。

キャリアにおいても結婚する場合でも、名前が変わるというのは人生において大きな出来事です。

 

そこで当記事では以下のことについて解説していきます。

  • 「選択制夫婦別姓制度」とは?日本で認められているの?
  • 「夫婦別姓」のデメリットはある?
  • 「夫婦別姓」にはどんなメリットがあるのか?
  • 「夫婦別姓」海外ではどうなっている?

ぜひ最後までご覧ください。

「選択制夫婦別性姓度」とは?日本でも夫婦別性はアリ?

結論から言うと、日本において「夫婦別姓」は認められていません。

日本では結婚後、男性又は女性どちらかが必ず片方の姓に改めることが民法で定められています。

 

日本で「夫婦別姓」を選択するには

  • 通称で通す
  • 事実婚をする

という方法しかありません。

ただし、国際結婚の場合は原則「夫婦別姓」です。

 

「選択的夫婦別姓制度」とは?

「選択的夫婦別姓制度」とは、結婚した男女が望む場合には、結婚後もそれぞれの苗字でいることを認める制度です。

後ほど詳しく記述しますが、日本ではこの「選択的夫婦別姓制度」は認められていません。

 

多くの女性が男性の苗字を選んで改姓することが圧倒的に多く、苗字を変えることは当たり前とされています。

しかし女性の社会進出が進んでいる現代では、様々な不便さや不利益が指摘されているのも事実です。

 

ダイバーシティ化にともない、「選択的夫婦別姓制度」を望む声が大きくなっているといえるでしょう。

日本で夫婦別姓は認められていない!

日本の民法には「結婚後は男性又は女性、どちらかの姓に改めなければならない」と明記されています。

2015年と2022年に、最高裁まで争う裁判が行われましたが、裁判所はどちらもその訴えを棄却しています。

 

その理由として裁判所は

夫婦が同一の氏を称することは,上記の家族という一つの集団を構成す
る一員であることを,対外的に公示し,識別する機能を有している。特に,婚姻の
重要な効果として夫婦間の子が夫婦の共同親権に服する嫡出子となるということが
あるところ,嫡出子であることを示すために子が両親双方と同氏である仕組みを確
保することにも一定の意義があると考えられる。また,家族を構成する個人が,同
一の氏を称することにより家族という一つの集団を構成する一員であることを実感
することに意義を見いだす考え方も理解できるところである。

出典:裁判所裁判判例結果

と述べています。

 

要約すると

  • 家族という一つの集団を示し、識別するため
  • 嫡出子であることを示すため
  • 個人が家族という集団を実感するため

ということになり、日本にとって同一姓は古くから受け継がれた概念であることも、一つの要因となっているようです。

 

国際結婚であれば夫婦別姓は認められている!

日本人同士での「夫婦別姓」は認められていませんが、国際結婚である場合は基本的に夫婦は別姓となります。

その理由は外国人には戸籍が作られないからです。

 

国際結婚した場合で同一姓を名乗るのであれば、6ヶ月以内に市区町村役所に届け出ることが必要です。

つまり国際結婚の場合に限り、「選択的夫婦別姓」が認められていることになります。

 

日本人同士で「夫婦別姓」を選択するなら通称、もしくは事実婚しかない

現状日本の法律では国際結婚でない場合に「夫婦別姓」を通すには、「通称使用」「事実婚」しかないと言われています。

「通称使用」と「事実婚」について以下で説明していきます。

 

通称使用とは?

 

通称使用とは、職場などで社内外に向けて旧姓を使用することを言います。

戸籍上の本名は結婚後どちらかの姓に定めなければならない為、変わらないのは名刺の記載や職場での呼称だけです。

 

通称使用について定めた法律は特にない為、会社独自の規定に従うことになります。

会社によって通称使用の自由度が違うため、あらかじめ確認しておきましょう。

事実婚とは?

事実婚とは男女が婚姻届けを出していないものの、夫婦としての結婚の意思と実態がある状態を指します。

事実婚を指す具体的な条件としては

  • 生計を共にして共同生活を送っている
  • 住民票や社会保険など公的手続きを行い、事実婚を証明している
  • 子どもを認知している

が挙げられます。

 

一見法律婚と変わらないように見えますが、一部のサービスや恩恵が受けられない場合もあります。

「夫婦別性」にデメリットはあるのか?

「選択的夫婦別姓」について知りたい方の中には、「夫婦別姓」に何かしらの魅力や便利さを感じている方が多いはずです。

ですが、「夫婦別姓」にはデメリットも存在します。

 

具体例を、以下で解説していきます。

日本で夫婦別性はマイノリティ

日本で「夫婦別姓」はマイノリティです。

結婚後どちらかの姓に改めることが法律で定められており、その多くは女性が改姓することがほとんどです。

 

結婚して姓を変える人は、女性が圧倒的に多く、全体の約95%を占めます(令和2年時点)。

出典:内閣府男女共同参画局

日本では「女性は結婚したら苗字を変えるもの」と思われていることから、国際結婚などで「夫婦別姓」を選択した場合、周りからの理解を得るのが難しいことがあります。

 

