「離婚したいけれど、母子家庭でやっていける?」
「離婚した後に夫からもらうべきものは?」
「離婚して母子家庭になることのメリットはある?」
当記事を読んでいる方は、上記のようにお悩みではないでしょうか。
「夫と離婚したい」と思っても、母子家庭でやっていくことについては不安になりますよね。
そこで当記事では下記について解説します。
- 離婚したいけれど母子家庭でも大丈夫?ひとり親世帯への手当や助成制度12選とは?
- 離婚の際元夫からもらうべきものは?
- 離婚したい女性必見!母子家庭になるメリットとは?
当記事を読んでいただくと、離婚したいとお考えの方に、母子家庭の手当や支援制度についてわかります。
離婚したいけれど母子家庭になるのが不安な女性は、是非最後までご覧ください。
離婚したいけれど母子家庭でも大丈夫?ひとり親世帯への手当や助成制度12選
この章では、離婚して母子家庭になった場合に受けられる手当や助成制度を解説します。
母子家庭になると収入は女性1人で支えなければいけませんが、様々な手当や支援制度を受けることが可能です。
下記にて12個の制度を紹介していきますので、是非ご覧ください。
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- 母子家庭の住宅手当
- 医療費助成制度
- 母子家庭の遺族年金
- ひとり親控除
- 国民健康保険の免除
- 国民年金の免除
- 電車やバスの割引制度
- 粗大ごみの手数料を減免
- 上下水道料金の割引
- 保育料の免除や減額
児童扶養手当
まずは児童扶養手当について解説します。
児童扶養手当は子供が18歳になった最初の3月31日まで、母子家庭を含むひとり親家庭や、父母の代わりに児童を養育している方に支給されます。
ただし下記場合は支給を受けることができません。
- 児童又は請求者が日本国内に住所を有しないとき
- 児童が児童福祉施設等に入所している、里親に委託されているとき
- 児童が父及び母と生計を同じくしているとき(父又は母が障害による受給を除く)
- 児童が父又は母の配偶者(事実上の配偶者を含む。)に養育されているとき
当然ですが日本の制度なので、日本に住んでいることや、子供を養育していることが条件となります。
母子家庭で子供と生計を共にする女性ならば、問題なく受けられる制度だと思って良いでしょう。
と思う方は、子供が1人の場合にもらえる月額について、下記を参考にしてください。
- 全額支給(年収が所得制限額に満たない場合):月額43,070円
- 一部支給:所得に応じて月額43,060円から10,160円まで10円単位で変動
上記のように児童扶養手当は、児童を養育している親の年収によって幅があります。
自分が手当を受給できるかどうかは、早めにチェックしておくと良いでしょう。
児童育成手当
母子家庭で東京都在住の場合、児童扶養手当のほかに児童育成手当が受けられる可能性があります。
児童育成手当も、児童扶養手当と一緒で子供が18歳になった最初の3月31日まで受け取ることが可能です。
と思う方は、児童扶養手当と児童育成手当の違いについて下記を参考にしてください。
児童育成手当は東京都の制度なので、東京都に住んでいるということが条件です。
また受け取れる金額は、世帯収入に関わらず一律であることも特徴と言って良いでしょう。
母子家庭の住宅手当
母子家庭への住宅手当も受けることができますよ。
母子家庭への住宅手当は、下記ケースの場合受けることが可能です。
注意点としては、所得制限があることと申請する市区町村に6か月以上住んでいないと対象にならないことでしょう。
離婚を期に別の土地に引っ越す場合は制度の対象にならないので、離婚後の居住地は注意して決めたいものですね。
また市区町村によって受けられる金額が違います。
- 東京都国立市:家賃の3分の1の額で月額1万円まで
- 東京都武蔵野市:10,000円
- 千葉県君津市:5,000円が限度
- 神奈川県鎌倉市:家賃から15,000円を控除した額。ただし、9,000円が限度
- 神奈川県海老名市:一律5,000円
離婚弁護士ナビより
上記の通り、月額5,000円~10,000円の間で設定している市区町村が多いようです。
家賃の負担額が少しでも減るのはありがたいですが、あくまでも補助にとどまる金額と言えますね。
家賃は毎月払うものなので、母子家庭向けの住宅手当はあてにせずに無理のない範囲で居住地選びをした方が良さそうです。
医療費助成制度
母子家庭を対象にした医療費助成制度も設けられています。
