「結婚しているのに好きな人ができてしまった」
「好きな人ができてしまったけど離婚はできる?」
「離婚するとき好きな人ができてしまったことは隠した方がいい?」
そんなお悩みを抱えていませんか?
だめだと分かっていても、恋をしてしまうとなかなか諦められないですよね。
結論、パートナー以外に好きな人ができてしまったことを理由に離婚をすることは難しいです。
離婚自体はできるかもしれませんが、慰謝料を請求されたり、子どもがいる場合は子どもと離れなくてはならなかったりと、失うものがたくさんあることを覚悟しなければなりません。
本記事では、下記のことを解説していきます。
- 好きな人ができたことだけで離婚をするのは難しい理由
- 好きな人ができたことで離婚したくなる心理
- 好きな人ができた場合に離婚をしたほうがいいかを見極めるポイント
- 好きな人ができたことで離婚をする場合にしたほうがいいこと
さっそくみていきましょう。
離婚したい理由が「好きな人ができた」だけだと離婚は難しい
冒頭でもお伝えしたように、好きな人ができたことだけで離婚をするのは難しいです。
しかし、今のあなたの状況が「好きな人と両思いですでに交際している」のか、または「片想いしているだけで交際はしていない」のかで変わってきます。
詳しく解説していきます。
すでに好きな人と両思いで性交渉がある場合
離婚を考えているほとんどの人は、こちらの状況なのではないでしょうか。
パートナー以外の人と恋に落ち、パートナーよりも恋人と一緒にいる時間の方が幸せになれるかもしれないと感じると、離婚したい気持ちが強くなります。
恋人からも「あなたが離婚をしたら一緒になりたい」などと言われたら、余計に離婚した方がいいのかと悩んでしまいます。
しかし、パートナーがあなたの浮気に気づいていたらどうでしょう。
毎日同じ家に帰ってきて顔を合わせていたら、あなたの変化に気づいている可能性が高いです。パートナーは離婚を有利に進めるために、証拠集めをしているかもしれません。
そこであなたが離婚を切り出したら、証拠を突きつけられて高額な慰謝料を払うことになったり、子どもがいる場合は親権を失い養育費の請求をされたりするでしょう。
これは、民法第1条2項の「信義誠実の原則(夫婦は互いに相手の信頼を裏切ってはいけないという原則)」に反するためです。
離婚はまず、本人たちの話し合いからスタートしますが、浮気をしたことをパートナーに知られていた場合、パートナーが承諾してくれる可能性は低いでしょう。
話し合いで離婚が成立しない場合、第3者が間に入って話し合いを行う調停離婚となり、それでも成立しなければ裁判ということになります。
裁判で離婚が認められるには、法定離婚事由と呼ばれる5つの事由のうちどれかに当てはまっている必要があります。
民法770条1項
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
出典:民法|e-GOV法令検索
つまり、好きな人ができて浮気をしたあなたからの離婚の申し出は、法律上は認められないということです。
自分の片思いで交際も性交渉もない場合
パートナーがいるのに好きな人ができてしまったけれど、交際も性交渉もない場合は、パートナーがあなたの浮気を疑ったとしても証拠をつかむことは難しいです。
証拠がなければ有責配偶者にならず、あなたから離婚を申し出ても不利になることはありません。
しかし、この時に「好きな人ができたから離婚したい」と正直に理由を伝えることはNGです。
これでは自分から「浮気をしました」と伝えてしまうことになるので、もし他に離婚をしたい理由があればそちらが主な理由として伝えましょう。
好きな人ができても、相手の気持ちがわかっていない状態で離婚を考えてしまうという方は、今の結婚生活に不満があるのかもしれません。
