「夫が認知症と診断された!どう向き合えばいい?」
「認知症の夫に接する際の注意点はある?」
「夫が認知症で疲れた……対処法はある?」
などとお考えではありませんか?
夫が認知症になると、サポートをする妻には大きな負担がかかります。
少しずつ進行していく夫を見て、どう接したらいいか、戸惑うことも多いでしょう。
当記事では
- 夫が認知症と診断された場合の上手な向き合い方
- 認知症になった夫に接する際の注意点
- 認知症の夫の介護に疲れないための対処法
といった内容を徹底解説していきます。
夫が認知症と診断され、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただければ、認知症の夫との上手な付き合い方が見えてくるはずです。
夫が認知症と診断された場合の上手な向き合い方
認知症の研究は進められていますが、いまだに決定的な予防法や根本的な治療法は見つかっていません。
つまり認知症と診断された場合は、進んでいく症状と向き合っていく必要があるのです。
認知症と診断された夫との上手な向き合い方は下記の通り。
- 認知症であることを受け入れる
- 本人の気持ちを理解する
- 話を一旦受け入れる
- 持ち物に名前や連絡先を記入しておく
- 穏やかな気持ちでいられるように努める
それぞれの向き合い方について、詳しく見ていきましょう。
認知症であることを受け入れる
まずは「認知症であることを受け入れる」ことが大切です。
認知症であることを認めるのは、本人にとっても妻にとっても大変なこと。
しかし、早期治療を受ければ、今の時間を充実させるための支援が受けられます。
認知機能が低下していく、今後への備えができる時間も増えることでしょう。
認知症のように普段の生活に支障をきたすほどではありませんが、記憶などの能力が低下し、正常とも認知症ともいえない状態のことを「軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)」と言います。この段階から運動などの予防的活動を開始することで、認知症の進行を遅らせることが期待されています。
などと、過去と比較するのはNG。
認知症になってしまった事実を、まずは受け入れるようにしてください。
本人の気持ちを理解する
次に「本人の気持ちを理解する」ことも大切です。
サポートする妻はもちろん辛いですが、それ以上に本人は自らの変化に戸惑いや不安を抱えています。
認知症だからといって、突然何も分からなくなるわけではないのです。
本人の戸惑いや不安を理解し、受け入れてあげましょう。
不安が元で起こしている行動もあるはず。
話を一旦受け入れる
「話を一旦受け入れる」ように意識してください。
認知症が原因で、話の内容が噛み合わなかったり、間違った話をすることもあるでしょう。
とはいえ、すぐに間違いを指摘するのではなく、話を受け入れることが大切です。
認知症かどうかに関わらず、相手に話を聞いてもらえるのは嬉しいもの。
自分を認められたことを実感できるでしょう。
たとえば、ご飯を食べたばかりなのに
と言われた場合は
などと一度受け入れてから、おやつなどを渡すと納得しやすくなります。
持ち物に名前や連絡先を記入しておく
「持ち物に名前や連絡先を記入しておく」ことも忘れないようにしましょう。
認知症が進行するにつれ、徘徊の症状が表れるケースも。
自分の居場所が分からなくなったり、なぜ外に出たのかを忘れてしまうことが原因です。
ということのないよう、持ち物に名前や連絡先を記入しておきましょう。
穏やかな気持ちでいられるように努める
夫が「穏やかな気持ちでいられるように努める」ことも意識してください。
気持ちが昂ると、攻撃的になるケースも少なくありません。
自分が攻撃されていると感じ、抵抗してしまうのです。
好きな音楽をかけるなどして、リラックスさせることも大切です。
環境の急な変化は戸惑いの元になりますので、避けるようにしましょう。
認知症になった夫に接する際の注意点
認知症の夫をサポートするには、夫婦間の信頼関係を築く必要があります。
夫が妻を信頼できなくなれば、状況は悪化してしまうでしょう。
特に下記のような言動には注意してください。
- 叱らない
- 指図しない
- 脱水などの症状に気を付ける
それぞれの注意点を具体的に見ていきましょう。
叱らない
最初の注意点は「叱らない」ことです。
認知症になったからといって、感情がなくなるわけではありません。
叱られている理由が分からなくても、叱られることへのショックは受けるのです。
自尊心が傷つけられることもあるでしょう。
叱られて嫌な気持ちになることで、行動異常や妄想などが悪化することもあるので要注意です。
指図しない
2つ目の注意点は「指図しない」ということ。
認知症になったからといって、すべての行動ができなくなるわけではありません。
徐々に機能が衰える可能性はありますが、現段階でできることはまだまだあるでしょう。
自分でできることなのに
などと指図されれば、いい気持ちはしません。
心配でついつい言いたくなってしまう気持ちも分かりますが、まずは夫を信じて見守るようにしましょう。
とネガティブに考え、うつ病になるケースもあります。
脱水などの症状に気を付ける
最後は「脱水などの症状に気を付ける」ことも大切です。
特に気を付けたいのが『脱水』と『便秘』。
脱水は体に水分が足りていない状態です。
それによって認知力が低下することも考えられます。
水分を摂ることで改善することがあり、認知症の症状が、無くなったという事例も聞かれているくらい、水分補給が必要であると、医学的にも言われています。
さらに『便秘』は異常行動を誘発する要因にも。
夫が認知症になって辛い時は専門家に相談を!