上記制度は母子または父子家庭を対象に、
が診察を受けた際、自己負担額の一部を居住する市区町村が助成してくれるものです。
実際の助成内容は、住んでいる市区町村によって異なるので、母子家庭になる場合は役所で確認してみると良いでしょう。
また母子家庭を対象にした医療費助成制度を受けられるのは、下記世帯です。
医療費助成制度も、受給者へは所得制限が設けられています。
上記をしっかり確認しましょう。
母子家庭の遺族年金
母子家庭への遺族年金も、条件に当てはまれば受け取れます。
母子家庭の遺族年金とは、夫もしくは妻が死亡した場合に受取れる年金のことです。
遺族年金は、入っていた保険によって下記どちらかが受けられます。
加入している年金の種類によって、
が違うので、遺族年金の対象になった場合は早めに確認しておきましょう。
ひとり親控除
母子家庭になると、ひとり親控除も受けることができますよ。
ひとり親控除は令和2年より新設された制度で、以前は寡婦控除という名称でした。
寡婦控除自体は今もありますが、更に対象を拡大した制度が「ひとり親控除」と考えて良いでしょう。
という方は下記の図を参考にしてください。
上記のように、控除額や控除対象などに違いがあることがわかります。
寡婦控除の場合は受けられるのは女性のみですが、「ひとり親控除」は男女の差別なく、ひとり親家庭が対象です。
また寡婦控除には結婚歴が必要でしたが、ひとり親控除は未婚で出産・育児をしている家庭も対象になるのは大きな違いと言えますね。
ひとり親控除は、下記条件を満たした方が受けることができます。
(1)その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと。
(2)生計を一緒にする子がいること。
この場合の子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
(3)合計所得金額が500万円以下であること。
国税庁HPより
条件として子供の年間所得についても記載があるので、子供が高等学校に進学した以降にアルバイトなどの収入を得ている場合は注意が必要でしょう。
また再婚はしていなくても、事実婚状態の相手がいると受けることができません。
離婚後の人生設計は、受けられる制度のことも頭に入れながら考えていきたいものですね。
国民健康保険の免除
国民健康保険の免除が適用される場合もあるので覚えておきましょう。
国民健康保険の免除は、母子家庭だけが受けられるものではありませんが、
上記のようなケースが免除の対象になります。
所得が一定額を下回る家庭が対象になるので、母子家庭になった場合は当てはまる可能性は上がるでしょう。
国民年金の免除
母子家庭は国民年金の免除も受けられる可能性もあるので、チェックしておきましょう。
免除額は下記を参考にしてください。
- 全額免除
前年所得が以下で計算した金額の範囲内。
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円- 3/4免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内。
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等- 半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内。
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等- 1/4免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内。
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等離婚弁護士ナビより
母子家庭になって一時的にでも収入が減ったり、無収入になった世帯にとってはありがたい制度ですね。
ただし、上記はあくまで国民年金に加入している世帯が対象になることを忘れないようにしましょう。
当たり前ですが、会社の厚生年金に加入している場合は、対象から外れます。
と不安ですよね。
国民年金が免除された場合は、下記の扱いになります。
受け取れる金額については、下記を参考にしてください。
金字塔HPより
収めていた期間としてカウントされますが、受け取れる金額は減ってしまいます。
母子家庭になって収入が減った当初は制度に頼ることも必要でしょう。
しかし将来のことを考えると、家計に余裕が出てきたら、後から納付するなどした方が良さそうですね。