パートナー以外に好きな人ができて離婚したいと考えてしまう心理
次に、好きな人ができたことで離婚したいと考えてしまう心理はどこから来るのかを少し掘り下げて考えていきましょう。
人は、深層心理で考えていることがあっても自覚がないということもあります。
あなたの今の状況に当てはめて考えてみてください。
パートナーとの生活に不満があった
現状のパートナーとの生活にストレスを感じている場合は、無意識に今の生活から逃げ出そうという心理が働くでしょう。
例えば、暴力をふるうことがあったり、金遣いが荒かったりなど結婚生活がすでに破綻している場合です。
少し大袈裟な例をあげましたが、モラハラ発言やケンカが多いなどもあなたがストレスに感じていれば、離婚したいと考えても自然なことです。
パートナーに異性としてみてもらえない(セックスレス)
結婚生活を続けていく中で、交際していた時は異性として意識していた相手でも次第に家族として認識していくようになります。
「昔は異性としてみてくれていたのに」と寂しさを感じると他の異性を求めるようになるでしょう。
特に女性は出産や育児で忙しく、自分のことは二の次になりがちです。
旦那さんも仕事が忙しければ、夫婦の時間が減っていくことになります。そういった期間が長くなればなるほど、お互いにどう接していいか分からなくなり、恥ずかしさを感じてしまうこともあるでしょう。
パートナーが自分に興味がない
パートナーの趣味が自分と異なり全く興味を示してくれなかったら、寂しいと感じますよね。
自分が趣味にお金を使いたくても、パートナーが許してくれなければ窮屈だと思うでしょう。
もしそのような状態で共通の趣味を楽しめる異性が現れたら、「パートナーよりも自分を理解してくれる」と感じ好意を持ってしまう可能性が高いです。
好きな人ができたことが原因で離婚をした方がいいかを判断するポイント6選!
好きな人ができてしまったけれど離婚した方がいいのか分からないという方へ、離婚を決める上で考えてほしいポイントを6つお伝えしていきます。
離婚が成立したあとでこんなはずじゃなかったと後悔しないために、しっかり考えておきましょう。
好きな人ができた以外に離婚したい理由があるか
好きな人ができたことよりも、他に離婚したい理由がある場合は離婚した方がいいかもしれません。
例えば、暴力をふるうことがあったり価値観が合わず喧嘩が絶えなかったり、生活をともにすることが困難な場合です。
休む場所であるはずの家にストレスを感じていたら、体を壊してしまいます。
離婚するほど好きな人であるか
好きな人のことをどれくらい好きかというのも重要です。いざ離婚してみたら好きだと思いこんでいただけだったというのはよくある話です。
口だけならいくらでも言えるので、自分が離婚したあとも一緒にいてくれるのかを客観的に見極めることが大切です。
また、自分自身にも本当に好きなのか、舞い上がっているだけじゃないのかと自問自答してみましょう。
離婚してから気持ちが冷めてしまっても取り返しがつかないので、客観的に判断することが大切です。
パートナーとの結婚生活は破綻しているか
何らかの理由ですでにパートナーと別居していたり、家にいても会話がなかったりなど、このままの生活を続けても改善の見込みがない場合は離婚しても良いでしょう。
逆に「会話は少ないけどそれなりにうまくやっている」「パートナーのことは好きではないが仲は良い」といった場合は離婚はしない方が良いでしょう。
離婚をするのは簡単ではありません。
長いこと話し合いをしたり、弁護士に相談してお金がたくさんかかったりと困難なことが多くあるでしょう。
その間に好きな人への気持ちが冷めてしまっても「離婚してよかった」と思えなければ後悔が残ります。
パートナーは嫌いか
好きな人のことは一旦置いておいて、パートナーのことをどう思っていますか?