夫が認知症と診断されたら、妻はショックを受けるのも自然なことです。
少しずつ認知機能が衰えていくため、サポートも必要になってくるでしょう。
それほど、認知症の夫をサポートするのは大変なことなのです。
夫が認知症になったら、地域包括センターなど専門家に相談してみてください。
介護のプロが適切なケアプランを作成してくれます。
また認知症の家族をサポートする公益社団法人「認知症の人と家族の会」もおすすめ。
認知症に関するさまざまな相談に対応してくれます。
認知症の夫の介護に疲れないための対処法
愛する夫とはいえ、認知症の夫を在宅で介護するのは、大きなストレスです。
中には介護離職や介護うつなどを引き起こし、現代社会の社会問題にもなっています。
介護のストレスを軽減するには、下記の対処法がおすすめです。
- 介護以外の時間を持つ
- 周りに相談する
- 周りと比較しない
- いつか必ず終わることを覚えておく
それぞれの対処法を具体的に見ていきましょう。
介護以外の時間を持つ
まずは「介護以外の時間を持つ」よう意識してください。
毎日休みなく、付きっ切りで介護していると、精神的にイライラしてしまいます。
お茶を飲んだり、お菓子を一口食べるだけでも気分転換になります。
まとまった時間が取れれば、趣味に打ち込むのもいいですね。
外に買い物に出ることも、リフレッシュに繋がります。
周りに相談する
「周りに相談する」ことも大切です。
認知症の症状はいつも同じとは限りません。
新たな症状が出ることもありますし、さらに深刻な状況になることもあるでしょう。
友人や家族でもいいですが、介護の専門家ならより心強い味方になってくれるはず。
また夫の主治医に相談すると、最適なアドバイスをしてくれるでしょう。
周りと比較しない
決して「周りと比較しない」ようにしてください。
他の認知症の方を見て、夫の症状と比較してしまうのはNG。
認知症の症状や進行速度は人それぞれです。
今の状態の夫と楽しく過ごすことに、重きを置きましょう。
周りと比較するのではなく、現状に目を向けるようにしてください。
いつか必ず終わることを覚えておく
認知症は「いつか必ず終わることを覚えておく」ようにしましょう。
認知症の介護は先が見えないので、サポートする妻も落ち込みがちになります。
たとえば現在、徘徊してしまう人でも、足の機能が衰えれば徘徊はしなくなっていくでしょう。
どんな症状も、いつか必ず終わりがきます。
まとめ
認知症と診断された夫との上手な向き合い方は下記の通り。
- 認知症であることを受け入れる
- 本人の気持ちを理解する
- 話を一旦受け入れる
- 持ち物に名前や連絡先を記入しておく
- 穏やかな気持ちでいられるように努める
認知症の夫と接する際は、特に下記のような言動には注意してください。
- 叱らない
- 指図しない
- 脱水などの症状に気を付ける
愛する夫だからこそ、認知症になった時の介護は辛いもの。
一人で溜め込んでしまうと、介護うつなど精神的なストレスを負ってしまいます。
家族で役割を分担したり、ショートステイなどをうまく利用しましょう。
一人で抱え込まず、自分も家族も健やかに生活できる選択肢を選びましょう。
夫が休職しなければならなくなった時は、下記の記事も参考にしてください。
コメント