電車やバスの割引制度
母子家庭は、電車やバスの割引が適用される場合があります。
こちらの制度は市区町村単位で行っているので、具体的な内容は住んでいる地域の役場で確認しましょう。
上記の他にも東京都では、都営線が無料で乗れるなどの制度も設けられています。
自身が住んでいる地域独自の制度がないかどうか、役場で確認をしてみましょう。
粗大ごみの手数料を減免
母子家庭は、粗大ごみを出す際手数料が減免される制度を使える可能性があります。
こちらの制度は市区町村によるものですので、詳細は役所にて確認しましょう。
制度の対象になるのは、以下の世帯です。
あくまでも低所得者向けの制度ですが、母子家庭になって一気に収入が減った女性には嬉しい制度と言えるでしょう。
上下水道料金の割引
母子家庭の場合、住んでいる市区町村によっては上下水道の料金が割引になります。
上下水道料金の割引が適用される自治体でも、免除されるのは以下の世帯です。
毎月支払う必要がある固定費が割引になるのは、とてもありがたいですよね。
母子家庭になった際は、役所での手続きの際に確認してみると良いでしょう。
保育料の免除や減額
母子家庭は子供を保育園に預ける際、保険料が免除又は減額されることがあります。
母子(父子)家庭になると世帯収入は嫌でも下がりますが、所得が低い世帯の場合、
といった制度を活用することができるのです。
注意が必要なのは、保育料は前年の収入で決まるという点でしょう。
保育料は下記の通り計算されます。
つまり母子家庭になって収入が下がったタイミングでは、保育料の免除は適用されないということです。
また保育料が完全に免除されるのは、住民税非課税世帯だと言うことも覚えておきましょう。
離婚の際元夫からもらうべきもの
この章では離婚の際元夫からもらうべきものを解説します。
母子家庭になる女性は、離婚後の生活に不安を抱えるのは当然のことです。
心の負担を少しでも軽くするためには、離婚時に夫からもらえるものはもらっておくことが大切でしょう。
母子家庭になる際、夫からもらっておくべきものは下記が挙げられます。
- 養育費
- 財産分与
- 夫が有責の場合慰謝料がもらえる場合も
順番に解説しますので、是非ご覧ください。
養育費
まず子供の養育費は必ずもらいたいところですよね。
養育費は子供を養護している方に、養護していない方の親が支払う義務があります。
という女性は多いと思いますが、夫から養育費をしっかりもらっている女性は意外と多くありません。
子供にはお金がかかるので、養育費はしっかり取り決めてから離婚しましょう。
上記のように必ず話し合って取り決め、文章に残して不払いにならないようにするのがおすすめです。
財産分与
夫婦の財産はしっかり分けてから離婚をした方が良いでしょう。
離婚時には下記が財産分与の対象となります。
あくまでも夫婦で築いた財産が対象になるため、独身のときの預貯金や相続された資産は対象外です。
特に早めに確認すべきは住んでいた家など、金額が大きな財産についてでしょう。
まずは不動産の価値を確認した上で、
などは早めに話し合うべきです。
財産分与は夫婦の収入の差に関係なく、基本的には2分割して分け合います。
そのため財産分与の対象になる夫婦の財産についてはしっかり把握した上で、自分の取り分は残さずもらうようにしましょう。
夫が有責の場合慰謝料がもらえる場合も
もし夫の方に非があって離婚をする場合は、慰謝料をもらえる可能性があるので、必ず確認したいものです。
夫に慰謝料を請求する際は、夫が有責である場合のため、下記事由に当てはまって離婚する場合と考えましょう。
民法770条1項
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
「離婚時の慰謝料」と聞くと、まっ先に「離婚(不貞行為)」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし、不貞行為以外の理由でも慰謝料を請求することは可能です。
例えば、DVやモラハラなどは「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまると考えられるので、慰謝料の対象になります。
ただし慰謝料を請求するには、相手が有責だという証拠が必要です。
と思っても、スムーズに慰謝料を払ってもらうためには証拠をつかんでから離婚をする方が賢明でしょう。
下記が証拠として役立ちますので、離婚前に集めておくのが得策です。