いろいろなことが重なった結果、「もう顔をみるのもいやだ」とか「同じ空間にいたくない」という気持ちであるなら離婚した方があなたは幸せになれるでしょう。
しかし、少しでも好意があったり仲が良い場合は離婚は思いとどまった方が良いかもしれません。
身近な存在になりすぎると、その人のことを自分がどう思っているのかを考える機会もなくなりがちです。
慰謝料を支払うことができるか
もしパートナーがすでにあなたの浮気を疑っていて証拠を集めていた場合、慰謝料を請求されることがあることは理解しておきましょう。
不倫が原因での慰謝料は100〜300万円と言われています。
好きな人ができたことでの離婚はとてもリスクが大きいです。
それだけのリスクを抱えても離婚したいのかを考える必要があります。
子どもがいる場合は子どもと離れる覚悟があるか
好きな人ができてしまったために離婚を申し出る場合、自分が「有責配偶者」になるかもしれない覚悟をしておかなければなりません。
有責配偶者であると、親権を取ることは難しい場合が多いです。
「浮気をするような人にきちんと子育てができるのか」と聞かれたら返す言葉に困ってしまいますよね。
親権を取られ子どもと離れることになったうえに、今度は養育費の請求が待っています。
周囲からの冷たい視線に耐えられるか
最近は離婚は珍しいことでもないですが、どこからか噂が広がると思っておいた方がいいです。
自分の浮気が原因で離婚したことまで漏れてしまうと、近所の人や同僚から白い眼で見られる覚悟をしておいた方が良いでしょう。
今まで仲良くしてくれていた人でも、手のひらを返されてしまう可能性があります。
それでも離婚したいのか、しっかり考えてみましょう。
好きな人ができたことを理由に離婚したいと決めたらやるべきこと
好きな人がいるリスクが大きいことはわかったけれど、どうしても離婚したい!という方は、次のことを実践していきましょう。
大切なのは、離婚後も後悔がないことです。
なるべくリスクを少なくする方法を詳しく解説していきます。
好きな人ができたことは隠して離婚の意志を伝える
まずはここが1番重要です。
好きな人ができたことは絶対にパートナーに伝えないでください。
冒頭でもお伝えしましたが、「浮気をしました」と正直に言っても何もいいことはありません。
離婚の協議は、夫婦間の話し合いの上で双方の同意が得られれば成立します。
離婚したい理由は別の事を伝えましょう。
円満離婚を目指す
円満離婚とは、夫婦間での話し合いで双方の同意が得られ離婚が成立することです。
調停離婚や裁判となるとお金も時間もかかります。
夫婦間の話し合いで離婚が成立すれば、子どもを傷つけてしまうことも少なくできます。
別居してみる
少し話し合いをしたけれど話が進まない場合は、別居をしてみるのをおすすめします。
パートナーと離れて頭を冷やし、結婚生活やパートナーへの想い、好きな人への想いを見つめ直す時間に当ててください。
もしかしたら、好きな人ができて舞い上がっていただけかもしれません。
別居状態であれば、まだ修復できる可能性があるのでゆっくり考えましょう。
弁護士に相談する
話し合いが難航する前に弁護士に相談するのもひとつの方法です。
弁護士に早めから相談することで、慰謝料、財産分与、親権など離婚を有利に進めることができる可能性があります。
相談相手ができることも心強いですよね。
まとめ
好きな人ができたことを理由に離婚をするのはとてもリスクが高いことです。
慰謝料を請求されたり子どもと離れなくてはならなくなったり、失うものがとても多いと言えるでしょう。
しかし、好きな人ができた以外に離婚を強く望む理由があるのだとしたら、離婚した方が良い場合もあります。
好きな人ができたことを理由に離婚をするときの注意点はこちらです。
- 好きな人ができたことは隠して離婚の意思を伝える
- 円満離婚を目指す
- 別居してみる
- 弁護士に相談する
まずは、好きな人のことは脇に置いておいてパートナーへの気持ちや結婚生活、子どものことについて考えてみることが大切です。
それでもどうしても離婚したい場合は、好きな人がいることを伏せて話し合いを進めることが重要です。
1番大切なのは、あなたがこれからも幸せでいることです。
どんな未来が1番幸せになれるのか、よく考えた上で離婚するのかの選択をしてくださいね。
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