「私の名前は〇〇ですが、夫は□□です」といった説明や、結婚しているのに独身だと思われた場合にも「苗字は変わっていないけれど、結婚している」ということを強調しなければならない場面も出てきます。

 

将来的に子どもができた場合、子どもや周りが戸惑うことも

仮に国際結婚で「夫婦別姓」を選択した場合、日本在住であれば子どもは「日本の姓+名前」になり、夫だけ家族で違う苗字になってしまいます。

そのため、夫と子どもとの親子関係が証明しにくくなります。

 

旅行で国際線に乗る場合など、夫と子どもの姓が違うために別で親子関係を証明する書類を持参している、という人もいます。

また、子どもが幼稚園や学校に通った際、環境によっては周囲との違いに子ども自身が戸惑いを感じることがあるかも知れません。

今だけではなく、将来的に子どものことも考えて選択することが重要になります。

 

海外に行った際、日本名だと困ることがある!

国際結婚をして今後海外に移住を考えている場合は、日本名だと困る場合があります。

  • 発音が難しく名前を憶えてもらえない
  • 日本名だと外国人として扱われてしまう
  • キャリアアップや賃金において外国人だと不利な場合がある

 

国際結婚してその国に居を構えたとしても、「夫婦別姓」だとこのようなデメリットがあります。

海外に移住を考えている場合は、その国の名字を使った方が便利でしょう。

 

通称使用にも限界がある!

国際結婚でもないし、通称使用なら便利なのでは?と思われるかも知れませんが、通称使用にもデメリットはあります。

  • 職場で使用する場合は、職場の規定に従わなければならない
  • 公正の文書や手続きなどに不便なことがある

職場で通称を使用する場合は、あらかじめ職場での通称使用がどこまで許されているか確認する必要があります。

 

名刺や呼称などはそのまま使えたとしても、給与の払い込みや税金の手続きなどは戸籍上の名前となる為、名前が二つあるとその分事務作業の手間になってしまいます。

 

公正の文書や手続きの中には、通称でも行えるものがあります。

ですが日常的に通称と戸籍上の名前を使い分けている場合は、どちらで手続したか分からなくなることが出てくるかも知れません。

 

旧姓、戸籍上の姓の二つの印鑑を持ち歩かなければならなくなるなど、通称使用は限られた場でしか使えないと思った方が良いでしょう。

事実婚の場合は法的に不利なことがある

「今の名前が気に入っているから、戸籍上の名前を変えたくない!」という方は、事実婚を選べばいいと思っているかも知れません。

ですが事実婚は法律婚と違う分、デメリットも多いとされています。

 

  • 経済的に不利益
  • 子どもができた場合に二人で親権を持てない
  • 家族関係の証明ができない

経済的に不利益

事実婚の場合は税金の控除が受けられません。

また、法律婚であれば自動的に遺産の相続人になりますが、事実婚のパートナーは遺産の相続人として法律上認めらていないです。

 

事実婚を選択する場合はあらかじめ遺言状を作成するなど、準備と知識が重要です。

遺言状を作成していても、相続税や贈与税の控除が受けられないの注意しましょう。

子どもができた場合に二人で親権を持てない

事実婚で子どもが生まれた場合は、子どもは自動的に母親の戸籍に入ります。

父親との親子関係を証明するには認知するしかなく、父親が親権を持つためには裁判所で親権を変更する手続きが必要になります。

 

共同親権は認められないため、親権はどちらか片方でしか持てません

家族関係の証明ができない

事実婚の場合、家族関係の証明ができないため、入院や手術の際に家族として同意書にサインすることができません。

また、万が一のことが起きた場合にもパートナーの預貯金や不動産に触れることができません。

賃貸契約や保険の契約がスムーズにいかないこともあります。

 

死後の埋葬についても原則事実婚のパートナーには権利がありません。

愛するパートナーの最期に関わることができない、という不利益が生じます。

「夫婦別性」にはどんなメリットがある?具体例を解説!

「選択的夫婦別姓制度」が認められていないことについて解説しましたが、2015年と2022年の裁判からこの問題が注目されるようになりました。

2022年の裁判では、裁判官5人のうち2人が「同一姓の強制」は違憲であるとの意見を述べています。

裁判から「夫婦別姓」問題が注目されるようになり、選挙の公約に入れる政治家も多くなってきたことから、いずれ日本でも「選択的夫婦別姓」が取り入れられるのではないかと言われています。

 

今から「夫婦別姓」について、メリットも知っておきましょう。

面倒な「改姓手続き」が不要!

結婚する際には婚姻届けを出して終わり、というわけではありません。

結婚後苗字を変更した側には、数多くの改姓手続きが待ち構えています。

  • パスポート
  • クレジットカード
  • 銀行口座
  • 生命保険や損害保険
  • 携帯電話

 

生活に必要なものだけでも、ざっとこの数の名前を変更しなければなりません。

さらに仕事に就いている場合は、会社で以下の手続きが必要です。

  • 婚姻届
  • 引っ越す場合は住所変更届
  • 給与受け取り口座の名義人変更届
  • 名刺の変更、発注

 

特に仕事でキャリアを築いている場合は、苗字が変わることで不便を感じ、キャリアに影響がある場合があるかも知れません。

 

「夫婦別姓」であればこのように面倒な「改姓手続き」が不要になります。

日本だけ遅れてる?「夫婦同姓」を強制するのは日本だけ!