上記証拠は夫と一緒に住んでいるときの方が取りやすいので、離婚を意識し始めたらコツコツ集めておくのが良いでしょう。
離婚したい女性必見!母子家庭になるメリットを知っておこう
この章では離婚する女性に向けて、母子家庭になるメリットをご紹介します。
母子家庭での生活に不安を覚える方は多いと思いますが、メリットも多く存在するのです。
母子家庭になるメリットとして、下記4つを解説するので是非ご覧ください。
- 夫へのストレスから解放される
- 自分のペースで暮らせる
- 夫への出費がなくなる
- ひとり親世帯への助成制度が使える
夫へのストレスから解放される
まずは何よりも夫に対するストレスから解放されることが挙げられます。
離婚理由は様々ありますが、誰でも夫に対してイライラを感じて過ごしているものです。
日常の小さなイライラもあれば、離婚の原因になるようなストレスもあったでしょう。
当然ですが離婚をすれば夫とは別れて暮らすので、一緒にいることでのストレスはなくなります。
もちろん夫がいないことで、
などのデメリットもありますが、同時に夫がいることでのストレスから解放されるのです。
夫の世話から解放されるのは、母子家庭になるメリットの1つと言って良いでしょう。
自分のペースで暮らせる
母子家庭だと自分のペースで暮らすことが可能です。
夫と暮らしていると、夫のペースに合わせなければいけない場面も多々あるでしょう。
上記のように、息苦しい生活をしてきた女性は多いはずです。
しかし母子家庭になり夫がいないと、夫のペースに合せず生活できるので、開放感を感じることができますよ。
など、想像するだけで離婚後の生活が楽しみになるのではないでしょうか。
夫への出費がなくなる
母子家庭になると収入は抑えられますが、夫への出費はなくなります。
上記のように、夫個人にかかるお金は多くあります。
成人男性1人分と考えると毎日の食費だけでもかなりの金額になるので、それが無くなるだけでも大分負担は減るでしょう。
母子家庭にお金の不安はつきものですが、夫分の出費が抑えられることを考えると、少し気が楽になりますよね。
ひとり親世帯への助成制度が使える
母子家庭になると、先述したようなひとり親世帯への助成制度が使えます。
離婚をして収入が減少してしまっても、様々な助成制度を活用できると大変ありがたいですよね。
所得制限がある制度も多いですが、
と考えることで、母子家庭で生活していくことへの不安は減少するでしょう。
また、
という方にとっても、助成制度の存在はありがたいものです。
上記のような方は、助成制度に頼りながら一時的に仕事をセーブすることも可能です。
と考えることで、母子家庭での生活に選択肢が増えること間違いありません。
せっかくの制度なので「母子家庭になるメリットのひとつなのだ」と前向きに考えて活用しましょう。
まとめ
離婚したいけれど母子家庭になることが不安な方へ、ひとり親世帯への手当や助成制度12選を解説しました。
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- 母子家庭の住宅手当
- 医療費助成制度
- 母子家庭の遺族年金
- ひとり親控除
- 国民健康保険の免除
- 国民年金の免除
- 電車やバスの割引制度
- 粗大ごみの手数料を減免
- 上下水道料金の割引
- 保育料の免除や減額
離婚の際元夫からもらうべきものは、下記を参考にしてください。
- 養育費
- 財産分与
- 夫が有責の場合慰謝料がもらえる場合も
離婚したい女性が知っておくべき、母子家庭になるメリットは下記を参考にしてください。
- 夫へのストレスから解放される
- 自分のペースで暮らせる
- 夫への出費がなくなる
- ひとり親世帯への助成制度が使える
離婚して母子家庭になることは、金銭面や世間体など色々な不安が付きまとうのは当然です。
しかし記事内で解説した通り、母子家庭を支援してくれる制度が充実していますし、母子家庭になることでのメリットも多くあります。
離婚前に役場に相談に行くなどして、自分が受けられる母子家庭の助成制度を確認しておきましょう。
当記事が、離婚したいけれど母子家庭になるのは不安な女性や、手当や支援制度について知りたい女性のお力になれば幸いです。
離婚したいときに必要な貯金額や、貯金の隠し方や注意点について知りたい方は、下記を参考にご覧ください。
貧乏だから離婚したい場合の5つの注意点や、離婚後にもらえるお金をについては下記記事で解説していますので、是非ご覧ください。
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