「夫婦同姓」は日本では古くからの概念として定着していますが、実は「夫婦同姓」を強制している国は日本だけです。

「夫婦の同氏制を採用している国は、我が国以外には承知しておりません」。昨年11月の参議院予算委員会で、上川陽子法相はこう答弁した。

出典:朝日新聞デジタル

1981年に国連によって発行された「女子差別撤廃条約」により、多くの海外諸国では「夫婦別姓」への切り替えが進み、日本は「夫婦同姓」を強制する最後の国と言われています。

 

このように世界的に見れば「夫婦別姓」はおかしなことではなく、むしろ当たり前のことだと言えます。

そう考えれば、夫婦別姓というのは先進的な選択といえるでしょう。

 

国際結婚するなら夫婦別性がおすすめ!

国際結婚の場合に限り「選択的夫婦別姓」が認められていることを記述しましたが、日本で国際結婚する場合は「夫婦別姓」をおすすめします。

その理由としては以下です。

 

  • 目立ったり、疑問を持たれることがない
  • 予想外のことに悩まされない

目立ったり、疑問を持たれることがない

顔立ちが日本人であるのに、外国人姓を持っているいると公共の場で目立つことがあります。

外国人姓だと病院や学校など、大勢の前で名前を呼ばれるとき、「なんだ、なんだ?」と意図せず周りからの視線を集めてしまうことになります。

 

目立ちたくない、疑問を持たれたくない、と考えるのであれば「夫婦別姓」を選択すると良いでしょう。

国際結婚では複合姓も可能になるため、配偶者の名字をミドルネームにあてることもできます。

予想外のことに悩まされない

公的機関などで名前を記入する際、決まったマス欄があることがほとんどです。

外国人姓はカタカナ表記で長くなることが多く、「マス欄が足りない!」と悩まされることがあります。

 

電話でお店を予約するときも、外国人姓であれば聞き返されることが多いでしょう。

どちらの問題も、夫婦別姓にすることで解決できます。

 

海外での夫婦別姓の実態とは?国別に紹介

日本が「夫婦同姓」を強制する最後の国であることを記述しましたが、実際に海外ではどうなっているのでしょうか。

  • アメリカ
  • ヨーロッパ
  • アジア

での具体例を紹介するので、見ていきましょう。

 

アメリカ合衆国

アメリカでは州毎に異なるようですが、同姓、複合姓、別姓が可能です。

「夫婦同姓」を強制する法律は特になく、事実上「夫婦同姓」を名乗ることが多いとされています。

 

著名人などでは女優のハル・ベリーが結婚後も旧姓を貫いていることが有名で、ハル・ベリーは3度結婚しています。

確かに3回も結婚してそのたびに苗字を変えるのは大変です。

 

アメリカでは学歴、年収が高い女性ほど「夫婦別姓」を選択することが多いので、キャリアにおいての都合を優先する人が多いようです。

ヨーロッパ

細かく見れば国ごとに違うものの、姓の選択への自由度は高いとされています。

特にイギリス、イタリア、フランスなどは姓に対する法律は特にありません。

 

ドイツの首相として有名だったアングラ・メルケル元首相は40代で再婚後も、夫婦別姓を選んだ女性として有名です。

メルケル元首相が夫の姓を名乗ることを選択していれば、政治家としてキャリアを積んだ「メルケル」という名前が残ることはありませんでした。

 

アジア

中国、台湾では「選択的夫婦別姓」が認められています。

特に台湾では改姓する事は親を蔑ろにする事だとされており、別姓を選ぶ割合が高いとされています。

 

日本の隣の国である韓国では、もとから結婚後に改姓する習慣がありません。

子どもに関しては父の姓を名乗ることが原則とされていましたが、現在は母の姓も認められています。

 

アジア各国を見ていても日本が遅れた国であることが分かります。

まとめ

日本で「夫婦別姓」を選択するには
  • 国際結婚をする
  • 通称を使用する
  • 事実婚をする

しかなく、それぞれにメリット、デメリットがあることがわかりました。

 

「夫婦別姓」が認められていない日本では

  • マイノリティであること
  • 子どもや周りが戸惑うことがある
  • 国際結婚の場合、海外だと日本名で困ることがある
  • 通称使用にも限界がある
  • 事実婚は法的に不利なことがある

などのデメリットがあります。

 

今後日本でも「選択的夫婦別姓」が叶う未来が、近々訪れるかも知れません。

国際結婚や日本人同士でも現在結婚を考えている人がいるのであれば、何が自分にとって一番良い選択なのかを、きちんと調べて知っておくことが大切です。

結婚は人生において大きな転機ですので、悔いのない選択ができるようにしていきたいですね。

 

以下の法律事務所が夫婦別姓について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

Authense法律事務所のコラムはこちら

 

 

 

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